
ショーテル(ショテル)とは?両刃の剣?パズドラやダークソウルにも
ショーテルはエチオピア発祥の特徴的な形をした剣です。刀身が半円を描いたような形の両刃の剣で、パズドラやダークソウルなどのゲームなどでよく見かける武器でもあります。今回はショーテルについて武器としての評価や使い道などを詳しくまとめました。
目次
[表示]ショーテル(ショテル)とは?
ショーテルはショテルとも呼ばれ、エチオピアに古くから伝わる伝統的な剣です。刀身が普通の剣とは違い特徴的な形をしています。
ショーテルの特徴的な刀身や武器としての特性についてみていきましょう。
ショーテルはエチオピア発祥の伝統的な両刃の剣
ショーテルはエチオピア発祥の剣で半月のように弓形に曲がった両刃の刀身が特徴的です。刀身は1mくらいの長さで曲がり具合は個々で違い、くの字やL字型のものもあります。
古代のエチオピアではアクスム王国が栄え、その後はエチオピア帝国となりました。エチオピア帝国では皇帝直属の精鋭部隊の装備としてショーテルが使われていたようです。
ショーテルを使いこなせるのは熟練された戦士だけだったとされ、戦場では歩兵だけではなく騎兵にも高い攻撃力を誇っていました。
盾をかわして攻撃することを目的とした形状をしている
ショーテルが特徴的な形をしているのは、盾を持った相手を有効に攻撃するためだったようです。反った刀身を自身に向けて使うことで、盾をかわして攻撃することができます。
両刃のため相手を一度斬りつけた後も手首を返さずに再び攻撃ができるという利点もありました。他には鎌のように使ったり薙ぎ払ったりと様々な攻撃法が用いられました。
間合いを撹乱することができる?
弓形に曲がった形をしているショーテルは、真っ直ぐの剣よりも間合いを確認しづらいため、相手を撹乱させることもできたようです。
曲がった形の剣は相手の意表をつくことができ、軌道を読みづらくさせるので戦闘では優位に立つこともできたのでしょう。
アフリカ地域の盾を想定している
ショーテルはエチオピアがあるアフリカ地域で、盾を使う相手を想定して作られています。盾を使われても攻撃が相手に当たるように設計されているのです。
そのため、日本刀や一般的な剣との真っ向勝負には向かないとされています。あくまで盾を持つ相手に特化した武器なようです。
一部の剣は鞘が使えない?持ち運びが困難だった
刀や剣を持ち運ぶ際は、鞘に刀身を納めて運ぶのが一般的です。ショーテルにも鞘があるものがあり、大英博物館にはショーテルとその鞘が展示されています。
しかし、ショーテルは個々で形が違ったり、鞘を作りにくい形状をしているためか一部の剣では鞘が使えなかったようです。
ショーテルは両刃の剣なので、持ち運ぶ際に鞘に納めずに運ぶと危険です。そういった理由から、ショーテルは持ち運びがしにくい武器だったようです。
見た目が独特なため戦闘前から警戒されることもあった
刀身が弓形に曲がり、長さが1mにもなるショーテルは、その見た目からかなり目立つ武器だと言えます。そのため戦闘前から警戒されることもあったようです。
ショーテルは古代エチオピアでは精鋭部隊の特別な戦士が装備していたこともあり、戦闘でショーテルを持つ人は相手から特別警戒されていたことが想像できるます。
とても扱いにくい反面上手に使えば良い武器になった
刀身の独特な形から、ショーテルは重心が取りにくい上に扱い方がわからないととても扱いづらい武器だったようです。しかし、使い方次第では優れた武器になります。
盾を持つ相手に攻撃できることはもちろん、切っ先を相手に引っ掛けることができた場合は相手に相当なダメージを負わせることができたでしょう。
攻撃力は?ガラパゴス的武器とも言われる
ショーテルは盾を持つ相手との戦闘だけを想定し特化したガラパゴス的な武器と言えます。その独特な形状は攻撃法や攻撃力にかなり影響を及ぼしています。
刀身が円を描いているため、刺したり突くという攻撃は得意ではありません。攻撃法はスイングするように振るだけなので、他の一般的な剣に比べると攻撃の幅は狭いです。
盾を持つ相手に対しての攻撃力は高かったことが想像できますが、その特性は一般的な剣には劣るため対等に渡り合う戦いはできなかったでしょう。
致命傷は与えにくい意見もある
刺したり突くという攻撃がしづらいという理由などからも、ショーテルは致命傷を与える武器とは言えないという意見もあります。
盾を持つ相手に攻撃をできたとしても、相手は急所を盾で守っているので致命傷に届くほどの攻撃はできないでしょう。
そのため、ショーテルは使いづらく致命傷が与えにくい武器だという意見があっても納得がいきます。
防御力に問題があった
ショーテルは刀身の長さからみると、かなり持ち手が小さく持ちにくい武器です。鍔もないので攻撃を受けることができません。
特徴的な形にしてしまったため、一部の相手には高い攻撃力がありますが、防御力への配慮がほとんどないため防御には問題があったようです。
インテリアとしての使用が流行したこともある
盾を持つ相手に特化した武器であるショーテルは、防御面に問題があったり鞘に入れることができず持ち運びが不便だったためエチオピア人からも不評でした。
熟練度の高い精鋭にしか使いこなせず、武器として扱いづらいのでインテリアとして飾られることもあったそうです。
見た目のインパクトはあるので飾りとしては目立つということもあり、インテリアとして流行したこともあるようです。
関連する記事はこちら
ショーテルの使い方がよくわかる動画まとめ
ショーテルは扱いが難しく熟練の戦士が使っていたと言われる武器ですが、YouTubeにはその使い方を実践している動画があります。
実際に使われている様子を動画で見ることでショーテルの特性がよくわかるので、ショーテルによく似た武器の動画と一緒に紹介します。
ショーテルの使い方を実践で紹介している動画
こちらの動画では、盾を持つ相手との実践でショーテルの特性が活かされている様子がよくわかります。ショーテルは防御力では劣るためか、連続して攻撃を繰り出しています。
受け身の戦い方ではなく、どんどん攻撃を仕掛けるという戦い方の方がショーテルの持ち味が生きていくということなのでしょう。
ショーテルとよく似た武器「マンベリ」の動画
こちらはショーテルによくにたマンベリという武器の対戦動画です。マンベリは形はショーテルによく似ていますが、切っ先にはツメのようなものがついているのが特徴です。
戦い方もショーテルとよく似ていますが、盾を持つ相手との対戦ではないためか、剣の振り方などはショーテルと少し違うようです。
ショーテルが出てくる代表的な作品
ショーテルはファンタジー系ゲームなどの作品に武器として登場することが多いです。特徴的な形をしているため採用されやすいのかもしれません。
ここからは、実際にショーテルが使われているゲーム作品などに触れて紹介していきます。
パズドラ
スマホゲームでおなじみのパズドラにもショーテルが登場しています。パズドラでは「双曲剣」としてキャラクターがショーテルを2本持っている姿が描かれています。
特徴的な剣のため、ゲームでもキャラクター化しやすいようでショーテルが採用されることは多いようです。
ダークソウル
ダークソウルでは、ショーテルの本来の特性が活かされています。ゲーム内でのショーテルは「盾無効」のスキルがあります。
盾を持つキャラクターに対してのアンチ武器として活躍しているようです。見た目がかなり威圧的でキャラクターと浮いてしまっていたためネタ武器にされていたこともあります。
グランブルー・ファンタジー
グランブルー・ファンタジーでは「インペリアルショテル」としてショーテルが登場します。ゲーム内ではショーテルの特性が武器の効果として付与されています。
「インペリアルショテル」のアビリティは、味方の連続攻撃確率をあげることやカウンター効果といったもので、これはショーテルの特性でもあります。
MTG
トレーディングカードゲームであるMTG(マジック:ザ・ギャザリング)に登場するショーテルは、「Show and Tell」というデッキの総称として使われています。
武器として使われているわけではありませんが、「Show and Tell」というネーミングはショーテルを思わせるものではないでしょうか。
その他ファンタジー世界で使われる実在する武器は?
ショーテルの他にもファンタジー系の作品に登場する特徴的な武器はたくさんあります。様々な国の伝統的な武器が使われることが多いようです。
ここからはファンタジー系の作品に使われることが多い、実在する武器を紹介していきます。
日本の「正宗」・「鎖鎌」
「正宗」は鎌倉時代の末期に正宗という刀鍛冶が打った有名な日本刀で、ファンタジー作品ではよく見かける武器です。
同じく日本の「鎖鎌」も様々な作品に登場しており、投げて使う武器の中でも特に目立つ存在ではないでしょうか。
スコットランドの「クレイモア」
「クレイモア」はスコットランド発祥の両手剣で、大剣に分類される武器です。大剣や両手剣の代表格としてファンタジー作品に登場することが多いです。
左右にある鍔の部分にはクローバーのような模様があるので、他の剣と区別する際は鍔の装飾を見るとわかりやすいです。
イタリアの「ロングソード」
「ロングソード」はイタリアで古くから使われてきた剣で、現在のヨーロッパではバスタードソードという別名で呼ばれているようです。
西欧ではかなりスタンダードな剣で、ファンタジー作品でも使われることが多いシンプルな剣です。
スウェーデンの「ブラックサーベル」
「ブラックサーベル」はスウェーデン発祥の剣で、サーベルの一種です。サーベルは軍用の剣とされており、様々な種類があるようです。
様々な作品に登場している「ブラックサーベル」には、そのネーミングからかっこよさを感じる人もいるのではないでしょうか。
オーストリアの「戦槌」
「戦鎚」はオーストラリア発祥の武器で、長い柄の先に槌がついている特徴的な武器です。
オーストラリアでは17世紀頃から登場し、現在もファンタジー作品で取り入れられることが多い武器です。
中国の「勾践の剣」
中国発祥の「勾践の剣」は紀元前771年から403年という古くから伝わっている武器のようです。刀身が硫化銅で覆われ模様が描かれているのが特徴です。
「勾践」とは中国の越の王で、「越王勾践剣」という8本の名剣を作られた王として有名です。
イタリアの「メイス」
「メイス」は棍棒の先に重りのようなものがついている打撃武器のひとつです。イタリアでは甲冑で覆われた相手を攻撃する際に用いられたといいます。
戦棍や鎚鉾とも呼ばれています。ファンタジー作品では魔法を使うキャラクターの武器として使われることが多いです。
ショーテルに似ているものは?
ショーテルはアフリカのエチオピアで生まれた独特な剣ですが、アフリカ以外でもショーテルに似ているものが存在するのでご紹介します。