
ヤーガン族とはどんな民族?現在も生き残りの女性がいる?絶滅?
ヤーガン族を知っていますか。ヤーガン族の生き残りと言われる女性や絶滅した理由、セルクナム族との関係について解説いたします。また、ヤーガン族はウルトラマンに似ていることや、日本人との関係などについても一緒にご説明いたしますのでぜひチェックしてください。
目次
[表示]ヤーガン族について知りたい
ヤーガン族を知っていますか。かつては1万年以上もいたとされているヤーガン族ですが、現在はどうなっているのでしょうか。
世界で一番南に位置している民族して、かなりの人数がいたとされるヤーガン族ですが、この民族が現在は存在しているのかについて解説いたします。
もし、今でもこの民族が残っているのであれば、世界的にすごいことです。
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ヤーガン族とは?
まずはヤーガン族について解説いたします。そもそもヤーガン族とはどういった民族なのでしょうか。おそらくヤーガン族という民族の名称を始めて聞いたという人も多いでしょう。
ヤーガン族を知っている人も、そして初めて聞いたという人もまずはこの民族の基本情報についてチェックしてください。
世界で最も南に位置する先住民
ヤーガン族は、世界において最も南に位置する先住民です。かつては南アフリカのフエゴ島から、さらに南の島々にかけて存在していました。
そのため、世界で最も南に位置する先住民と呼ばれているのです。
19世紀においてはフエゴ人と呼ばれていましたが、現在ではこの名称は他の民族の総称として使われています。正式にはヤーガン族という呼び名です。
言語はスペイン語やヤーガン語
ヤーガン族は、完全に独立したヤーガン語を使用していることがわかっています。しかし、ヤーガン族の多くはスペイン語を話すこともわかっています。
おそらくヤーガン語を話していた者は、純粋なヤーガン族であると考えられており、その他のスペイン語を話していた者は、比較的現代に近いヤーガン族ではないかと考えられています。
ヤーガン語を話す者は、既にいなくなったと考えられていましたが、実は最後の一人とされる人物が残っていたのです。
クリスティーナ・カルデロンが最後の純血
その人物こそが、クリスティーナ・カルデロンです。このクリスティーナ・カルデロンは、ヤーガン語を話す最後の一人とされており、2017年時点ではチリ領内に住んでいるとされています。
ヤーガン族の伝統は既に途絶えていると考えられていたため、その一人が残っていたことは、とてもすごい発見だったのです。
ヤーガン族は狩猟採集民である
ヤーガン族は、カヌーを利用して食料を集めていたようです。島と島との間をカヌーで渡って食料を確保する狩猟採集民だったのです。
海を渡って、男性はアシカなどを獲っていたとされ、女性は海の貝を集めていたようです。食料を探すために、かなり広い範囲を移動することもあったでしょう。
一見、豊かな生活のように感じますが、ヤーガン族は途絶えてしまったのです。
ヤーガン族の生き残りの女性とは?
では、ヤーガン族の生き残りとされている女性とはどういった人物なのでしょうか。
既に伝統が途絶え、ヤーガン族はいなくなったと考えられていましたが、ヤーガン族は生き残っていたのです。その貴重な存在の女性について解説いたします。
2005年に死亡したエメリンダ・アクーニャ
実はヤーガン族の生き残りはかつては2人いました。その一人がエメリンダ・アクーニャです。この女性は、自ら自分はヤーガン族の生き残りであることを主張していました。
そのため、多くの研究者などが、彼女についての記録を残そうとしたのです。しかし残念ながら、エメリンダ・アクーニャは2005年に亡くなってしまいます。
現在の生き残りはアブエラ
ヤーガン族の生き残りは2人いるとご説明しましたが、後の一人はアブエラです。このアブエラは、他の血が混ざることのない、純粋なヤーガン族であることがわかっています。
この事実については、さまざまなメディアが取り上げました。日本のメディアもこの事実について報道したほどです。
最後の血を受け継いたアブエラは、年齢などはわかっていません。また、今現在どうしているのかもわかっていません。
ヤーガン族が絶滅?理由は?
ヤーガン族はなぜ、絶滅に追い込まれたのでしょうか。ヤーガン族が絶滅してしまった理由には、さまざまな説が唱えられています。
中にはとても不思議な見解も存在しています。ヤーガン族が絶滅したその理由について解説いたします。
食料がなくなった
まずは食料がなくなったという説です。ヤーガン族が主食としてきたアシカですが、乱獲がされるようになり、極端に数が減少したのではないかと考えられています。
ヤーガン族は、他にも貝類などを食べていましたが、アシカをメインとして食べていました。そのため、極端にアシカの数が減少したのではないかと思われます。
生きていく土地がなくなった
また、生きていくための土地がなくなったという説もあります。ヤーガン族は、島々を渡り歩いていた民族ですが、食料や気候など、住みやすい土地を探していたと思われます。
そうした中、あるときヨーロッパ人によってヤーガン族の土地が奪われた言われています。もともとヤーガン族が住んでいた土地をヨーロッパ人が奪ったのです。
そのため、生活をする土地がなくなり、ヤーガン族は途絶えたと思われます。
洋服を洗濯しなかった
ヤーガン族は、服を洗濯しなかったために絶滅したという話もあります。ヤーガン族は、服を洗濯するという考えがありませんでした。
そのため、不衛生な状態が続いてしまい、伝染病が起こったのです。少し考えにくい理由ではありますが、可能性として完全否定はできない仮設です。
感染症が蔓延した
最も有力とされている、ヤーガン族が絶滅した理由は、伝染病が蔓延したという理由です。
ヨーロッパから持ち込まれたチフスや麻疹、さらには天然痘などにかんせんしてしまい、結果的に絶滅したと考えられています。そうした民族が絶滅した多くの原因は、感染症です。
ヤーガン族も同じように、他の国から持ち込まれた伝染病によって絶滅したと考えられているのです。
ヤーガン族のような民族セルクナム族とは?
ヤーガン族と同じような絶滅を遂げることになった民族とし、セルクナム族も注目されています。セルクナム族もまた、かなり特殊な民族でした。
現在では考えられないような生活を行っていたことがわかっており、絶滅するまでは詳しい実態はわかっていませんでした。
チリやアルゼンチンにいた民族
セルクナム族は、もともとチリやアルゼンチンにいた民族とされています。そのため、セルクナム族はヤーガン族と同じように、南米の最南端で暮らしていたのです。
実は当時はこの値域にさまざま部族がいたとされていますが、セルクナム族はその部族の一つだったようです。
石器時代の狩猟をしていた
このセルクナム族は、石器時代の狩猟をしていました。それも絶滅する最近までこうした狩猟を続けていたのです。
18世紀末まで石器時代の狩猟を続けていたということは、他の文化にほとんど触れることなく生活をしていたのでしょう。
これはかなりのレアケースですが、今でもセルクナム族が存在していたら、どうなっていたのかは気になることです。
ヤーガン族とセルクナム族の博物館がある
このヤーガン族とセルクナム族は、実は世界的にかなり有名な部族になっています。そうしたことから、この2つの部族の博物館が建てられたのです。
当時、どういった生活をしていたのか、そしてどういった狩猟をしていたのかがわかる博物館になっています。
人気の博物館
このヤーガン族とセルクナム族の博物館は、とても人気の施設になつています。観光名所にもなっているほどです。
ヤーガン族とセルクナム族の博物館は、ウシュアイアに建設されており、名前は「ヤマナ族博物館」といいます。