
ボノボのやばい生態・性行動とは?知能高すぎ?人間とも交配可能!?
人間に近い猿として知られるチンパンジーの仲間の中でも、その知能の高さや繁殖を伴わない性行動が怖いほどやばいと話題のボノボ。天才として知られるカンジの動画やホカホカといった不思議な習性、人間と交配可能か等、ボノボの生態について紹介していきます。
目次
[表示]- 01.
賢すぎてやばいと言うか怖い!人間に近い猿・ボノボとは?
- 01.1.
ボノボとはどんな生物?
- 01.2.
ボノボは小学校低学年の子ども程度の知能を持っている!?
- 01.3.
チンパンジーとは違う?ボノボは争いを好まない平和主義者
- 01.4.
性別関係なし!喧嘩をしたら交尾で仲直り
- 02.
ボノボの生態は?性行動が怖いほどやばいと話題!
- 02.1.
ボノボのやばい生態①:子作り目的以外でも性行為をする
- 02.1.1.
レイプはNG!ボノボの性行為には秩序がある
- 02.2.
ボノボのやばい生態②:ボノボは自慰もする
- 02.3.
ボノボのやばい生態③:ボノボの子供はオーラルセックスをする
- 02.4.
ボノボのやばい生態④:ボノボの母親は息子の性行動を守る
- 02.5.
ボノボのやばい生態⑤:ボノボの「ホカホカ」
- 02.6.
ボノボは性欲が強い?
- 02.7.
ボノボの社会性がわかる動画を紹介
- 03.
賢すぎて怖い?天才ボノボの「カンジ」はもっとやばい!
- 03.1.
天才ボノボ・カンジとは?
- 03.2.
キーボードを使って人間と意思疎通できる
- 03.3.
英語を理解して指示を聞ける
- 03.4.
マシュマロを焼くことができる
- 03.5.
パックマンで遊ぶことができる
- 03.6.
カンジの描いた絵を紹介
- 04.
高い知能を持つボノボ!人間と交配は可能なの?
- 04.1.
人間とチンバンジーの交配種は産まれるのか?
- 04.2.
1920年にソ連で行われた半人半猿軍隊計画
- 04.3.
猿に人間の精子を注入する実験の結果は…?
- 04.4.
猿の精子を人間の女性に投与・結果は…?
- 04.5.
現代の技術でもボノボと人間の交配は不可能?
- 05.
ボノボの不思議な生態を紹介する著作物を紹介
- 05.1.
「道徳性の起源: ボノボが教えてくれること」
- 05.2.
「ボノボとともに」
- 05.3.
「ボノボ―地球上で、一番ヒトに近いサル」
- 06.
羨ましい?ボノボの社会はとても平和
賢すぎてやばいと言うか怖い!人間に近い猿・ボノボとは?
霊長類の中でも人間に最も近いとされるチンパンジーの仲間。その中でも特に秀でた社会性を持つことから、ボノボは人間に近い猿と言われています。
しかし日本国内の動物園では展示されていない生物のため、詳しく生態を知らないという方も少なくないでしょう。
まずはボノボとは一体どんな生態を持つ猿なのか、どこがやばいと話題なのかを紹介していきます。
ボノボとはどんな生物?
ボノボはチンパンジー属の霊長類で、主にコンゴ中西部に生息しています。
チンパンジーに比べると細身で雄は平均体長が73〜83cmで平均体重が39kg、雌は平均体長が70〜76cmで平均体重は31kg程です。
道具を使う高い知能を持ち、また争いを避けて群れの中の調和を重視する性格を持つことから、仲間内で激しい暴力行為を行うチンパンジーよりも人間に近い社会性を持っていると考えられています。
ボノボは小学校低学年の子ども程度の知能を持っている!?
ボノボの脳の大きさはチンパンジーよりも小さいのですが、その知能は人間で例えると小学校の低学年程度はあると考えられています。
餌となるシロアリを捕まえるために蟻塚に木の枝を差し込んでみたり、雨から身を守るために頭上に大きめの葉っぱをかざしてみたりと、野生化でも人間のように道具を使う様子も頻繁に目撃されています。
チンパンジーとは違う?ボノボは争いを好まない平和主義者
チンパンジーが強い雄を頂点とした群れを作り、ボスが変わると前のボスの子供を殺すといった熾烈で怖い生態を持つのに対して、ボノボの群れでは繁殖力の高い雌が中心で雌雄の力関係は対等です。
また他の群れに対しても寛容であり、複数の群れで餌場が被った際にもお互いに譲歩して餌を分け合って食べるなど、非常に高い社会性を持つことが確認されています。
一方でチンパンジーは他の群れの個体を襲ったり共食いをすることが目撃されており、近い種であってもボノボとチンパンジーでは全く異なる生態を持っているのです。
性別関係なし!喧嘩をしたら交尾で仲直り
ボノボの社会では喧嘩はできるだけ避けるべきという暗黙のルールがあるようで、緊張状態に陥った時には交尾をして仲直りをするという変わった習性が見られます。
これは異性ではもちろんのこと同性でも行われていることで、雄同士や雌同士でも性行動を通じて互いの絆を深めるのです。
ボノボの生態は?性行動が怖いほどやばいと話題!
仲直りのために交尾を行うボノボですが、他にも性行動に特殊な点が複数見られることから生態がおかしい、怖いほどにやばいと話題になることがあります。
ここではボノボの変わった生態の中から、特にやばい・怖いと言われる性行動について紹介していきます。
ボノボのやばい生態①:子作り目的以外でも性行為をする
ボノボは初めて会った他の群れの個体とであっても距離を縮めるために交尾を行うことがあり、子孫を残す以外の目的で日常的に性行動を行っています。
自然界では繁殖目的以外で交尾をする生物は非常に珍しく、この点もボノボが人間に近い猿と言われる所以です。
レイプはNG!ボノボの性行為には秩序がある
例えばチンパンジーであれば強い雄が雌をレイプし、無理に自分の子孫を産ませることが多々ありますが、ボノボの社会にはレイプというものは存在しません。
大きくて力のある雄であっても誘いをかけた雌にNOをつきつけられれば交尾はできず、退散するしかないのです。
ボノボのやばい生態②:ボノボは自慰もする
飼育環境下にある若い雄のボノボでは、自慰行為をする様子も確認されています。また雄の間では、コミュニケーションとして相手のペニスをマッサージするという行動も見られます。
これは年長の雄が、より若い雄に対して行うことが多いようです。
ボノボのやばい生態③:ボノボの子供はオーラルセックスをする
ボノボの間では口を使ったセックス、つまりフェラチオをする様子まで確認されています。
面白いことにこの行為は幼体のボノボの間で見られるもので、遊びやじゃれ合いの一環としてオーラルセックスをしていると考えられているのです。
ボノボのやばい生態④:ボノボの母親は息子の性行動を守る
ボノボの母親は自分の息子が雌と交尾をしている場合、その周囲にいて他の雄が邪魔をするのを防ぐことさえあります。
さらに自分の息子が自力で交尾相手が見つけられない場合は、母親が息子を連れて若い雌の元まで行ってライバルを蹴落とすという、ある意味怖いほどやばい様子まで目撃されているのです。
少々過保護が過ぎないかという印象もありますが、ここまで親が自分の子供の世話をする野生動物というのは非常に珍しいと言えるでしょう。
ボノボのやばい生態⑤:ボノボの「ホカホカ」
ボノボの特徴的な性行動は雄のみに見られるものではなく、雌同士でも「ホカホカ」と呼ばれる変わった行為が知られています。
ホカホカとは雌のボノボがお互いの性器を擦り付け合うことで、抱き合って下半身を密着させるのです。これは友愛の印の行動であり、雌同士では交尾ができないためにホカホカをすると考えられています。
ボノボは性欲が強い?
日常的に性別や相手を問わずに性行動を行うことから、ボノボは性欲が強い動物なのかと勘違いされることがあります。
しかし、彼らはあくまでもコミュニケーションを円滑に行うために性行動を利用しているだけで、性欲が強いというわけではありません。
ボノボの交尾は短くあっさりとしたもので、まるで挨拶のような気軽さで行われているのです。
ボノボの社会性がわかる動画を紹介
こちらの動画ではボノボがどのように生活をしているのかが紹介されており、ボノボの交尾の様子も収められています。
本当にさりげなく交尾が始まってあっという間に終わるので、人間の感覚からすると驚かされます。
のんびりと生活をしている様子に癒されること請け合いの内容で、動画に対するコメントの中には「ボノボになりたい」「自分もこんな格好よくしてる」といった平和なものが多く見られます。
賢すぎて怖い?天才ボノボの「カンジ」はもっとやばい!
平均的に高い知能を持つボノボですが、ジョージア州立大学の研究室でスー・サベージ・ランバウ博士の研究に協力している「カンジ」という名のボノボの知能の高さは群を抜いています。
野生動物とは思えない、天才過ぎて怖い、やばいと話題のカンジの知能の高さを動画と共に見ていきましょう。
天才ボノボ・カンジとは?
カンジはアメリカにあるジョージア州立大学の言語研究センターで飼育されている雄のボノボです。
スー・サベージ・ランバウ博士によって言葉を教えられ、正確に人間の会話を理解するようになったことから天才と話題になりました。
カンジの賢さと博士の研究内容については、2000年2月にNHKスペシャルで特集番組『カンジとパンバニーシャ 天才ザルが見せた驚異の記録』として放送されたこともあります。
キーボードを使って人間と意思疎通できる
特殊なキーボードを操ることで、カンジは人間と会話をすることができます。
カンジの使うキーボードには400近い絵文字が配置されており、「アイスクリームは?」と尋ねられるとアイスの絵文字を押すといったように、しっかり使い方を理解しているのです。
それだけではなくカンジは絵文字を組み合わせて簡単な文章をつくることもでき、どこを押すとどのような単語が流れるのかを把握していることが確認されています。
英語を理解して指示を聞ける
こちらの動画では研究者の女性が箱で顔を隠し、口元や表情、目線をカンジに知られないようにした状態で「玉ねぎを切って」といった指示をカンジに出しています。
言葉だけで情報を正確にくみ取れるかを試しているのですが、合間に「何を言っていたか聞いている?」といった指示以外の声掛けをした時にはカンジは動かず、想像以上に話を理解していることが分かります。
マシュマロを焼くことができる
野生の環境下でもボノボは道具を使いますが、カンジはなんと道具を使って調理ができるのです。
上の動画ではカンジがマシュマロを木の枝に刺して火であぶり、焼きマシュマロをつくる様子が見られるのですが、怖いほど驚きなのは、火を自分で起こすことができるということ。
小枝を積み上げて土台をつくったうえ、マッチを擦って焚き木を起こすという賢さと器用さは脱帽もので、やばいと話題になるのも頷けます。
パックマンで遊ぶことができる
さらにカンジはTVゲームで遊ぶこともでき、パックマンのルールをきちんと理解している様子も見られています。
やみくもに敵から逃げれば良いだけではなく、アイテムを使用すれば敵のモンスターを攻撃できるということまで理解して遊んでおり、賢さだけではなく集中力が高いことも見て取れます。
動画の視聴者からも「上手すぎない?」「カンジ、楽しんでやってるよね」「頭良すぎで怖い」と驚きのコメントが多数寄せられています。
カンジの描いた絵を紹介
— ハチタク (@XVYY7ieYZoDfl9N) December 19, 2019
上の絵はカンジが絵具を与えられて描いたもので、2005年に京都大学の霊長類研究所にいる天才チンパンジーのアイが描いた絵と交換されました。
カンジはフィンガーペインティングではなく筆を使って器用に絵を描き、この絵は2005年に大阪芸術大学で行われた「アーツ・アンド・エイプス 」という作品展にて展示されました。
高い知能を持つボノボ!人間と交配は可能なの?
「ヒューマンジー」という言葉をご存知でしょうか?人間とチンパンジーの交雑種を意味し、かつて本当に人間と猿の交配を試みた科学者がいたことから生まれた単語です。
ボノボほど人間と近い猿であれば人間と交配可能なのではないかとも思われますが、倫理的な問題はさておき、理論上はボノボと人間の交雑種は誕生するのでしょうか?
かつて行われたヒューマンジー誕生計画の紹介と共に、ボノボは人間と交配可能なのかについて探っていきます。
人間とチンバンジーの交配種は産まれるのか?
人間とチンパンジーはDNAにも共通点が見られることから、交配した場合に子孫が誕生する可能性があるのではないかと考えられていたことがありました。
人間ではないにせよ、2種の異なる生物を交配させてハイブリッドアニマルをつくる研究は行われており、ライオンとトラ、リビアヤマネコと猫の交雑種などが実際に生まれています。
1920年にソ連で行われた半人半猿軍隊計画
1920年にソビエト連邦では、スターリンの指示によって「屈強かつ粗末な待遇でも文句を言わない、最強の雑兵」をつくる研究が進められていたという話があります。
そしてその研究の指揮を執ったのが生物学者のイリヤ・イワノフ博士であり、彼は人間とチンパンジーの交雑種を誕生させることで、スターリンの要望に応えようとしたのです。
そして半人半猿の最強の軍隊をつくるべく、イワノフ博士は「白人より猿に近い」という差別的な思い込みからアフリカのギニアに向かいました。
猿に人間の精子を注入する実験の結果は…?
イワノフ博士はまず雌のチンパンジーを捕えて、ギニアの男性の精液を注入して妊娠するかどうか試しました。
何とも原始的な実験ですが、結果は当然ながら失敗。被験体となったチンパンジーが妊娠することはありませんでした。
猿の精子を人間の女性に投与・結果は…?
ならば今度はということで、イワノフ博士は雄のチンパンジーから採取した精子をギニアの女性に注入して妊娠するかを試そうとしました。
とは言えこの実験は危険度が高く、被験者の女性に悪い影響が出る可能性も考えられます。しかし、もう死んでもいいとまで追い詰められていた女性が被験者に立候補したのです。
女性とチンパンジーを連れて母国に帰ったイワノフ博士ですが、直後にチンパンジーが急死。成果をあげられないことに激怒したスターリンに、研究途中で国外追放をされてしまいました。
現代の技術でもボノボと人間の交配は不可能?
結局イワノフ博士のやばい研究は不完全なまま終了したのですが、現在の技術であればボノボは人間と交配可能なのでしょうか?
答えはNOです。いくら人間とボノボは近いと言っても、染色体の数は人間が46、チンパンジーの仲間は48本と異なり、交配しても子孫が生まれる可能性は無いとされています。
そのため倫理的な問題を置いておいても、人間と他の生物の間にハイブリット種を誕生させることは不可能だと考えられています。
ボノボの不思議な生態を紹介する著作物を紹介
「ボノボ豆知識まとめ」 https://t.co/8n43270HTM
— ボノボ・人類学研究チーム@ワンバ (@wambabonobos) February 2, 2021
2021年2月1日~投稿しているボノボ豆知識のまとめです。順次追加していきます。
ボノボの不思議な生態に関する著作物で、優れた作品がたくさんあります。その中からここでは3冊ほどピックアップで紹介してみます。学術的著書から、フィクションの児童書まで幅広く見てみましょう。
「道徳性の起源: ボノボが教えてくれること」
Bonobo and the Atheist (Norton, 9780393347791) 邦題「道徳性の起源—ボノボが教えてくれること」(紀伊國屋書店)朝日新聞書評: 萱野稔人氏http://t.co/UNvcjUNQxU #洋書 pic.twitter.com/5jvXxqFz0O
— Little BirdsEye (@Little_BirdsEye) March 10, 2015
最初の著作物は、アメリカのエモリー大学教授で、霊長類の社会的知能研究では第一人者と言われる、フランス・ドゥ・ヴァール博士の著書。「道徳性の起源: ボノボが教えてくれること」です。
ボノボやチンパンジーなどの霊長類を長年研究してきた著者が、豊富な図版とともに動物たちの驚きのエピソードを紹介しながら、“進化理論”と“動物と人間の連続性”を軸に展開するバランスの取れた議論で道徳性の起源に切り込む。長年積み重ねた膨大なフィールドワークや実験と、広汎な知見をもとに到達した、奇才ドゥ・ヴァールの集大成的論考。
(引用:amazon)
霊長類研究を通じて「人間の道徳性」の本質に迫ろうとする、示唆に富んだ名著だという評価が多いようです。