
マインドシーカーとは?クソゲー?超能力がないとクリアできない?
「ファミコンを通じて超能力を開発」という名目で発売された家庭用テレビゲーム「マインドシーカー」をご存知でしょうか?バグや超低確率の突破を強いられることから、最強のクソゲーと評されることもあります。ここでは、そんなマインドシーカーにまつわる情報をご紹介します。
目次
[表示]「マインドシーカー」とは?
他に類を見ない超能力開発ゲーム「マインドシーカー」、監修には超能力者・エスパー清田も関わっています。
ユニークなコンセプトで注目を集めましたが、結果として開発元ナムコ唯一の黒歴史とも呼ばれ、「クソゲー」と評価されています。
ここでは、マインドシーカーのゲーム内容や難易度、プレイして超能力者になったと自称する人の証言などをご紹介します。
1989年に発売されたファミコン用ゲームソフト
マインドシーカーは、1989年に発売されたファミコン用ゲームソフトです。ゲームのコンセプトは、「ファミコンでの超能力開発」というユニークなものでした。
発想は独特だったものの、クリアに際していくつか問題があり、発売当時から現在に至るまで一貫してクソゲーとの評価を受けています。
エスパーキヨタ指導のもと、超能力の開発がテーマのアドベンチャーゲーム
マインドシーカーのゲーム内容は、シンプルなコマンド選択形式のアドベンチャーゲームです。
使うのは基本的にAボタンのみで、ミニゲームをクリアしたり、テキストを読むことでゲームが進行していきます。
また、マインドシーカーの開発には、当時の活躍していた超能力者・エスパーキヨタが監修として参加しています。スーパーキヨタはゲーム内にも登場し、随所で意味深なコメントを残します。
超能力を使えないとクリアできない?実際は運ゲー・理不尽ゲー
超能力開発との売り込むで発売されたマインドシーカーですが、実際の内容は理不尽かつ、過酷な運ゲーとされています。
というのも、ゲーム内で頻繁に表示される選択肢には手がかりはなく、クリアは完全な運頼みなのです。
一例としては、5つのランプの内、どのランプが点灯するか予め選択するというミニゲームが挙げられます。予知の開発を目的としているようですが、実際のところ単なる運ゲーに過ぎません。
「マインドシーカー」はナムコ唯一の黒歴史?
株式会社バンダインナムコアミューズメント(旧ナムコ)は、当時パックマン、ギャラガ、ゼビウス、ドルアーガの塔など数々の名作を生み出していました。
一方で、1989年登場したマインドシーカーは、その理不尽なゲーム性からナムコ唯一の黒歴史とも評価されています。
コンシューマーゲームで一番難しいとまでいわれている
マインドシーカーは現存するコンシューマーゲームの中でも、最も難易度が高いと噂されています。プレイした人には、「実際に超能力がないとクリアできない」とコメントしています。
また、裏技を使わずにクリアするには天文学的ともいわれるほどの低確率を突破しなければならないことも、高難易度との評価に拍車をかけています。
ゲームクリア後に本物のエスパーになれたというプレイヤーが存在する?
Amazonでのレビュー欄には、「クリアして本物のエスパーになりました」とのコメントが寄せられています。曰く、断じて「運ではない」とのことです。
真偽のほどは不明ですが、中古であれば1000円未満で購入できますので、試しにプレイしてみるのもよいでしょう。
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「マインドシーカー」のゲーム内容
超能力開発とは名ばかりで超絶な運ゲーと評価される「マインドシーカー」、具体的にはどのようなゲーム内容なのでしょうか。
ここでは、透視、念力、予知などと称して繰り広げられるマインドシーカーのユニークなゲーム内容をご紹介していきます。
超能力開発センターでのトレーニング
マインドシーカーの序盤は、ガイドを務めるエスパーキヨタに導かれて、超能力養成所でトレーニングを行うこととなります。
最初はテキストを読み進めることで進行しますが、4日目からは、透視、念力、予知といった超能力の訓練が開始されます。
運要素のみの5択問題「透視」
超能力トレーニングの一発目は「透視」です。画面上部の真っ白なカード、この裏面に描かれた模様を画面下部に表示された5枚のカードの中から選ぶというものです。
エスパーキヨタによれば「見える」とのことですが、多くの超能力を持たないプレイヤーは見ることはできず、完全なる5択を強いられます。
Aボタンに念力を込めて押す「念力」
続いて行うトレーニングは、超能力の定番「念力」です。内容は、画面上のランプが点灯するように念じるるAボタンを押すというものです。
当然、ファミコンのコントローラーにプレイヤーの意識を感受してゲーム内に送信する機能などありませんから、プレイヤーはランプが点灯するまで延々ボタンを連打することになります。
ランプが点くかはランダムなので、絶対の攻略法は念力を実際に会得すること?のみです。
運要素のみの5択問題「予知」
6日目のトレーニングは「予知」です。このトレーニングは、透視と似通っており、5つ配置されたブロックのうち点灯するものをあらかじめ選ぶという内容です。
このゲームも「透視」同様にヒントはなく、あてずっぽうか、実際に予知を身に付けるしか攻略の方法はありません。
なお、失敗すると「意識を集中せよ」といった旨の指摘を受けることとなります。
サイCityでのパワーアップ
無事、養成所を卒業するとサイCityでのパワーアップ編が開始します。
サイCity編では、サイキックシティーに住む人々たちから出される課題をクリアしていくことで経験値を取得し、Lvアップしていくことでゲームが進行します。
カジノ・サイランド
サイキックシティーで経験値を貯めた後は、カジノ・サイランドに挑戦することとなります。ここでは、貯めた経験値を賭けてゲームをプレイします。
ゲームの種類は、「レース」、「カード」、「パネル」といったカジノゲームでは定番の内容ですが、いずれも「超能力」を駆使しなくてはいけません。
レースでは念力でカメを移動させ、カードでは札を透視、パネルは予知で女の子を移動させゴールまで送り届けます。実際にはすべて運頼みであり、負けると経験値は没収されてしまいます。
最終試練のパワースポット
レベルが最大(10の次の「∞」)に達するとエスパーキヨタから、最終試練のパワースポットへテレポートするように指示されます。
パワースポットは扉で閉じられており、プレイヤーは再度、超能力という名の運ゲーに挑むこととなります。
第一関門
第一関門では、24にも及ぶゲージをすべて赤に点灯させることを要求されます。
これまで通り、特に攻略法は存在せず、プレイヤーはゲージがすべて赤になるまで、念を込めながらひたすらにボタンを連打しなければなりません。
しいて言えば、事前に経験値をあらかじめ多く稼いでおけば、クリアに必要な基準が多少緩和されます。
第二関門
第二関門は、5つの扉の内から正解を一つ選ぶというものです。内容としては、養成所の透視や予知と変わりありませんが、失敗すると第一関門からやり直しとなります。
最終関門
最終関門は、第一関門同様、24回扉の前で念力という名の運ゲーを成功させなければクリアできません。ここでも、失敗すれば第一関門に戻されます。
四十分の二十四、五分の一、四十分の二十四を突破することでようやくこのゲームはエンディングを迎えます。
全クリアしたらミスターキヨタからのメッセージを受け取れる
マインドシーカーの全クリア報酬は、ミスターキヨタからのメッセージです。メッセージの一部を下記にご紹介します。
うちゅう は バランス のみだ
~中略~
そんざいとは ちょっかん の だいめいしである。
げんご は はどう の ていちゃくである。
(引用:マインドシーカー)
詩のようなある種哲学的な内容で、ここまでの過酷な確率を超能力?によって制覇してきたプレイヤー感動あるいは言い知れぬ虚無感に見舞われるといいます。
マインドシーカーの評価・総評は?
超能力の名を借りた運ゲー「マインドシーカー」、世間ではどのように評価されたのでしょうか。ここでは、ゲーム雑誌でのマインドシーカーに対する評価をご紹介します。
「ファミコン通信」のクロスレビューでは40点中25点
ゲーム雑誌で最も知名度を誇る「ファミコン通信」のクロスレビューでは、マインドシーカーは「40点中25点」という結果でした。レビュアーは、このゲームを以下のように評価しています。
- 何回もやる気はしない
- 精神を集中しても根っからのゲーム野郎である私は疑いの気持ちが先に立っちゃうので、さっぱり当たらない
参考までに伝説とも呼ばれるクソゲー「デスクリムゾン」は同レビューにおいて13点でしたから、意外にも高い評価といえるのではないでしょうか。
「ファミリーコンピュータMagazine」のゲーム通信簿では30点中16.93点
「ファミリーコンピュータMagazine」でのゲーム通信簿の点数は下記の通りです。
- キャラクター :2.73
- 音楽 :2.65
- 操作性 :2.76
- 熱中度 :2.75
- お買い得度 :2.43
- オリジナリティ:3.61
- 総合 :16.93
全体的に低めですが、他に類似するジャンルのゲームが存在しないため、オリジナリティだけは高めに評価されています。
ゲーム本「悪趣味ゲーム紀行」のコメントは辛口
クソゲーやバカゲーを紹介する「悪趣味ゲーム紀行」では、マインドシーカーに対してかなり辛口なコメントが寄せられています。下記にコメントの一部を抜粋します。
- PSG音源が僕の神経を逆なでします
- ま、清田くんは当然クリアしたんでしょうから
- このソフトは一体誰がデバッグしたんでしょう
音楽や監修者にも皮肉めいたコメントが書かれており、かなりこのゲームに苦しめられた様子が伺えます。
ゲーム誌「ユーゲー」は前向きな評価?
レトロゲームの紹介に力を入れているゲーム雑誌「ユーゲー」では、下記のように意外にも好意的な意見が記載されています。
- 一、二を争う怪作
- 超能力うんぬんというより、密教の荒行
- 忍耐力は身に付きそうではあった
一部皮肉が含まれているものの、「怪作」とはなかなかゲームでは拝めない評価です。
「マインドシーカー」がクソゲーといわれる理由
オリジナリティは評価されているものの、クソゲーとの呼び声が一般的なのがマインドシーカーです。ここでは、マインドシーカーがクソゲーといわれる由縁をご紹介します。
ファミコンには無い力(超能力・運)を使わなければならない
マインドシーカーがクソゲーと呼ばれる理由として最も挙げられるのが、超能力と称しつつ、運ゲーを強いられるという点です。
念じながらAボタンを押して画面を動かせなどと指示されますが、プレイヤーの念でゲーム内の表示物を動かすといった機能はファミコンには残念ながらありません。
結局のところ、望む結果が出るまでAボタンを連打しているにすぎず、所詮は運ゲーということがクソゲーとの評価につながっています。