映画『告白』のルナシー事件は実在した?母親毒殺未遂事件との共通点とは? 社会

映画『告白』のルナシー事件は実在した?母親毒殺未遂事件との共通点とは?

ルナシー事件とは湊かなえの小説『告白』の中に登場する創作の事件です。しかし実在の事件がモデルになっていると言われています。小説の登場人物、美月が信奉したルナシー事件の犯人と母親毒殺未遂事件のタリウム少女のブログ、luna seaとの関係などを調べました。

目次

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映画『告白』のルナシー事件は実在した?モデルになった事件とは?

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2010年に映画も公開され、その過激な内容が大きな話題を呼んだ『告白』。特に物語に登場する架空の事件「ルナシー事件」は実在の事件がモデルになっていると噂になりました。

ルナシー事件のモデルになった事件は本当に存在するのか、ルナシー事件とはどのような事件なのかを紹介していきます。

湊かなえ原作『告白』に登場するルナシー事件とは?

湊かなえさんの小説、そしてそれを原作とした映画『告白』に登場するルナシー事件とは、13歳の少女による一家毒殺事件です。

犯人の少女は自分の家族の食事に青酸カリを混入して殺害、その様子を自身のブログに綴って公開しているという設定で、メインの登場人物の1人である美月は犯人の少女に心酔していました。

事件の名前は犯人の少女がネット上で自分のことを「ルナシー」と名乗っていたことに由来します。

映画『告白』を観た人の間でルナシー事件は実在すると話題に

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ルナシー事件は湊かなえさんが作ったフィクションの事件です。

しかし『告白』が映画化されて注目を集めると同時に、この事件どこかで見たことがある、実在のモデルがあるのでは?と話題になっていったのです。

2005年に起きた「母親毒殺未遂事件」がルナシー事件のモデル?

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ルナシー事件の実在のモデルとして噂されているのが、2005年に静岡県で起こった母親毒殺未遂事件です。

この事件の犯人は当時16歳の女子高校生で、彼女もルナシー事件の犯人同様に母親の食事に殺鼠剤などに使用される劇薬のタリウムを混入していました。

また母親が弱っていく様子をブログに記して公開していたこともあり、事件の異質さとルナシー事件との共通点から、実在のルナシー事件と呼ばれるようになっていったのです。

『告白』のルナシー事件とはどんな事件だった?

湊かなえさんの描いたルナシー事件とは、どのような事件だったのでしょうか?小説、映画を見た人から「トラウマになった」とまで言われたルナシー事件についてまとめていきます。

ルナシー事件の概要①加害者少女は家族に青酸カリを投与していた

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ルナシー事件の犯人は実名が出てくることはなく、聖なる儀式として自分の家族の食事に青酸カリを混ぜ込み、一家全員を殺害するという狂った描写がされています。

若干13歳の少女が家族5人を殺害したというこの事件は、作中でも社会を震撼させ、大きな話題となりました。

ルナシー事件の概要②加害者少女はルナシーと名乗ってブログを公開

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ルナシー事件の犯人となった少女は自分のことをルナシーと名乗り、ブログを書いていました。

ブログには劇薬である青酸カリを手に入れたことや、それを家族が食べるカレーに混入したこと、そして知らずに食べた家族が苦しんで命を落とす様子が綴られていました。

ルナシー事件の概要③未成年者を中心にルナシーの信奉者が誕生

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猟奇的な事件内容ですが、ルナシー事件こと一家五人殺傷事件は犯人のブログとともに大きな話題となっていきました。

そして犯人少女の心の闇がマスコミに取り上げられると同時に、未成年者を中心に犯人少女の崇拝者が生み出されていったのです。

ルナシー事件の概要④登場人物の美月もルナシーの信奉者

『告白』の中でルナシー事件は、主役の森口先生が少年犯罪についてどう考えているのかを引き出す役割と、ある男子生徒の発明を台無しにする役目を担っています。

そして物語に大きく関わる美月という少女も、ルナシー事件の犯人の崇拝者という設定でした。学級委員でありながら、美月の腕にはルナシーの「L」の字のタトゥーが入っています。

実在のルナシー事件?静岡で起きた母親毒殺未遂事件の詳細

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実在したルナシー事件と噂される母親毒殺未遂事件とは、どのような事件だったのでしょうか?

殺人事件ではなく殺人未遂であったことから、はっきり覚えていないという方もいるであろう母親毒殺未遂事件について、現在は削除されている犯人のブログの内容とともに紹介していきます。

2005年10月31日・タリウムで母親の毒殺を企てた容疑で少女が逮捕

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事件が発覚したのは2005年10月31日。母親に殺鼠剤などに用いられる劇薬、タリウムを飲ませたという疑いで16歳の少女が逮捕されました。

逮捕された少女は成績優秀で静岡県屈指の進学校に通っており、部活も化学部。薬品に関する知識が豊富で、人前に出るのが好きなタイプではないものの、友人もいて普通の生徒に見えていたといいます。

逮捕前の少女の部屋は薬品だらけ・動物の死骸もあった

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逮捕直前に証拠を集めに犯人少女の部屋に入った警察によると、彼女の部屋は30種類以上の薬品が並び、フラスコやビーカーなどが散乱する異様さだったといいます。

床には彼女が殺したと思われるウサギの足が転がり、タンスからは毒殺したと思われる鳩の死骸、ホルマリンに漬けたトカゲなどもありました。

また部屋の中には彼女が心酔していたというイギリスの連続毒物殺人犯グレアム・ヤングの書籍や、ナチスの写真などもあったそうです。

加害者少女は「岩本亮平」を名乗り犯行をブログに綴っていた

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母親毒殺未遂事件の犯人の少女は、楽天広場に自分のブログを開設していました。ブログを始めたのは2005年6月27日。

そこには母親に使ったタリウムを入手した過程などが詳しく綴られていたのですが、ブログ内では岩本亮平という男性名を名乗り、一人称も僕で統一されていました。

そしてブログの中では「彼女の存在が薄くなる」等、人格が複数あるかのような記述が見られました。

ブログにはハムスターを殺したことなども記載

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少女の部屋からはタリウムの他に、レアメタルの一種であるアンチモンも発見されていました。

アンチモンは人体への影響ははっきりとわかっていないものの、有毒の疑いがあるとして使用が控えられている物質です。

彼女はアンチモンをハムスターに投与して、弱っていく様子をブログで紹介していました。そしてブログの内容から2週間経ったところで自ら殺害して、解剖したものと見られています。

8月24日・タリウムを購入したというブログを投稿

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ブログを初めて約2ヶ月経った8月24日、少女は薬局でタリウムを買ってきたという内容の記事を投稿します。

タリウムのような劇薬は証明書などがないと購入できないのでは?と不思議に感じてしまいますが、「学校の授業で使用する」と言っただけで簡単に買えたと彼女は綴っていました。

8月25日からは母親の体調の変化をブログに投稿

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8月25日には母親の体調がおかしいという内容の記事を書いており、この日に少女が母親の食事にタリウムを混ぜ込んだことがうかがえます。

そして25日に2度目にアップした記事内では、母親が病院に行ったこと、しかし体調不良の原因が分からずに帰宅したことも書かれていました。

10月2日・母親が救急車で病院へ

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10月2日、これまで自宅で横になっていることが多いと書かれていた母親が遂に入院となります。

少女のブログによると母親の体調が急変して父親が救急車を呼び、そのまま入院になったそうです。そして、その後も少女は他の家族と一緒に母親のお見舞いに行っていたことなどが綴られています。

10月20日・少女の兄が警察に妹が怪しいと証言

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10月20日、少女の実の兄が警察に対して「母親の様子がおかしくなった原因に、妹が関わっていると思う」と疑惑を証言しました。

兄は妹が日頃から部屋で薬品を扱っていること、小動物を殺害していることなどを話し、これを知った少女は逮捕の危険を感じるのです。

同日・少女が自殺未遂

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これまで学校でも母親が急病になった可哀想な子供を演じて、「人を騙すなんて簡単」とブログに書いていた少女でしたが、兄が警察に自分のことを話したことを知って大きく動揺しました。

睡眠導入剤を大量に服用して意識不明になり、少女も入院。自殺未遂を起こしました。

10月31日・少女が逮捕される

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10月31日、意識が回復するのを待って少女が逮捕されました。

逮捕後はまず精神鑑定が行われましたが、取調べ中も突然奇声をあげる、名前を呼ばれても「その人、誰?」と言うなど、変わった様子が見られたといいます。

刑事は元素を当てるクイズなど彼女の興味を引けそうな遊びを提案して、信頼関係を築いていったとされます。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の共通点

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ルナシー事件と母親毒殺未遂事件、それぞれの事件について紹介してきましたが共通点について整理してみましょう。

モデルだと言われるのも納得するほど、2つの事件に共通した箇所があることがわかります。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点①犯人は未成年の少女

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ルナシー事件の犯人は13歳の少女、母親毒殺未遂事件の犯人も16歳の少女です。一見非力で無害に見られる人物が凄惨な事件の加害者だったという点が、2つの事件に共通しています。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点②被害者は加害者の家族

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2つの事件ともに、被害者となったのは犯人の家族です。では虐待があった、家族に恨みを持つようなきっかけがあったのかというと、そういった事実はありません。

犯行の動機がよく分からず、強いて言えば人を殺してみたかった、一番近くにいたのが家族だったという短絡的な理由で自分の家族に手をかけています。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点③凶器は毒物

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またルナシー事件も母親毒殺未遂事件も青酸カリとタリウムと種類こそ違いますが、両方とも凶器は毒物です。

毒を使った犯罪は「女性の犯罪」とも呼ばれており、これは非力な女性であっても簡単に人を殺せること、また料理に混入させることで疑われずに犯行が可能なことからきています。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点④犯行の様子をブログにアップ

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2つの事件の最も異様な点は、犯行の様子を犯人の少女がブログに綴り、全世界に向けて公開していたことです。

そして両者ともブログでは別人格を名乗り、まるで小説や詩でも綴っているかのように他人事として家族が弱っていく様子を書き留めていました。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点⑤犯人がネット上で有名人になる

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ルナシー事件の犯人の少女は美月を始めとして作中で同世代の少年少女に大きな影響を与え、まるで革命家のように崇められたと書かれています。

母親毒殺未遂事件の犯人もブログを書くと同時に2ちゃんねるにも本人が書き込みをしており、事件発覚当時は「タリウムたん」等と呼ばれてネットアイドルのような扱いを一部で受けていました。

ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の類似点⑥逮捕後の加害者の処遇

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ルナシー事件の犯人は作中で5人もの人の命を奪いながら少年法に守られた、ということになっています。

母親毒殺未遂事件の犯人も、殺人未遂という重罪を起こしておきながら罪に問われることはなく、更正を目的として医療少年院に装置されています。

犯行の動機もはっきりとせず、逮捕後も本人の更正を第一に考えるとした処遇をされているのも、ルナシー事件と母親毒殺未遂事件の共通点と言えるでしょう。

ルナシー事件にヴィジュアル系バンドluna seaのファンが困惑

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ルナシー事件という名前は、『告白』の中で犯人の少女が使ったハンドルネームから取られた名前だと説明されています。

しかしヴィジュアル系バンドのluna seaと関係がある、メンバーが不祥事でも起こしたのかと一部では誤解も生んでしまった模様です。

ここではルナシー事件が引き起こした予想外の誤解について紹介していきます。

映画『告白』公開時にluna seaも再結成をアナウンスしていた

『告白』の映画が公開されたのは2010年のことでしたが、解散をしていたヴィジュアル系バンド・luna seaも2010年末に再結成ライブを行うことをアナウンスしていました。

当時は一夜限りの再結成とされていたこともあり、ファンからはこれを機に新曲が出るのでは?本当に再結成して欲しいとの声があがっていた時期でした。

そんな時にルナシー「事件」という言葉が話題になってしまったことで、luna seaの活動に悪影響が出たらと不安がるファンも多かった様子です。

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