「誰も知らない」ゆきの死因は実話と違う?巣鴨子供置き去り事件とは? エンタメ

「誰も知らない」ゆきの死因は実話と違う?巣鴨子供置き去り事件とは?

今回は「誰も知らない」という映画のゆきの死因について、注目します。「誰も知らない」の実話は巣鴨子供置き去り事件であり、実話と映画で三女とゆきの死因が違うようです。映画ではYOUさんが母親役、柳楽優弥さんが子役の長男役を務めました!詳しく見ていきましょう。

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映画「誰も知らない」ゆきの死因は元の事件と変わってる?

映画「誰も知らない」は2004年8月に公開された映画であり、当時14歳の柳楽優弥さんが長男役を務めたことでも話題となった映画です。

こちらの映画には実話があります。その実話と映画内のゆきちゃんの死因が違っていると話題になっています。どうして変わっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

「誰も知らない」は実話が元の映画

映画「誰も知らない」は、先にもご紹介したとおり、実話が元になっています。その実話とは巣鴨子供置き去り事件です。巣鴨子供置き去り事件は1988年に発生しました。

事件で逮捕された母親とその父親には長男が生まれ、その後父親が蒸発し、母親は長男の他に3人の子供を出産しました。その後母親は、当時14~15歳の長男に兄弟の世話を任せて家を出ました。

母親は、金銭的な援助は続けていたものの家には帰らず、警察が発見した時には次男と三女は死亡していたという酷い事件です。

「誰も知らない」のあらすじは?

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それでは、映画「誰も知らない」のあらすじをご紹介します。母親のけい子(YOU)は長男の明(柳楽優弥)を連れてとあるアパートに引っ越します。大家には父親は単身赴任中と告げます。

実際には父親はいません。引越しの荷物の中には3人の兄弟が隠れています。母親は父親がいない4人の子連れの母子家庭とばれてアパートから追い出されぬよう、長男以外の子供は隠して暮らしていました。

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それなりに幸せに暮らしていましたが、母親に恋人ができると家に帰ってこなくなりました。ついにはお金が尽きて電気やガス・水道も止まり、食べ物もなく、衣服もボロボロになります。

さらには、長男が我慢できず家を飛び出した隙に、ゆきが亡くなってしまいます。

仕方なく、長男と兄弟たちはゆきをスーツケースに入れて河川敷に埋めました。その後も変わらない日常は続いていくところで映画は終わります。

「誰も知らない」の元になった事件「巣鴨子供置き去り事件」の概要は?

それでは、「誰も知らない」の実話である巣鴨子供置き去り事件の概要について、ご紹介します。巣鴨子供置き去り事件では1973年頃、母親と父親の間に長男が生まれています。

1979年頃父親が蒸発してしまい、その後長男の就学時期が来ても就学通知が来なかったことを不思議に思った母親は役所に赴くと、父親に頼んだはずの婚姻届と出生届は出されていませんでした。

その後1981年に長女、1984年に次男、1985年に次女、1986年に三女が生まれています。次男は出産後まもなく死亡しています。いずれも出生届は出されておらず、次男は埋葬できずにそのままでした。

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1987年の秋頃に母親に恋人ができ、その男性と同棲するため、母親は長男に兄弟の世話を任せて家を出ました。母親は生活費を数万円は送っていたものの家に帰ることはしませんでした。

1988年4月、当時2歳の三女がカップめんを食べたことを長男の友達が怒り、押し入れの上から三女に飛び降りる等の暴行をした結果三女が死亡したため、長男と友達は遺体を秩父市内の雑木林に遺棄しました。

1988年7月、アパートの大家から不良の溜まり場になっている部屋があると通報を受けた警察が駆けつけ、事件が発覚しました。

「誰も知らない」では亡くなった女の子が「ゆき」

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「誰も知らない」では、亡くなった女の子がゆきです。実際の事件でも、先の概要でご紹介したとおり三女が亡くなっています。このゆきの死因が映画では変わっていると話題になっています。

「誰も知らない」でのゆきの死因は事故死?実際の事件よりソフトに

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「誰も知らない」では、ゆきの死因は、アパートの中での事故死とされていました。長男の明がアパートを出て帰ってきたら、ゆきは椅子から転落してそのまま死んでしまっていたのです。

実際の事件では、長男の友達と長男が暴行を加えて死亡してしまっているので、事件よりはややソフトに死因が変更されています。

是枝監督がゆきの死因を変更した理由とは?

「誰も知らない」で監督を務めた是枝裕和監督は、なぜゆきの死因を変更したのでしょうか?「誰も知らない」では実話に沿った作品ではなく、置き去りという設定だけを残したのだそうです。

是枝裕和監督は「誰も知らない」を巣鴨子供置き去り事件とは別の視点で描きたかったいい、子供たちの普通ではない日々の中での喜びや、生き抜く逞しさなどを表現したかったと語っています。

実際の事件でのゆきの死因は、あまりにも残酷であったため、この作品の中では必要がなかったのかもしれません。どちらかというとフィクションよりの作品と言えそうです。

ゆきの死因変更に対する鑑賞者の反応は?

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それでは、実際に「誰も知らない」を見た人たちは、ゆきの死因の変更についてどのように感じているのでしょうか?

悲惨なことが起きてるのに、淡々と描くなあ。うますぎるわこの距離感。

(引用:Filmarks )

このような評価がありました。その他の意見でも、ゆきの死因についてはあっさり目に描く方が、視聴者としてもゆきの死の印象ばかりが残る映画にならず、高評価だったと言えそうです。

「誰も知らない」の実話・巣鴨子供置き去り事件における三女の死因は?

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それでは、「誰も知らない」のゆきの元になった実際の巣鴨子供置き去り事件での三女の死因について、もう少し詳しくご紹介します。先にご紹介したとおり、実際の事件では長男と友達の暴行が死因でした。

実際の事件では、長男を含む少年たちの暴行が死因に

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長男と2人の友達は遊び友達で、親がいない長男のアパートに入り浸っていました。三女が死亡した前日、少年のうちの1人がその前日に買っていたカップラーメンがないことに気がつきました。

三女の口にのりが付いていたことから体罰を加え始め、少年たちが三女を押入れから何度も落としたり蹴りあげたりしました。この暴行が原因となって、三女は亡くなっています。

長男が暴行を加えた経緯は?

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事件発覚後、友人2名は長男は暴行をやめるように言ったと語っていましたが、その後「初めは長男も殴った」と供述しています。また長男も、三人で三女をいじめたことを認めています。

三女への暴行は本人が謝ったことで一度は終わりました。しかしその後、お漏らしをしてしまったことを怒った友人のうち1人が、再度押し入れから三女を突き落とすといった行動に出ました。

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この時、友人は長男に対して「お前もやれよ」と誘ったといいますが、長男は興味を示さずに隣の部屋でもう1人の友人とTVを観ていたといいます。

そしてこの押し入れから落とす、落ちてきたら蹴飛ばすといった友人の暴行によって三女は意識を失い、翌日の昼過ぎには死亡してしまったのです。

長男と友人は三女を秩父市の公園の脇の雑木林に遺棄

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三女が意識を失った後、長男と暴行に参加していなかった友人は湯たんぽや毛布で三女の体を温めてみたり、マッサージをしたりと何とか自分たちで応急処置ができないか試みたとされます。

しかし、保険証がなく病院につれていけなかったために三女はそのまま亡くなってしまい、亡くなってから1週間もすると遺体は腐敗しはじめました。

そこで長男は一緒に応急処置を試みた友人と2人でボストンバッグにビニールに包んだ三女の遺体を入れ、埼玉県秩父市にある大宮の羊山公園へと電車に乗って向かい、の雑木林に遺体を埋めました。

一見証拠隠滅、遺体遺棄に感じられる長男と友人の行動ですが、長男は一度だけ遠足で訪れた羊山公園の景色が綺麗だったことが忘れられず、三女にも見せてあげたかったのだと後に供述しています。

ちなみに三女が死んだ直接の原因を作ったとされている友人1人は、三女が意識不明になった時にも1人だけさっさと帰宅し、遺体を埋葬する際にも同行しなかったといいます。

長女と次女も栄養失調状態だった?

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事件が大家の通報により発覚した時、巣鴨署員が部屋に入ると当時5歳の長女と当時3歳の次女がいて、2人も栄養失調状態だったそうです。

2人にはすぐに食料が与えられ、新宿区の都児童相談センターに保護されています。特に3歳の次女の栄養状態は悪く、保護された後すぐに入院となりました。

母親はテレビでニュースを見て自首

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一方母親はテレビのニュースで事件について知り、自首しています。中学生程度の長男に子供の世話を見させて悪かったと語ったそうです。

事件を知った時、母親は愛人の家にいました。出頭した後に母親は5人の子供達の出生届をやっと提出し、やっと転居時には既に亡くなっていた次男と、殺害された三女の火葬が可能になったのです。

逮捕後の母親は保護責任者遺棄致死の罪に問われ、懲役3年、執行猶予4年の判決が言い渡されました。裁判の後、母親は当時愛人関係にあった男性と結婚をしており、長女と次女を引き取っています。

三女を暴行した長男のその後は?

友人とともに三女を暴行してしまった長男は、事件発覚時に14歳であったため、傷害致死と死体遺棄の容疑で東京地裁ではなく東京家庭裁判所に送致されました。

東京家裁は「親さえ在宅していれば、このような事件は起きなかった」として少年院に長男を送るのではなく、教護院送致が相当との判断を下しています。

同じく実行犯であったといえる長男の友人については、どのような処遇が下されたのかは明らかにされていません。また、教護院を出た後の長男がどのように成長したのかも不明です。

「誰も知らない」では他にも実話と違う部分があった?

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実は、「誰も知らない」では、ゆきの死因以外にも違うところがありました。どこが違っていたのか、ご紹介します。

映画「誰も知らない」で実話と違う部分は?

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「誰も知らない」で実話と違うところはどこなのでしょうか?映画では兄弟構成が変わっており、長男と次男、長女と次女となっています。実際には、次男は死んでいるので兄弟3人は女の子でした。

また、実話では登場しない紗希という少女が登場します。明の味方のようなポジションで、最後はゆきの遺体を一緒に埋めに行っています。

「誰も知らない」では柳楽優弥の演技が賞賛された

「誰も知らない」では長男役の柳楽優弥さんの演技が話題となり、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞しています。

柳楽優弥さんの演技が話題になった一つの理由は、是枝裕和監督の演出にあったようです。あえて台本をわたさなかったり、子役たちと打ち解けさせたことで話題を生む作品となったと言われています。

タランティーノも絶賛した柳楽優弥の演技

カンヌ国際映画祭で審査員を務めたクエンティン・タランティーノ監督は、当時のことを振り返って「ノミネートされた作品を全て見た後も、柳楽優弥の演技が頭から離れなかった」と語っています。

物語を自然体でリードしていたと評価し、劇中で幼い弟妹をリードする長男であったように、主演俳優としても作品を引っ張っていると感じたのだそうです。

実は当時中学生であった柳楽優弥さんは中間試験があったためにタランティーノ監督に会うことはできず、憧れの監督がどこを評価してくれていたのかを30歳手前になって知り、感激したといいます。

「誰も知らない」では母親役のYOUの演技も話題

柳楽優弥さんの演技が話題になった一方で、母親役のYOUさんの演技も話題になりました。是枝裕和監督はあえて母親役を女優ではなく、育児放棄しそうなキャラと感じたYOUさんにオファーしたそうです。

YOUさんは子供達と撮影中に積極的に話をしていたそうで、そのおかげもあって本当の母親のように自然な演技になったのではないでしょうか。

「誰も知らない」の子役たちの現在は?

「誰も知らない」で長男を演じた柳楽優弥さんは、現在も話題の俳優として活躍されています。2021年には映画『HOKUSAI』に主演予定です。

長女の京子役を演じた北浦愛さんは、一時は学業のため活動休止したものの、現在は活動を再開し『スペシャルアクターズ』などの映画に出演しています。

次女のゆき役を演じた清水萌々子さんは、2007年に『屋根裏の散歩者』に出演して以降、活動がありません。次男の茂役を演じた木村飛影さんは、小学校卒業と同士に芸能界を引退し、野球に励んでいるそうです。

「誰も知らない」の是枝監督の最新作「真実」

2019年10月11日には「誰も知らない」の監督でもある是枝裕和監督の最新作「真実」が公開されました。

「真実」はカトリーヌ・ドヌーブが主演という大作であり、フランスの国民的大女優・ファビエンヌが出版した自伝「真実」をめぐる群像劇となっています。

2020年には是枝裕和監督は次回作で韓国映画の演出を務めることを明らかにしており、「ブローカー」という仮のタイトルとともにソン・ガンホさんらが出演することが決定しています。

「誰も知らない」と似た映画「子宮に沈める」とは?

ここまで「誰も知らない」について注目してきましたが、同じネグレクトを描いた映画に「子宮に沈める」という映画があります。こちらは大阪2児餓死事件がモチーフになっています。

この映画は「誰も知らない」よりかなり重たく心にのしかかる展開になっており、母親に放置された2人の子供の弟は死に、女の子は帰ってきた母親に殺されてしまうストーリーになっています。

誰も知らないのゆきの死因は事故死!実話は殺されていた!

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今回は「誰も知らない」という映画のゆきの死因について注目しました。この映画は実話の巣鴨子供置き去り事件が元になっており、実際には三女の死因は長男と友人に殺されたという痛ましいものでした。

しかしながら作中では事故死とされており、実際の事件よりソフトに描かれています。この映画では、子供たちの生活に焦点が当てられており、ノンフィクションではなく実際とは違う部分もあるようです。

しかしながら、ネグレクトについて深く考えさせられる映画となっており、視聴者の心を打つ作品となっています。もう実話のような事件がこれ以上、起こらないことを願うばかりです。