

蛭子能収は漫画でシュールに不条理を描く!天才漫画家の暴力的な狂気
バラエティ番組によく出演している漫画家・蛭子能収さん。タレントとしての彼を見ることはよくありますが、皆さんは漫画家としての蛭子さんをご存知でしょうか。この記事では、”漫画家・蛭子能収”の漫画の特徴や代表作を画像付きでご紹介させて頂きます。
目次
[表示]- 01.
本職は漫画家!蛭子能収のプロフィール
- 01.1.
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- 02.
シュールな世界観が人気!蛭子能収の漫画の作風は?
- 02.1.
シュールなギャグだらけ!暴力と狂気の不条理漫画
- 02.2.
サブカルチャーの総本山とも言われるガロ系のなかでも最も過激な作風
- 02.3.
アンダーグラウンドや夢をもとに描き出される世界
- 02.4.
日常生活で嫌いな相手を漫画の中で殺す!?
- 02.5.
趣味のギャンブルを描いた漫画はリアリティがすごい
- 02.6.
時にはインテリな側面も
- 02.7.
作画の特徴は?元祖・ヘタウマ漫画家?
- 03.
蛭子能収の代表漫画作品
- 03.1.
デビュー作「パチンコ」
- 03.2.
「地獄に堕ちた教師ども」
- 03.3.
「私はバカになりたい」
- 03.4.
「私の彼は意味がない」
- 03.5.
「私は何も考えない」
- 03.6.
蛭子能収の漫画はブログでも見ることが出来る!
- 04.
蛭子能収の漫画の評判は?
- 04.1.
蛭子能収の漫画は多くのマンガ家や評論家からも高評価!
- 04.2.
海外でも注目を浴びている!
- 04.3.
テレビ出演しだしてからイメージのギャップで漫画が売れなくなった?
- 04.3.1.
嫌なのにテレビ出演を続ける理由はギャラの良さ?
- 05.
蛭子能収の漫画がスゴい!シュールな漫画画像集
- 06.
蛭子能収は天才漫画家だった!
本職は漫画家!蛭子能収のプロフィール
数多くのテレビ番組に出演し、タレントとしても知られている蛭子能収さんですが、本職は漫画家。1974年10月21日生まれで、2019年9月現在は71歳。長崎県長崎市の出身で、血液型はO型です。
少年時代から漫画を愛読しており、高校では美術クラブに所属。卒業後は看板店に就職しますが、人間関係が上手く行かなかったことから一人で作業ができる漫画化に転向し、『パチンコ』でデビューしました。
テレビ出演にも積極的で、彼の独特な雰囲気が話題になってバラエティ番組にゲスト出演することが多くなりました。トークでは”クズ”エピソードを披露することが多く、”芸能界一のクズ”として知られています。
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シュールな世界観が人気!蛭子能収の漫画の作風は?
バラエティ番組でタレントとして活躍している蛭子能収さんですが、本業であるという漫画はどういう内容なのでしょうか。気になる蛭子さんの漫画の情報をまとめました。
シュールなギャグだらけ!暴力と狂気の不条理漫画
蛭子能収さんの漫画は、シュールなギャグの中に狂気と悪意に満ちた不気味な絵柄が特徴です。
ストーリーの内容というと、救いのないオチがほとんど。中にはオチのない結末などもあり、解説が難しいものもあります。同じく漫画家の根本敬さんは蛭子さんの漫画を「狂気を内側から描いている」と述べています。
サブカルチャーの総本山とも言われるガロ系のなかでも最も過激な作風
蛭子能収さんの漫画は、サブカルチャーの総本山とも言われている”ガロ系”の漫画として知られています。”ガロ系”とは、漫画雑誌『ガロ』に掲載されていたアングラで個性的な漫画を指します。
“ガロ系”の中でも蛭子さんの漫画は最も過激な作風としても知られており、一般漫画雑誌では連載できないものがほとんど。一方、彼の漫画を読んだ多くの漫画化が”天才”と評することもあります。
アンダーグラウンドや夢をもとに描き出される世界
このアンダーグラウンドな作風には思い入れがあるようで、「暗いジメジメしたところは面白い」「日の当たる方は飾られた美しさ」とコメントしています。万人受けする漫画には興味がないことを語っていました。
また、蛭子さんは夢をもとに漫画を描くことが多いそうです。そのため、現実世界ではありえない訳の分からない漫画を量産しているとのこと。
日常生活で嫌いな相手を漫画の中で殺す!?
漫画の中では日常生活の不満を前面に押し出すことも多く、嫌いな相手を殺すこともよくあります。実際、蛭子さん自身も「(嫌いな相手は)漫画の中で徹底的に殺す」と発言したことがあります。
実際に、漫画『家族天国』では息子をいじめていた同級生をバットで殴り殺す漫画や、自身の学歴を馬鹿にした東大出身の編集者を日本刀で惨殺する漫画などを描いています。
趣味のギャンブルを描いた漫画はリアリティがすごい
蛭子能収さんというと、ギャンブル好きとしても知られています。そのため、ギャンブルを題材にした漫画も描くこともあります。
実際にギャンブルで経験したことを基に漫画を描くため、リアリティがすごいと話題になることがあります。
時にはインテリな側面も
漫画の他に、映画も大好きだという蛭子能収さん。漫画の中でも映画の小ネタがちらほら見ることができ、インテリな側面もあるようです。
作画の特徴は?元祖・ヘタウマ漫画家?
蛭子能収さんは元祖ヘタウマ漫画家としても知られており、”ヘタウマ”というジャンルを確立した人物でもあります。
作画は狂気と悪意に満ちており、漫画ではそのストーリーも相まって一部では熱狂的なファンも存在しているようです。
蛭子能収の代表漫画作品
蛭子能収さんの代表漫画を、画像付きで5つご紹介いたします。
デビュー作「パチンコ」
蛭子能収さんのデビュー作となった漫画『パチンコ』。漫画雑誌『月刊漫画ガロ』の1973年8月号に掲載されました。
”パチンコに行こうとしても行けずに彷徨っている男”を描いた漫画で、タイトルこそ『パチンコ』であるもののパチンコが登場することはありません。
蛭子さんはこの漫画が雑誌に掲載されたことを「人生の中で一番嬉しかった」と語っており、入選の通知が届いた時は奥さんと一緒に飛び上がって喜んだとのこと。しかし、出版社の経営難により収入はなかったそうです。
「地獄に堕ちた教師ども」
1981年7月に青林堂から出版された蛭子能収さんの処女作品集『地獄に堕ちた教師ども』。青林堂によるキャッチコピーは「こんな漫画があっていいのか!!」「このままじゃ脳味噌がブッ飛ぶぜ!!」。
1974年から1981年にかけて雑誌に掲載された蛭子さんの漫画を10作品収録しています。ちなみに、タイトルの由来はイタリア映画『地獄に堕ちた勇者ども』からきているようです。
かつては絶版によって入手困難な状況が続いていましたが、2016年に35年ぶりに復刊しました。
「私はバカになりたい」
1982年3月に青林堂から出版された蛭子能収さんの作品集『私はバカになりたい』。我が子を燃やすという問題作『知識人のレポート』も収録されており、狂気に満ちた不条理なストーリーが特徴です。
蛭子さんが漫画で生活していけるようになった頃に出版され、集中力と手抜きの絶妙な塩梅が素晴らしいと評価されている作品集となっています。
こちらも絶版によって入手困難でしたが、2018年に復刊。ところが復刊に全く興味がない蛭子さんは、「俺に負担を一切かけないなら出してもいい」とやる気のないコメントをしていたようです。
「私の彼は意味がない」
こちらの短編集は『私の彼は意味がない』。冒頭には表題作が掲載されており、蛭子能収さんの趣味である麻雀を題材とした漫画を読むことができます。
ところが、内容としては麻雀漫画と言うには厳しいものがあり、役ができていないのにリーチをかけてあがるなど、麻雀の意味を成していません。更には全員で服を脱いで歌って踊って、収拾がつかないまま終わります。
この漫画を描いた当時、蛭子さんは麻雀にハマり出した直後でまだまだ駆け出しだったとのこと。噂では、通っている雀荘でカモにされていたとかいないとか……。
「私は何も考えない」
こちらは青林堂が1983年12月に出版した短編集『私は何も考えない』。徹底して無意味な作品ばかりを集められており、正に『私は何も考えない』というタイトルにふさわしいものとなっています。
蛭子さんが自分で漫画の解説をしているページもありますが、そこでも蛭子さんの独特な雰囲気を読み取ることができます。
蛭子能収の漫画はブログでも見ることが出来る!
実際に蛭子能収さんの漫画を読んでみたいけど、絶版されているものや売っていてもプレミア価格で高値になっている作品が多くて手が出しにくいという方もいるはず。そんな方に朗報、なんとブログで読めます。
蛭子さんの公式ブログ『えびすにっき』では、蛭子さんによる4コマ漫画を読むことが可能です。2017年2月11日の第45話で更新は止まっていますが、気になる方はぜひチェックしてみてください。
蛭子能収の漫画の評判は?
人によって好みが分かれるという蛭子能収さんの漫画ですが、他の漫画家や評論家の方達はどういう評価をしているのでしょうか。
蛭子能収の漫画は多くのマンガ家や評論家からも高評価!
蛭子能収さんの漫画は数多くの漫画家や漫画評論家からも高評価を受けています。
蛭子さんについて同じく漫画家の根本敬さんは「本当に凄いなァと何度読んでも関心」「深く胸に突きサ刺さった」とコメントしており、「こんな漫画は俺に描けない」とコンプレックスを抱くほどだったそうです。
また、漫画雑誌『ガロ』の副編集長の白取千夏雄さんからは”天才”、後輩漫画家の山田花子さんからは”本物の漫画家”と評されています。
海外でも注目を浴びている!
実は蛭子さんのイラストは海外でも注目を浴びており、数多くの海外アーティストに取り上げられることがあるそうです。
また、2010年には同じく漫画家の根本敬さんとカニバリストの佐川一政さんと共に『ハッテンバプロダクション』を結成。こちらは蛭子さんや佐川さんを海外に売り込むためのアート集団ということです。
テレビ出演しだしてからイメージのギャップで漫画が売れなくなった?
テレビ出演などをする前、蛭子さんは”正体不明の不条理漫画家”として大活躍。ファンからは「一体どんな天才が描いているのか」「気が狂った怖い人ではないか」というイメージが定着しました。
ところが、バラエティ番組などに出演するようになるとそのギャップにファン達は驚愕。最終的には異常者であるような扱いはされているものの、ただの”さえない面白おじさん”に興味が失せてしまったようです。
これにより、本業の漫画の売上は低迷。本人も「本当は人前に出たくなかった」と述べていますが、人から頼まれたことを断ることができないという彼はしぶしぶテレビに出演しているようです。
嫌なのにテレビ出演を続ける理由はギャラの良さ?
テレビ出演の理由には、そのギャラの良さもあります。本人も「テレビ出演のギャラと比べて漫画の原稿料は非常に安い」と述べており、テレビ出演はギャラのためにしていることがうかがえます。
蛭子能収の漫画がスゴい!シュールな漫画画像集
昔から根強いファンがいますが、最近ではアートスペースを借りて個展を開くなどの活動もしているという蛭子能収さん。今後の作品にも期待が高まります。
蛭子能収は天才漫画家だった!
いかがでしたでしょうか。タレントとして知られている蛭子能収さんではなく、”漫画家・蛭子能収”についてご紹介させていただきました。
普段からやる気のなさそうに見える蛭子さんですが、漫画にかけている情熱は本物の様子。テレビ出演などで忙しい時は手抜きの漫画を描くこともあるそうですが、実際は”天才”とも評される本物の漫画家です。
バラエティ番組で活動する蛭子さんも面白いですが、漫画家としての蛭子さんも意識してみると面白いかもしれません。