八艘飛びとは?源義経の八艘飛び伝説は嘘?読み方や意味を解説! おもしろ

八艘飛びとは?源義経の八艘飛び伝説は嘘?読み方や意味を解説!

源義経が壇ノ浦の戦いで見せたという八艘飛び。相撲やイチローの走塁、ペルソナやガルパンなどの創作にも登場しますが、八艘飛び伝説は事実なのでしょうか?八艘飛びとは何か、意味や読み方、八艘の距離などとともに鵯越の逆落とし等、その他の源義経伝説も紹介していきます。

目次

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源義経の八艘飛び伝説とは?読み方や意味を紹介!

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八艘飛びとは『平家物語』の中の壇ノ浦の戦いを記したくだりに見られる、源義経の伝説の1つです。

身軽で超人的な身体能力を誇ったという伝承のある源義経の凄さを示す八艘飛びですが、具体的にはどのような意味なのでしょうか?八艘飛びとは何か、意味や読み方などを紹介していきます。

八艘飛びの読み方は?

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八艘飛びの読み方は、「はっそうとび」です。八艘の「艘」の文字は舟を数える単位であり、八艘とは舟が8つという意味になります。

八艘飛びの意味は?壇ノ浦の戦いでの源義経の伝説?

八艘飛びは壇ノ浦の戦いで平家の猛将である平紀経が源氏方の大将である源義経を討ち取ろうとした際に、源義経が舟から舟へと飛び移って海上を巧みに移動し、平紀経から逃げおおせたという伝説のことです。

しかしながら当然戦の場に出ていたとなると源義経も鎧を着込んでいたはずであり、本当に舟の上を身軽に飛んで渡ることができたのかについて議論が生じています。

源義経の八艘飛び伝説は本当なの?作り話説も!

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源義経の八艘飛び伝説については『平家物語』以外の文献には見られないことからも、事実だったのかどうか議論が続けられてきました。

どうして八艘飛び伝説が議論の対象になるのか、そもそも八艘の距離はどのくらいで人間に八艘飛びは可能なのか等、八艘飛び伝説の真偽について探っていきます。

『平家物語』にある源義経の八艘飛びは事実?

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『平家物語』の中には、自軍の敗北を覚悟した平教経がせめて敵将の首を取りたいという願いから源義経に勝負を挑み、源義経は平教経から逃げたという話が載っています。

この記述の中には、特に源義経が8隻の舟の上を次々と飛んでいったというような詳細な描写はなく、八艘飛びという言葉と伝承は後世に付け足されたものと考えられています。

八艘飛びは作り話?源義経は壇ノ浦の戦いにいなかった?

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八艘飛びが作り話だと言われるのは、事実を誇張したという理由からだけではありません。

鎌倉時代に編纂された『吾妻鏡』では源義経は一の谷の戦いで討ち死にをしており、壇ノ浦の戦いの時には既に存命していなかったと記されているのです。

『吾妻鏡』は『平家物語』のように物語性がなく、事実を記した文献として資料価値が高いとされているため、そもそも壇ノ浦の戦い自体に源義経は参加していなかったとも考えられています。

八艘飛びの「八艘」ってどのくらいの距離?

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そもそも八艘飛びの八艘とはどのくらいの距離なのでしょうか?『平家物語』の中では源義経は約6mほどの距離を跳躍したと記されています。

舟8隻が連なった距離がたったの6m?と疑問に感じますよね。この不自然さからも八艘飛びは事実ではない、作り話だと指摘されているのです。

八艘飛びは可能?不可能?

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仮に『平家物語』の通りに八艘飛びが6m程度の距離を飛んだだけならば、身体能力が高い人ならば可能なのでは?とも思われます。実際に走り幅跳びの選手であれば、6mの跳躍は可能でしょう。

しかし海上という不安定な足場で、甲冑を着て6mも跳躍できるかとなると話は別です。おまけに助走をつけることもできないのですから、八艘飛びは人間には不可能な芸当だと言えます。

どうして源義経の八艘飛び伝説が生まれたの?

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源義経が小柄で身軽、高い身体能力を持っていたのは事実と考えられており、戦場で飛び回って敵を撹乱することがしばしばあったとされます。

そして源氏軍は海上戦が不得手で、水上での争いはあまりスマートなものではなかったと言います。しかしながら壇ノ浦の戦いで源氏軍は平氏軍を下しています。

そのため壇ノ浦の戦いで源氏が勝ったという描写をする際に、平氏の予想外の動きを源義経が見せたという話が採用されたのではないかとも考えられているのです。それが後世で八艘飛び伝説に変化したとされます。

八艘飛びは実在した!?あの有名人が再現?

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現在では源義経が壇ノ浦の戦いに参加していても、していなくても、八艘飛びは作り話である可能性が高いと考えられています。

しかし、驚異的な身軽さで現代の八艘飛びを見せたアスリートが存在します。ここではイチローの現役時代のプレーや、大相撲で見られる八艘飛びについて紹介していきます。

イチローが八艘飛びを披露?

イチローが現役時代、シアトルマリナーズに所属していた際に見せた走塁の数々は伝説となっており、中には「八艘飛び」と呼ばれるほどの超人的な跳躍力を見せたものもあります。

捕手を飛び越えるという信じられない身軽さを見せたイチローの八艘飛び。源義経の八艘飛びを描いた歴史絵巻を再現したような姿は、上の動画からも確認できます。

動画の視聴コメントにも「これは日本人から見ても忍者だ」とありますが、それも頷ける鮮やかさです。

相撲にも八艘飛びがある!舞の海の八艘飛びが伝説的!

相撲協会の規定に満たない小柄さから、頭にシリコンを入れて弟子入り試験に挑んだという逸話を持つ舞の海。小柄な彼は現役時代、体格差を覆すために数々の技を駆使していました。

その1つが八艘飛びであり、これは立ち会い時に大きく横に跳躍して相手力士の死角に回り込んで、取り組みを有利に進めるという技です。

上の動画でも一番最初に登場する舞の海の八艘飛びですが、体格差をものともせずに相手の虚を衝く身軽さに見惚れてしまいます。

創作物にも八艘飛びが登場

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八艘飛びはペルソナやガルパンなどの創作の中にも登場しています。ここでは創作物の中で八艘飛びがどのように扱われているのか紹介していきます。

ペルソナ・女神転生シリーズのチート技「八艘飛び」

ペルソナを含む女神転生シリーズで最強のペルソナ、仲魔と言われているヨシツネ。ヨシツネが最強と言われる所以は、固有スキルの八艘飛びがあまりにもチートだからです。

ヨシツネの八艘飛びは敵全体に対して8回攻撃を行うというもので、プレイヤーからはバランスブレイカーとまで呼ばれています。

ガルパン・西住みほの「軍神八艘飛び」

ガルパンこと『ガールズアンドパンツァー』の主人公、西住みほがアニメの11話で見せた八艘飛びはファンの間で特に人気が高いシーンです。

もともと大人しめで引っ込み思案な彼女が、勝つことよりも仲間を助けたいという一心で見せた決死の八艘飛びは感動を呼びました。

八艘飛び以外の源義経の伝説を紹介

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「判官贔屓」という言葉のもとにもなるほど、人気の高い源義経。源義経には八艘飛び以外にも様々な伝説があります。

ここでは鵯越の逆落としや五条大橋の出会いなど、源義経の伝説について紹介していきます。

八艘飛び以外の源義経の伝説①鵯越の逆落とし

鵯越の逆落としとは、一の谷の戦いで大きな兵力差のあった平氏に対して源義経が仕掛けた奇襲戦のことです。

源義経の軍勢は一の谷の急斜面を騎馬で駆け下りて平氏の軍隊の背後に回り込んで奇襲を仕掛け、総崩れとなった平氏の軍を見事に下しました。

ほぼ垂直だという一の谷を馬で駆け下りたという源義経の勇姿は、伝説として語り継がれています。

八艘飛び以外の源義経の伝説②チンギスハン説

やや突飛ですが源義経には不死伝説があり、後に蝦夷地に渡ってチンギスハンになったという説も囁かれていました。

この説は幕末から明治、大正と語り継がれた後に『成吉思汗ハ源義經也』という書籍が書き上げられたことで一気に信憑性を増したと見られています。

しかしながら昭和に入るとチンギスハンの出生が詳しく判明して日本にも伝わったことから、源義経とは全くの別人物であることが明らかになっています。

八艘飛び以外の源義経の伝説③五条大橋の出会いも嘘だった?

源義経の伝説で最も有名なものと言えば、牛若丸時代に五条大橋で武蔵坊弁慶と出会ったというものですよね。しかし残念ながらこの伝承も、後世の作り話の可能性が高いのです。

当時は出会いの舞台となる五条大橋そのものが存在しておらず、この伝説は明治時代に巖谷小波という人物が書いた児童向けの物語が発祥だと考えられています。

源義経の配下に辨慶という僧がいたことは確からしいのですが、それが弁慶のような大柄の破戒僧であったのか、どういう縁があるのか等は定かではありません。

事実ではなくても八艘飛びはロマンの塊!

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源義経が壇ノ浦の戦いで見せたという八艘飛びとは何か、読み方や意味、八艘の距離などを紹介するとともに事実なのか作り話なのか、その根拠となる説も紹介致しました。

現在の歴史研究では八艘飛びは作り話という説が有力ですが、ガルパンやペルソナ、イチローの走塁や相撲の技にもあることから分かるように、たとえ嘘であっても八艘飛びに惹かれる人は多いものです。

鵯越の逆落としなど出みせた勇猛果敢な姿から、今もなお人気の武将・源義経。八艘飛びのような超人的な伝説が産まれるのも、人気の証と言えるでしょう。