

妊婦は生ハムを食べちゃダメ?危険性や食べてしまった場合の対処法は?
森泉が妊娠中に食べた事で批判された生ハム。そこで今回は妊婦さんが生ハムを食べる事で発症が懸念される下痢等の食中毒、寄生虫トキソプラズマの危険について調査し、妊娠初期や授乳中等時期毎の対応と妊婦さんが生ハムを食べてしまった時の対処法についても調査しました。
目次
[表示]- 01.
妊婦に生ハムはNG?一体なぜ?
- 01.1.
生ハムは生肉?
- 01.2.
厚生労働省も妊娠中の生ハムにNGを出している
- 01.3.
生ハムにはトキソプラズマや食中毒などの危険がある
- 01.4.
胎児への影響は妊娠初期ほど大きい
- 01.5.
妊娠中の生ハムに関するメーカーの見解
- 01.6.
森泉は妊娠中に生ハムを食べて批判殺到
- 01.7.
授乳中なら生ハムを食べても大丈夫!
- 02.
妊婦だけどどうしても生ハムが食べたい!対処法は?
- 02.1.
妊婦が生ハムを食べる際の注意事項
- 02.2.
生ハムに含まれる塩分にも注意が必要
- 03.
妊婦なのに生ハムを食べてしまった!対処法は?
- 03.1.
妊娠中に生ハムを食べてしまった人の体験談
- 04.
【恐怖】トキソプラズマの危険性と対処法
- 04.1.
トキソプラズマは極小の寄生虫
- 04.1.1.
食べ物以外からも感染する可能性有り
- 04.2.
妊婦がトキソプラズマに感染すると何が起きる?
- 04.3.
トキソプラズマの胎児への影響
- 04.4.
トキソプラズマは母乳でも感染するの?
- 04.5.
トキソプラズマへの対処法はとにかく加熱!
- 04.6.
加熱以外でもトキソプラズマが死滅する研究結果も
- 05.
妊婦がリステリア菌に感染するとどうなるの?
- 05.1.
リステリア菌は空気中にも存在する
- 05.2.
リステリア菌は妊娠中、感染しやすい
- 05.3.
リステリア菌では下痢などは起こらない?
- 05.4.
妊婦さんのリステリア菌感染による胎児への影響は甚大
- 05.5.
リステリア菌感染を防ぐには加熱が大切!
- 06.
生ハム以外にも!妊娠中・授乳中はNGな食べ物たち
- 06.1.
妊婦さんはサラミにも注意!
- 06.2.
妊婦さんは一部のチーズも駄目
- 06.3.
レアステーキなどの加熱が不十分な肉を妊婦さんは避けるべき
- 06.4.
刺し身や寿司などの生魚
- 06.5.
イクラなどの魚卵も妊婦さんは生で食べちゃ駄目
- 07.
メロンや果物からもリステリア菌が検出されることも
- 08.
妊婦さんは生ハムを食べるなら加熱しよう
妊婦に生ハムはNG?一体なぜ?
妊婦さんにはお腹の子供への影響から幾つもの食べてはいけないと呼ばれる食べ物が存在します。生ハムもその内の1つですが、一体なぜ食べてはいけないのでしょうか。
生ハムは生肉?
生ハムは名前に生とついていることや見た目が生肉のようであることから生肉だと思われる事も多いです。
しかし、肉を長い時間をかけて塩漬けにした後、乾燥熟成させたり低温で燻製する事によって出来上がります。従って生ハム=生肉ではありません。
一方で通常のハムは加熱処理が施してあります。加熱処理を行っているか否かがハムと生ハムを区別するポイントです。
厚生労働省も妊娠中の生ハムにNGを出している
本記事をはじめとして多くのサイトで妊娠初期、後期問わず胎児や妊婦への影響から妊娠中に生ハムを摂取することはよくないと記しています。
これは厚生労働省も同様であり、厚生労働省のホームページでは「これからママになるあなたへ」という表題の元、生ハムを妊娠中は避けた方がいいと明記されています。
一部では国産の生ハムであれば問題無いとの意見もありますが、厚生労働省は国内産と国外産を分けて考えていないようです。
生ハムにはトキソプラズマや食中毒などの危険がある
生ハムが厚生労働省を始めとした多くの機関やサイトで摂取を控えるように呼びかけられている理由がトキソプラズマやリステリア菌による食中毒の危険性故です。
トキソプラズマにしても、リステリア菌にしても健康な状態であれば症状が発生することは稀であり、発症しても大事に至りません。
しかし、妊婦さんは免疫力が低下している為発症しやすく、また胎内感染による胎児への影響もある為生ハムの摂取を控えるように呼びかけられています。
胎児への影響は妊娠初期ほど大きい
胎内感染は妊娠後期に近づけば近づくほど、感染する可能性が高いと言われています。
その一方で妊娠初期に近い程感染率は低いものの、胎内感染における胎児への影響は重篤なものとなります。
妊娠中の生ハムに関するメーカーの見解
国内産の生ハムで有れば問題無い、との意見が有るのは前述の通りです。ではメーカー側の見解はどうなのかと言うと、これはメーカーによって意見が分かれます。
おおむねのメーカーは問題無く安心して食べることが出来ると回答していますが、リステリア菌は空気中にも存在することを考え医師への相談をとの回答もあります。
当然ながらメーカー側も細心の注意を払い、法律の基準に則って生ハムを製造・販売していますが、回答にある通り医師に相談するのが最も無難です。
森泉は妊娠中に生ハムを食べて批判殺到
2018年、しゃべくり007に出演した森泉。番組MCであるくりーむしちゅーの上田晋也からもお腹が目立つと指摘を受けている通り、収録当時妊娠していました。
番組内で森泉は毎日食べているというサンドイッチを紹介しており、その具材に生ハムが使用されていました。これを受けて、心配する声がある一方で批判の声も寄せられます。
社会に悪影響が出る、大丈夫と思う妊婦さんが出るなど厳しい批判であり、森泉自身が早産気味だったこともあってビックリしたとの声もあがりました。
授乳中なら生ハムを食べても大丈夫!
妊娠中は控えるべきである生ハムですが、出産後の授乳中においてはその限りではありません。授乳中に母親が食中毒になっても母乳から菌が輩出されません。
母乳は乳腺で作られますが、乳腺は肝臓への血管やリンパ管と繋がっておらず、母親が食べたものの成分がそのまま母乳となる訳ではない為です。
しかし、薬の使用を制限される為食中毒になった場合は治りが遅くなり、新生児の世話がままならなくなる可能性や母乳以外から感染のリスクもある為食べる場合は注意が必要です。
妊婦だけどどうしても生ハムが食べたい!対処法は?
胎児の為とは言え食べられていないものが食べられないのはストレスが溜まるもの。そして、ストレスは妊婦さんにとっても悪影響です。何か対処法はあるのでしょうか。
妊婦が生ハムを食べる際の注意事項
妊娠中な為我慢していたがどうしても生ハムが食べたい場合は加熱して食べることです。しっかりと火を通すことで、トキソプラズマもリステリア菌も死滅します。
火を通すと生ハムでなくなってしまいますが、妊娠中は我慢する他ありません。
生ハムに含まれる塩分にも注意が必要
妊婦さんが生ハムを食べるにあたって注意する点として、十分な加熱に加えて生ハムの塩分量です。生ハムは100g辺り2.8~5.6gも塩分を有しています。
成人女性の1日辺りの塩分摂取量は7.0g以下が理想とされている他、妊娠中の塩分の過剰摂取は妊娠高血圧症候群を引き起こすリスクがあり、発症すれば胎児へも悪影響を与えます。
その為、焼いたからと言って多量に食べず少量摂取する、加熱前に塩抜きを行うなどの対処が必要であり、妊婦さんは下痢もしやすい為食べ過ぎにも注意が必要です。
妊婦なのに生ハムを食べてしまった!対処法は?
妊婦なのについうっかり生ハムを食べてしまった、生ハムを食べてしまったけど食べちゃダメとは知らなかったなどの場合一体どうすればいいのか、解説して参ります。
妊娠中に生ハムを食べてしまった人の体験談
ネットには実際についうっかり生ハムを食べてしまった妊婦さんの報告がなされており、その方は即座に医師に相談を行いました。
食べたのは国内産の生ハムであった為、さほど気にする必要は無い、逆に気にしすぎて寝不足になったりする方がよくないと回答されたそうです。
体験者と同様に妊婦さんが生ハムを食べてしまった場合、国内産だから大丈夫と前向きに捉える事や担当医に相談しストレスをため込みすぎない事が大切なようです。
【恐怖】トキソプラズマの危険性と対処法
妊婦さんが生ハムを摂取することで発症する可能性があるトキソプラズマ。そもそもトキソプラズマとは何なのか、本項で解説していきます。
トキソプラズマは極小の寄生虫
トキソプラズマはウイルスではなく、肉眼では確認できない程に小さな寄生虫です。この寄生虫は牛や豚を始め多くの哺乳類、鳥類などに寄生し成長します。
人への主な感性経路は生肉や加熱が不十分な肉を食べることによる経口感染であり、トキソプラズマの世界人口のおよそ3分の1がこの寄生虫に感染していると言われます。
食べ物以外からも感染する可能性有り
トキソプラズマが人に感染するのは経口のみとは限りません。成虫となったトキソプラズマは猫科の動物に寄生し、繁殖します。その為、猫の糞の中にも存在しています。
またトキソプラズマは土中にも存在している寄生虫です。以上の事から猫の糞に触れる、野菜類を洗わずに食べることでトキソプラズマに感染する可能性があります。
妊婦がトキソプラズマに感染すると何が起きる?
健康な人が後天的にトキソプラズマに感染しても多くの場合は無症状であり、発症しても発熱や体のだるさ、リンパ腺が腫れる程度でさほど重いものではありません。
妊婦さんが妊娠中もしくは妊娠の数か月前までにトキソプラズマに罹患した場合は胎児への影響が出る場合がありますが、必ず影響が出る訳ではありません。
胎内感染によるトキソプラズマ症を先天性トキソプラズマ症と呼びますが、先天性トキソプラズマ症となるのは1万人に1.26人だと言われています。
トキソプラズマの胎児への影響
胎児が先天性トキソプラズマ症にかかった場合、脳性麻痺や水頭症、髄膜炎、運動機能障害など重篤な症状がみられることがあります。
こればかりか、死産・流産の可能性もあることからも感染リスクのある生ハムなどの摂取は控えるべきとされています。
トキソプラズマは母乳でも感染するの?
トキソプラズマは人から人に感染することはありません。その為、母乳を通じて母体から新生児へと感染することはありません。
しかしながら、出産後の体力の消耗は激しく免疫力も低下している為にトキソプラズマに感染しやすくなっています。生ハムを始めとした食べ物にも注意が必要です。
トキソプラズマへの対処法はとにかく加熱!
生肉、加熱が不十分な肉に寄生しているトキソプラズマですが、熱に弱いという特徴を持ち、肉を加熱した際の中心温度が67℃を超えると死滅します。
その為、十分に加熱することでトキソプラズマは死滅し感染を防ぐ事ができます。また冷気にも弱く中心部がマイナス12℃以下になると死滅します。
加熱以外でもトキソプラズマが死滅する研究結果も
基本的に妊婦さんは食べない方がいいとされる生ハムですが、加熱や冷凍以外の方法でもトキソプラズマが死滅することが明らかになっています。
スペインでは、「40ヶ月以上乾燥熟成したイベリコ豚の生ハムではトキソプラズマ菌が死滅している」という研究結果が発表されています。
(引用:THE STORY)
また適切な管理に基づく長時間の熟成はトキソプラズマを死滅させるだけではなく、アミノ酸の増加に伴い旨味を増すという作用も持ち合わせています。
妊婦がリステリア菌に感染するとどうなるの?
妊婦さんは生ハムを摂取を控える理由の1つであるリステリア菌。本項では万が一リステリア菌に妊婦さんが感染した場合、母体や胎児に出る影響はいかなるものか解説します。
リステリア菌は空気中にも存在する
リステリア菌は多く家畜や野生動物、魚類の他空気中や下水、河川など自然界において広く分布している食中毒菌であり、生肉やチーズなどからも感染します。
またリステリア菌は塩分にも強く、冷蔵庫内でも繁殖します。感染した場合は24時間以内~3日程度の潜伏期間を経て発症しますが、場合によっては1ヶ月以上の潜伏期間があります。
通常、発症には多量のリステリア菌が必要な上に狩りに発症しても重症化することはまれですが、妊婦さんの場合はこの限りではありません。
リステリア菌は妊娠中、感染しやすい
感染には多量のリステリア菌が必要ですが、免疫力が低下している妊婦さんの場合は少量のリステリア菌でも感染することがあります。
リステリア菌の感染確率を通常の人と妊婦さんとで比較した場合、妊婦さんの感染確率は通常の20倍にもなります。
リステリア菌では下痢などは起こらない?
リステリア菌は食中毒菌ですが、通常の食中毒のように下痢をすると言ったことはありません。症状は個人差があるものの、発熱や悪寒、筋肉痛などです。
この為、リステリア菌は他の感染症と区別が付きにくいと言った特性を持っており、場合によっては敗血症などを引き起こす可能性もあります。
また妊婦さんがリステリア菌に感染した場合も重症化することは稀ですが、胎盤を通じて胎児へ影響が及ぶ可能性があります。
妊婦さんのリステリア菌感染による胎児への影響は甚大
妊娠中にリステリア菌に感染し胎内感染が起こった222例のケースの内、凡そ20%が流産、または子宮内で赤ちゃんが死亡しました。
またリステリア菌に感染した新生児は肺炎、髄膜炎、敗血症といった疾病を持っており、懸命な治療にも関わらず24%が出生後間も無く亡くなっています。
また一命を取り止めるも治療を受けた12%もの新生児に後遺症が残りました。
リステリア菌感染を防ぐには加熱が大切!
塩分にも強く、冷蔵庫内でも繁殖するリステリア菌ですが熱には弱く70℃以上になると死滅します。その為、トキソプラズマと同じく加熱することで対策を講じることができます。
また冷蔵庫では無く冷凍庫で保存することで保存することでリステリア菌の繁殖を抑えることが可能です。
生ハム以外にも!妊娠中・授乳中はNGな食べ物たち
妊婦さんは生ハム以外にも控えた方がよいとされる食品が幾つもあります。そこで本項ではそれらの食品を理由とともに幾つか紹介していきます。