ペストマスクとは?なぜあの形?ペスト医師や作り方についても解説! 社会

ペストマスクとは?なぜあの形?ペスト医師や作り方についても解説!

17世紀のヨーロッパで医師が着用したペストマスク。なぜクチバシのような独特な形で、本当に効果はあったのでしょうか。ペストマスクの画像や怖いイメージの理由、かっこいいペストマスクの作り方などをふくめて、ペストマスクとはなにかについてまとめていきます。

目次

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ペストマスクとは?くちばしのような形はなぜ?

ペストマスクとは、17世紀のヨーロッパでペストに感染した患者を診察していた医師が使用していたマスクのことです。

黒ずくめの服装にクチバシのようなペストマスクをつけたペスト医師の画像を紹介するとともに、ペストマスクがなぜあの形だったのかを説明していきます。

ペストマスクとはなに?画像を紹介

17世紀のペストマスクを着用した医師を描いたものが、上の画像です。このマスクで医師はペストへの感染を防いでいたとされます。

ペストマスクは17世紀のヨーロッパで使用されていたマスク

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ペストマスクは17世紀のヨーロッパでペスト(黒死病)が猛威を振るった際に、フランス人医師のシャルル・ド・ロルムという人物が感染予防のために発明した医療用マスクです。

医師たちはペスト患者を診察するときだけではなく、検死に立ち会う際にもペストマスクを着用していました。

ペストマスクの大きさはどのくらい?

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ペストマスクのクチバシのように突き出他部分は、長さ15cm程度であったとされます。

この特徴的な外見は特にイタリアで文化の中に根付いていき、ペストマスクをモチーフにした仮装用マスクなども多数制作されました。

ペストマスクはなぜこの形になったの?

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ペストマスクの特徴的な形はなぜ誕生したのでしょうか。実はあのマスクの中には、香料が入れられるようになっていました。

かつてのヨーロッパではハーブの力でペスト感染のリスクが低下すると考えられており、フィルターの役割をするワラもマスクの内部に詰め込まれていたとされます。

ペストマスクの中に入れられていたハーブはバームミントやクローブなどで、アヘンの粉末を使ったアヘンチンキを使用していた医師もいました。

ペストマスクが怖い…その理由は?

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ペストマスクに対して怖いというイメージを持つ方も多いといいますが、それはなぜなのでしょうか?

これは単に見た目の不気味さだけが原因なのではなく、ヨーロッパではペストの死体の死体の間を渡り歩くペスト医師が死神のような扱いを受けていたことも一因だと考えられています。

医師が来てもペスト患者が助かるという可能性は極めて低かったことと、カラスのような不気味な姿が相まってペスト医師は死を運んでくる不吉な怖い存在、という印象が根付いてしまったのです。

ペストマスクをつけていた「ペスト医師」とは?

ペストマスクを使用していたペスト医師とは、どのような人物がなる職業だったのでしょうか。ペストマスクに感染予防の効果があったのかを含めて、ペスト医師の活動について調べてみました。

ペスト医師とはペスト患者だけを診察した医者のこと

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ペスト医師が診察をしたのは、ペスト感染が疑われる患者のみです。報酬は勤務先の病院からではなく、患者を抱えた都市から払われており、臨時雇用の公務員のような立場でした。

当時のヨーロッパでは医療費はとても高額で、一般市民が医者にかかることは困難だったのですが、ペスト医師は患者からお金を取るわけではないので、誰のことも平等に診察したとされます。

どんな人物がペスト医師になっていた?

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そのような事情があったため、ペスト医師の中には医者の免許をとったばかりの若者や、本業では生活ができない二流、三流の腕の良くない医師も含まれていました。

本来ならばペストのような恐ろしい病気の治療にあたるのは専門の医師であるべきですが、ペスト医師はあまりわりの良い仕事ではなかったために経験豊富な者は志願したがらなかったのです。

ペスト医師は命がけの職業だった!

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ペストの感染力は強く、人類の歴史上最悪のパンデミックを起こしました。明確な治療法や予防法も確立されていない状態で、患者の元に行くペスト医師は常に死と隣り合わせの環境で働いていたのです。

特にペストはドブネズミが感染源になっていたこともあり、患者がいるうえに不潔な環境に出向いていく時などは、ペスト医師の感染リスクも相当なものでした。

ペストマスクに効果はなかった?ペスト医師の高すぎる死亡率

ペストマスクをしていてもその効果はあまりなかったようで、ペスト医師になった者の大半は自分も感染して命を落としていました。

亡くなったペスト医師の中には、開業資金を貯めるためにペスト医師に志願して、志なかばで亡くなった若者も多かったのだといいます。

マスク以外にも!ペスト医師の特徴的な服装

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ペスト医師の服装は共通しており、マスク以外にも全身をすっぽりと覆うような重布か革製のコート、そしてつばの広い帽子を着用していました。

そして患者に直接触れずに診察できるように木の杖も携えていました。このように特徴的な外見をペスト医師全員がしたのには、どこにいても彼らの存在が目立つようにという目的もあったのだそうです。

もちろん露出を抑えてペストへの感染を防ぐという目的もありましたが、密閉性の高い皮のコートなどのせいで余計にペスト医師がペストで命を落とす可能性が増えたという指摘もあります。

ペスト医師の行った治療は?効果はあった?

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ペスト医師が主に行っていたのは、患者の体に吸血ヒルをつけて血液を吸わせるという瀉血治療というものでした。

これは当時のヨーロッパでは多くの病気に適用されていた治療方法で、血液と一緒に体の中に入り込んだ悪いものも取り出すことで体内の均衡が取り戻せると考えられていたのです。

しかしこれでペストが治るということはなく、感染者も死者どんどん増えていったのでした。

『ノストラダムスの大予言』のノストラダムスもペスト医師だった

1999年に世界は滅亡するという予言が話題となった、ノストラダムスの大予言。この予言をしたノストラダムスも有名なペスト医師でした。

後にノストラダムスは、ペストの患者に対しては瀉血治療も賛美歌も効果がなかったが、バラなどの香りの良い植物を原料にした自作の丸薬は一定の効果が見られたと著作の中で綴っています。

ノストラダムスがペスト医師として活動をしたのは1546年のことで、フランスのエクス=アン=プロヴァンスで医師をしていました。

ペストマスクをつけてみたい!作り方を紹介

ヨーロッパでも仮装のアイテムとしてハロウィンの時期に需要が高まるペストマスクですが、日本でもかっこいい!つけてみたい!という声が多く聞かれます。

実は自分で作ることもできるという仮装用ペストマスクの作り方を紹介していきます。

ペストマスクの材料は?

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  • ポリエチレンボードやライオンボードと呼ばれる3mm厚程度のソフトボード
  • ストレッチレザー
  • ボンドGクリアー
  • 金具
  • 装着用のゴムヒモ

ペストマスクを自分で作る場合の材料は、上の通りです。マスクを覆う合皮は普通のものでも使用可能ですが、ストレッチが効いたもののほうが扱いやすく、綺麗に仕上がります。

ペストマスクの作り方①型紙を切る

まずはペストマスクの型紙を用意する必要があるのですが、型紙はネットで「ペストマスク 型紙」で検索すると無料でダウンロードできるものが数多く確認できます。

型紙はだいたいA4の紙に収まるように作っていることが多いので、家庭用のプリンターでも印刷可能です。

「黒の錬金術学会」さんや「ギャグヨガ」さんが、ペストマスクの型紙が無料でダウンロードできるサイトの中でも特におすすめです。

ペストマスクの作り方②マスクの下地をつくる

型紙にそって、ソフトボードを切ってマスクの下地を作っていきます。ペストマスクは立体的なつくりなので、ある程度の硬さのある下地をつけないといけません。

続いてソフトボードを切り終えたらボンドで接着しますが、この時マスクの本体とクチバシ部分はまだつけないでおきましょう。この部分は合皮をはってから合体させたほうが、最終的に綺麗に仕上がります。

ペストマスクの作り方③合皮を貼る

下地の接着面が乾いたら、合皮を貼っていきます。合皮は型紙ぴったりの大きさに切るよりも、0.5cm程度大きめに切っておいて、下地の裏側に折り込んで接着すると綺麗です。

また、合皮が入手できない場合や変わった色のペストマスクにしたい場合などは全体にジェッソを塗布してから絵の具で着色するのも良いでしょう。

水彩絵の具でグラデーションをつけると味が出ていい感じに仕上がりますよ。

ペストマスクの作り方④本体を組み立てる

合皮を貼り終えたマスクのパーツを組み立てて接着していきます。完成した後に少し物足りないようであれば、鋲などで装飾するのも素敵です。

ペストマスクの作り方⑤頭に装着するゴムをつけて完成!

最後に装着するためのゴムをつけて、ペストマスク完成です。SNSなどで検索すると自作のペストマスクを個性的にデコレーションしている人も多く見られるので、参考にするのもおすすめですよ。

ペストマスクの作り方を紹介した動画も人気!

ペストマスクの作り方については、こちらの動画でも詳しく説明されています。

アップしているのは型紙の項目でもおすすめした「ギャグヨガ」さんで、材料の説明もとても丁寧なのでDIYに慣れていない方に特におすすめの動画です。

また装画内で紹介されている手作りペストマスクの重さは100gとのことで、かぶりやすさと重厚感を両立させるポイントも学べますよ。

かっこいい?マスク不足でペストマスクをつける人も!

新型コロナウイルス流行でマスクが入手できなくなった人の中からは、ペストマスクで代用するのはどうか?という声もあがっています。

そうはいってもほとんどの人は冗談で言ってみただけ、かっこいいとは思うけど日常生活で着けるのは無理という前提ですが、本当にペストマスクをつけて外出をしている人もいるのだとか。

ここではSNSで話題になったペストマスク画像などを紹介していきます。

マスクがないならペストマスクを!Twitterでペストマスクが話題に

Twitterではマスクの購入が困難になった3月初頭ころから、「マスクの代わりにペストマスクを!」という投稿が目立つようになりました。

最初は冗談めかしてペストマスクの話題を出す人が多かった様子ですが、本格的にマスクが品薄になった現在では「本当にペストマスクをしたほうがいいのか?」と悩む人まで出てきています。

ペストマスクをつけたTwitterユーザーのおもしろ画像

ペストマスクがTwitterで話題になるきっかけにもなったのが、上の画像です。

街中にペスト医師が普通にいるというシュールさが話題を呼びましたが、実はこのユーザーさんは以前からペスト医師のコスプレで様々な場所に出没していた方で、マスク以外の完成度の高さも納得です。

ペストマスクはamazonでも買える?

ペストマスクは仮装アイテムとしても需要があるため、amazonや楽天などでも普通にレプリカが購入できます。

価格も千円代〜4千円程度で、かっこいいペストマスクが欲しいけど自作する自身がないという方にはおすすめですよ。

カズレーザーもペストマスク姿を披露!怖すぎ!?

カズレーザーさんも自身のインスタグラムに、ペストマスクを着用した姿を1月20日にアップして話題になっています。

カズレーザーさんのペストマスクは特徴的な赤い色で、衣服も全て赤。しかもコメントに「子供を見守っている」と書かれていたことで、怖すぎる!という反応が相次ぎました。

以前から様々なコスプレ姿を披露していたカズレーザーさんですが、このペストマスク姿はかなりの反響があり、シリーズ化を望む声まで出ています。

ペストマスクとペスト医師の悲しい歴史

132369 / Pixabay

17世紀のヨーロッパで誕生し、現在もかっこいいと人気のペストマスクについて、ペストマスクとは何かを画像とともに紹介し、なぜあの形なのか?作り方は?という点もまとめました。

ペストマスクに感じる怖い印象は、当時のペスト医師の置かれた環境の過酷さとペストの恐ろしさをマスクが象徴しているためだといいます。

2020年4月現在も新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、これ以上の驚異になることがないよう願うばかりです。