タブクリアとは?透明なコーラ?伝説の大失敗?復刻版が登場?

「タブクリア」はコカコーラ社から発売された清涼飲料です。発売当初は政治評論家の俵孝太郎氏を起用したCMなどで大々的な宣伝を繰り広げましたが、味が不評で売れず、発売後1年ほどで製造中止となりました。この経緯や画像、最近の復刻版の登場などについてご紹介します。

タブクリア(TaBclear)とは?

タブクリアとはコカコーラ社発売の清涼飲料ですが、この製品は何を売りとして作られたのか、その名前の由来は何か、その画像は見られるか、どんな宣伝が行われたかなどについて見て行きます。

また発売後の売れ行きが芳しくなかった原因や結局発売中止となる経緯も振り返ってみます。

1993年に発売された炭酸飲料

タブクリアはコカコーラ社から日本では1993年の3月に発売された炭酸飲料ですが、アメリカでの発売は1992年です。何が売りだったのかというと、これはコカコーラのダイエット版である、というところです。

すなわち超低カロリーの人口甘味料アスパルタームを使っているのです。もう一つのポイントは無色透明であることです。これが「クリア」という名前の由来です。

タブクリアの画像は?

もう25年も前に製造中止になったタブクリアですが、例えばTwitterの画像を検索すると、数種類が残されています。「タブクリア 新発売 飲んでいただければ、わかります」という文字入りの画像もあります。

缶だけの画像、ペットボトルだけの画像、缶とコップに入れて透明さを明示した画像を並べたものなどもあります。

1962年にコカコーラ社から発売された初のノンカロリー飲料・タブが原型

カロリーの過剰摂取でダイエットが注目され始めたアメリカで、コカコーラ社は1962年に「タブ(TaB)]」というノンカロリーのコーラ風味飲料を発売しました。これは甘味料としてサッカリンを使用しました。

このタブを無色透明にしたものがタブクリアです。タブクリアの甘味料はサッカリンではなくアスパルテームです。

ペプシコ社「ダイエットクリスタルペプシ」への対抗商品として開発された

アメリカではタブクリアの前にライバルのペプシコ社が1992年、カフェインレスで無色透明なコーラ「クリスタルペプシ」とそれをノンカロリーにした「ダイエットクリスタルペプシ」を発売していました。

これに対抗する形でコカコーラ社が開発したのがタブクリアに他なりません。

日本では俵孝太郎が広告キャラクターに起用され大々的に宣伝された

タブクリアの発売の前からコカコーラ社では「まったく新しい飲料を発売する」という謎めいたCMを放送して大いに注目を集めました。

広告キャラクターとして政治評論家でニュースキャスターとしても人気のあった俵孝太郎氏を起用して、「考えたってしょうがない」というキャッチコピーを使った宣伝を大々的に繰り広げました。

透明なコーラは日本ではあまり人気が出ず1年弱で製造中止になった

タブクリアの「クリア」は無色透明という意味です。アメリカでは無色透明性は「純粋」とか「清潔」といったイメージにつながるものとして人気があったようです。

しかし日本では「ただの水みたいでコーラらしくない」と受け取られたらしく、大々的な宣伝にもかかわらず人気が出ませんでした。そして結局タブクリアは発売後1年足らずで製造中止になりました。

既存のパッケージのまま果糖を加えた改良版も発売された

タブクリアの予想外の不人気に直面したコカコーラ社は、人工甘味料の後味に問題があると考え、果糖を加えて味を変えた改良版を一部の地域限定で発売しました。

そのデザインも既存のパッケージに「変わってしまった」という文字を付け加えただけの便宜的なもので、これも結局間もなく消滅する運命を辿りました。

タブクリアの味は?「マズうま」でクセになる味わい?

さて不人気だったタブクリアの味はどうだったのでしょう?いろいろな人たちが寄せた口コミを覗いてみると、ひどく不味かったという人もいますが、結構うまかった、発売中止で残念という人もいます。

結局、「マズさの中に何か不思議なウマさがあって結構クセになる味わい」だった、ということでしょう。

流行の透明系飲料の美味しさの指標はタブクリアにある?

最近無色透明のミルクティーとかカフェラテなどがいろいろ出回っています。しかし一体無色透明で本当にミルクティーやカフェラテの味がするのかと訝しくなる人が多いようです。

そこで引き合いに出されるのが無色透明系飲料の元祖とも言うべきタブクリアです。これが美味しさの比較の基準として採用され、タブクリアの方がまだマシなどと言われたりします。

映画「バックトゥザフューチャー」でも登場

アメリカで1985年に製作されたSF映画「バックトゥザフューチャー」の中にもコカコーラ社の「タブ」が登場します。

主人公がカフェでタブを注文すると、店主が「伝票(英語ではこれもタブ)は注文の後だよ」と言うシーンです。

Twitterのハッシュタグで年齢がバレる?

TwitterのハッシュTタグで例えば「#コカコーラクリア」とか「#透明なミルクティー」などを見て「#タブクリア」というハッシュタグを連想したら、その人は「オジサン」だとバレてしまいます。

何しろタブクリアはもう25年も前に発売が中止されている商品ですから、それを知っていることから年齢がバレるのです。

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タブクリアはなぜ売れなかった?

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コカコーラ社が社運をかけて大々的なキャンペーンを張って売り出したタブクリアでしたが、日本では予想外に人気が出ず、売れ行きもさっぱり伸びずに発売後1年足らずで製造中止になってしまいました。

日本でそんなに売れなかった原因は何だったのでしょうか?その原因は3つ考えられます。これからその3つの原因を挙げて行きます。

失敗した理由①人工甘味料の後味が不評だった

タブクリアの前身のタブもダイエット・コーラですからノンカロリーの人口甘味料サッカリンを使いました。ところが無色透明のタブクリアではサッカリンの代りにアスパルテームが使われました。

このアステルパームは確かに甘いのですが苦い後味が残るという欠点があり、これが不評を買ったのです。

失敗した理由②人口甘味料の危険性への恐れ

タブクリアの発売当時、アステルパームだけではなく一般に人口甘味料には発がん物質が含まれるという情報が流されていました。アステルパームの不快な後味がますますその不安を煽ることになりました。

実はアステルパームは既に1983年に日米で使用の認可が出ています。また各国の政府機関からも安全性の保証が出されています。

失敗した理由③透明なコーラへの価値観のズレ

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そもそもコカコーラ社が無色透明なタブクリアを売り出した狙いは、オリジナルの黒いコーラが与えがちな「何か有害成分が入っていないか」というイメージを払拭するためでした。

しかしそれを強調すると黒いコーラの悪いイメージを強めてしまうことになるので、はっきり打ち出せません。そのため無色透明の意味やご利益が伝わらなかったのです。

タブクリア発売以前に日本でも似たような失敗が

実は日本でもタブクリアの発売の10年位前に、ノンカロリーではありませんが同じく透明なコーラを発売して、やはりタブクリアと同じく売れ行き不振で失敗に終わった、という例が存在しました。

1984年に森永製菓が発売した「ミラクルアルファ」

それは森永製菓が1984年に発売したミラクルアルファ(MIRACLE-ALPHA)ホワイトコーラです。これは日本で最初に発売された透明なコーラです。

そのキャッチコピーは「ミラクルシャワーのクリアーな衝撃」というものでした。

味や見た目が受け入れられず1年で生産中止になった

これは、名前は「ホワイトコーラ」と言うものの、味はと言うとコーラとはかなりかけ離れたものだったようです。それに加えてパッケージデザインも確かにミラクル(奇妙)なものでした。

アルファというギリシャ文字を大きく打ち出したわけのわからないデザインです。そんなわけで味と見た目の両方が世の中の受け入れるところとはならず、たった1年で発売中止となりました。

大々的に宣伝され大きな話題となったタブクリアCM集

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コカコーラ社はアメリカでは結構人気のあったタブクリアを日本でも売り出すに当って、前宣伝に大いに力を入れ、タブクリアの実態を説明しない謎をかけるようなキャッチコピーを作り出しました。

そして前にも述べたとおり政治評論家の俵孝太郎氏を起用して、この謎めいたキャッチコピーに説得力を与えようとしました。

日本で放映されたCM①

これは「透明なコカコーラ」というタイトルの動画です。「うまい」、「サッパリしてて美味しかったです」「ミステリアスな味」、「そのとおりです」などのセリフが出てきます。

最後に有名なキャッチコピー「考えたってしようがない」「コカコーラから新発売」で締めます。

日本で放映されたCM②

このCMでは俵孝太郎氏が登場します。俵氏が以下のようなセリフを語ります。

  • 「コカコーラ本社前から俵孝太郎がお伝えします、タブクリアの発売で世界各地で珍現象が起こっています、考えたってしようがない、世界はクリアに向かっている、俵孝太郎でした」

アメリカで放映されたCM

これは「Chain of Mystery TaBclear 1994」というタイトルのCMです。不思議な映像が次々に出てきます。先ず、宇宙飛行士が宇宙船に乗り込んでタブクリアを飲んでいる映像です。

次に奇妙な砂漠地帯でインディアンがタブクリアを飲んでいる映像、タブクリアの缶から独りでに中身が飛び出して傍らのグラスに注ぎこまれる映像などです。これがミステリーの連鎖という訳です。

タブクリアの失敗は販売前から分かっていた?

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タブクリアの日本での発売はアメリカの本社の至上命令で強行されました。それにはライバルのペプシコ社に先を越されまいとする思惑があったのですが、日本では前身のタブもまだ発売されていません。

その上透明コーラでは森永の「ホワイトコーラ」の失敗という前例もあり、コカコーラ社の日本のスタッフにはどうもタブクリアを売り出しても成功する自信がなかったと思われるふしがあります。

キャッチコピーが投げやり?

発売当時のキャッチコピーの一つに「考えたってしょうがない」というものがあります。これはコカコーラ社側自身にも売れ行きを伸ばす自信がない心情を反映しているように受け取れます。

また「飲んでみなけりゃわかりません」と「飲んでいただければ、わかります」というものもあります。これも会社側にもタブクリアの味に十分な自信が持てないことの現れのように見えます。

俵孝太郎の起用は消費者を納得させるため?

政治評論家の俵孝太郎氏が透明コーラのイメージキャラクターとして起用されたのは、一見場違いのように感じますが、これも自信のないコカコーラ社側が知恵を絞って考え出した苦肉の策と言えなくもありません。

すなわち上記のキャッチコピーはいかにも投げやりな感じがするので、CMの視聴者を納得させるにはインパクトのある説得力を持つ人に語ってもらう必要があったということです。

隠れたタブクリアファンが実は多い?

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全く売れずに発売後1年足らずで製造中止に終わったタブクリアですが、実はこのタブクリアには一部に隠れた熱烈なファンがいたようです。

一部熱狂的なファンは復活を望んでいた

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口コミの投稿などを覗いてみると、タブクリアの隠れたファンが復活を熱望している様子が見られます。

例えば、「タブクリアのげっぷが美味かった」「あのげっぷの味が忘れられない」「コカコーラ社に一日も早い復刻を望む」などと言う一風変わった隠れファンもいるのです。

もう一度飲みたいランキングにもよく登場している

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いろいろなブログの「もう一度飲みたいランキング」にもタブクリアはよく登場しています。例えば「もう一度飲みたいドリンク ベスト3」というランキングの第3位にタブクリアがランクされています。

そのコメントには、味についてはクラスの中で「ウマイ派」と「マズイ派」に分かれていたが、自分は「ウマイ派」の方だった、と書かれています。

「コカ・コーラ クリア」はタブクリアと何が違う?復刻版?

コカコーラ社は、コカコーラ・オリジナルの改良版を次々に発売して来ました。ゼロカロリー、ゼロカロリー・ゼロカフェイン、トクホ、フレーバー、等々です。

そして昨年、新たに透明・ゼロカロリーの新製品を発売しました。これはタブクリアの復刻版と言うべきでしょうか、見てましょう。

NEXT 2018年に透明でゼロカロリーのコカ・コーラ クリアが発売された