
誰にも会いたくない時の心理や原因は?酷い場合にはうつ病の可能性も
誰にも会いたくないという心理はなぜ起きるのでしょう。その原因はストレスが特徴的であり、時にうつ病を発症するほどの酷い抑圧が根底にあると言われます。誰にも会いたくない場合の対処法に、どんなことがあるでしょうか。この心理状態についてを探ってみたいと思います。
目次
[表示]誰にも会いたくないと思うのはおかしいこと?
人が、誰にも会いたくないと思うことは珍しいことでしょうか。誰とも会わない生活が続けば「寂しい」という感情が生まれるはずです。しかしそれでも一定期間、誰にも会いたくないことはあります。
「誰にも会いたくない」というのは誰しも経験があるもの
どんな人でも、誰にも会いたくないという心理に陥った経験があるはずです。特徴的なのは、ストレス過剰な状況が続いた場合にこの心理が働くということです。それに対する対処法はあるのでしょうか。
ここではその心理状態と原因をまず考えていきます。次いで、それらに対する対処法を具体的にあげてみます。うつ病になる危険性についても触れていきたいと思います。
普段から頑張りすぎる人は無気力になりやすい?
総じて言えるのは、頑張り過ぎる傾向の人ほど、誰にも会いたくないという心理になるということです。几帳面で気遣いも出来る人ほど、その無理が祟って人と接するのを苦にするようになります。
後半で述べますが、誰にも会いたくないという状態になる人の特徴は、うつ病になりやすい傾向の人の特徴と酷似していることが解ります。まずはどのように心理状態が移っていくのかを考えます。
誰か助けてと思ったときはどうすればいい?に関する記事はこちら!
誰にも会いたくないと感じる時の心理とは?
誰にも会いたくないと感じる時の心理には、どんなことがあるでしょうか。主には精神的不安定とストレス過剰があるのですが、肉体的な問題が引き起こすこともあります。
いくつかの、典型的な例をあげてみましょう。
疲れていて何もしたくない・無気力
何よりもまず、肉体的に疲れていたり、無気力状態では誰にも会いたくないとなるでしょう。人と接するということは、少なからず気を遣う時間ですから疲労の極限では無理があるのが当然です。
何らかの原因で、無気力な状態にあっても、人と会うのは苦痛でしょう。それはストレスが原因かもしれませんし、うつ病の初期なのかもしれません。
誰とも関わりたくない・誰とも話したくない・引きこもりたい
他人から干渉されたくない気分が支配的になりますと、誰とも会いたくないと感じます。この心理状態は、ごく一時的に終息することもあれば、引きこもりにまで発展することもあり得ます。
人に会う事そのものが面倒で億劫で、関わるのも話すのも嫌な時があるものです。極端に「意欲低下」している時に、無理をしますとその分余計に心身とも疲労します。
こうした気分を自覚したなら、早めに元に戻れるよう、その時ばかりは人と会うのを避けてもよいでしょう。
会社に行きたくない・仕事をしたくない
会社に行くのが嫌で仕方ない事は、誰にでも何度か経験があるはずです。しかしこれが頻繁となると問題で、仕事そのものが嫌なのか、人間関係なのかはっきりさせた方が良いでしょう。
長い連休の後などは、どんな人でも会社に行くのが嫌なものですから、そう重要視しなくても良いですが。真面目な人ほど、「これは怠け癖だ」と自分を責めたりして悪化することがあります。
人に会いたくないのに一人でいると寂しい
孤独には慣れっこだったはずなのに、人に会って楽しく分かれた直後に何か寂しいと感じる多感な人もいるようです。孤独は嫌で人に会い、悪意を感じてはまた一人になる悪循環の堂々巡りをするのです。
もう、誰とも会いたくないと思いながら、それが寂しいという相反する気持ちのどちらも真実でしょう。こうした心理で揺れている人は、まず自分に自信を取り戻すことが先決です。
自分の精神状態に手を焼くようなら、カウンセリングを受けてみるのも一つの手でしょう。ちょっと無理することで改善する人もいますが、まずは自分を肯定して次に他人も肯定できるようにすべきです。
人に会うのが怖い
いわゆる「対人恐怖」という心理状態は、個人差が相当ありますが、敏感な人にとっては悩ましい問題です。対人恐怖での多くは、過去のトラウマが関連していることがあるようです。
具体的な記憶が残っていなくとも、体が心が覚えていることはあるでしょう。それは劣等感かもしれませんし、理不尽な幼児体験かもしれません。人が「恐い」ともしも思うなら過去を考えてみてもいいはずです。
今の人間関係をリセットしたい
積み重ねた人間関係を、いっそリセットしたいと願う人は多いです。それは仕事上かもしれませんし、交友関係かもしれません。何か自分が、こう在りたいと思う理想からズレた場合にはこの心理になります。
一気にそうなったわけでなく、徐々にそうなってしまった場合には微調整が困難なのでリセットしたいのです。
一人でいる方が楽
煩雑な人間関係の中で右往左往して疲れ切ってしまうよりは、いっそ一人でいることを選ぶ人は数多くいます。表面上は人と会うけども、私生活で誰とも会いたくないので一人の気楽さを選ぶのです。
働き方を選ぶ際にも、密な関係なしで成立する仕事を選ぶことも可能です。店員さんなどとの何気ないやり取り以外は、全て一人でいる方が圧倒的にラクだという心理状態は珍しくないのです。
人と会うことにメリットを感じない
人と接して意味や意義を感じず、まるでメリットを見いだせない超合理主義者もいるようです。普段、仕事で人と接することが少ない人に特徴的と言えそうです。例えば「デイトレーダー」などがそうです。
寝る間も惜しんでチャート画面だけを追って儲けを出すことが生業ならば、人と会っている時間などにメリットは皆無でしょう。対人関係から、何かの価値を見いだせない人は増えてきているのです。
誰にも会いたくないと感じる原因は?
では、誰とも会いたくないと感じるその原因にはどんなことがあるでしょうか。身体面、精神面、環境面などから、その原因の主たるものをあげてみます。
心身ともに疲れている
体はもちろん、心も疲れ果ててしまっては、誰にも会いたくないという心理になるのも無理はありません。仮にヤル気が起きたとしても、それを実行するだけの余力がありません。
無理をしてもうまくいかなかったり、結局自己嫌悪にしかならないかもしれません。
自分の現況を人に知られたくない
プライドの高い人ほど、現況が思わしくない時には誰にも会いたくないという心理になるでしょう。悪い面で人の噂になることを恐れ、陰口の対象になるなど耐えられないからです。
人目を気にするタイプの人もまた同様です。思わしくない状況が伝わり、対人関係が悪化することを避けたいと思うのです。
大き過ぎる落胆から立ち直れていない
例えば仕事上で、立ち直れないほどの大失敗をしてしまった時など、当面誰にも会いたくないと思う直接の原因になります。あるいは身近な人との死別などは、そう簡単には立ち直れるものではありません。
そうした大きすぎる落胆の際には、絶望と孤独が同居し、人と会って楽しく話をするなど無理というものです。無理をせず、まずは静かに自分の心が落ち着いてくるのを待つのが賢明でしょう。
職場の人間関係が劣悪である
職場の人間関係は、日々固定ですからこれが悪化し始めると誰にも会いたくない心理に陥ります。パワハラやセクハラなど、仕事が嫌になる原因はいくつも存在します。
また、そうでなくとも人手不足から残業を強いられることで疲弊することもあるでしょう。仕事に行くことが嫌になり、引きこもり傾向になると、うつ病の原因になったりもします。
生きる目的を見いだせない
人は何らかの目標や目的を達成するために生きています。しかし仕事にせよ人間関係にせよ、自分の存在が無価値で虚しく思える場合があります。それは日常生きる上で、慣れから生じるかもしれません。
自分の存在価値に疑問が生じ、生きる目的を見失うと、誰にも会いたくない心理状態になります。人と会うことにすらも、意味を見いだせないネガティブな精神状態に陥るのです。
周りに劣等感を感じている
人は常に、誰か他の人と自分を比べその優劣を感じて生きています。大抵は何かで優越意識を持てるのですが、劣等感が優位になってしまうと誰にも会いたくないと思うようになります。
誰かに会えば、劣等感が強まるばかりで、人と会うことが苦痛になるのです。この劣等意識は連続的に精神へダメージを与え、悪循環に陥ることが多いのです。外出すら嫌になるとうつ病一歩手前かもしれません。
外に出ると気を使いすぎて疲れる
外出することが、まず先に嫌で億劫になるケースもあります。自意識が強かったり、容姿に全く自身が持てないなど原因は様々です。しかし外出を拒む気持ちはそのまま人と会うことへの拒絶に繋がります。
社交性に自信が持てなかったりして、一歩外に出て人と関わることが苦痛になるのです。この傾向は放置すれば習慣化し、やがては外出の拒否、つまり引きこもりの原因となる場合があります。
月経周期によるホルモンバランスの変化
女性においては外して考えることのできない事情に生理があります。月経周期によってホルモンバランスが変動します。月経前に、誰にも会いたくないと感じる人はかなり多いようです。
これらは周期的なものですから、病的に扱わず、自分で把握していればやり過ごすことは可能でしょう。月経周期が不規則になりがちな女性では、それが困難で戸惑うこともあるようです。
妊娠中や産後に起きるうつ症状
月経以上に、遥かに大きく女性の精神状態に影響するのが妊娠です。これは妊娠中に起きる心理変化と、産後に顕著な情動不安定の両方があります。妊娠・出産においてはホルモン分泌に大きな変化があるからです。
妊娠中に、誰にも会いたくないと思う女性は非常に多いようです。ホルモンバランスもそうですが、生活のあらゆるシーンで変化があり制限が加わるのでむしろ当然の反応とも言えます。
出産後に関しては、「産後うつ」といううつ病の一種で、日本では出産後の女性の5%~10%もの人が悩まされる症状です。育児と直結する時期ですので、出来るだけ早めの対処が望まれます。
スピリチュアル的な意味がある場合も
スピリチュアルな解釈としては、今このあたりで「一旦休みなさい」というメッセージだと受け止める人もいます。気持ちも心も、今リセットすることで、無気力状態からの回復を促していると捉えるのです。
誰にも会いたくない時の対処法は?
では、誰にも会いたくないと思う時の対処法にはどんな方法があるでしょうか。多くの場合、ストレスが根本原因のことが多いので、ストレス解消法と同じ対処法が有効になるようです。
まずはゆっくり休む
何はともあれ、「まずゆっくり休む」ことに優る対処法はないでしょう。誰にも会いたくないと思うのは、過剰なストレスが原因とするなら、休むことが第一です。
こうした心理状態になるかどうかは個人差が非常にありますので、他人と比較して自分は怠けすぎなどと思わないことが肝要です。感受性には個人差があって当然なのです。
あるいは、肉体が屈強なことが自慢の方でもストレス耐性は別ですから、気づいたら早めに休息を取ることをお奨めします。
基本的な生活リズムを整える
心身共に「休める」ことが第一ですが、ただ休みっぱなしでも決め手に欠けます。基本的な生活のリズムを、健康的な状態に戻し整えることも同じように大切です。
向き不向きは一応ありますが、基本的に「朝型」の生活リズムに整えることが大切です。朝しっかり起きて、メラトニン分泌が促進されることで精神状態が整ってきます。
ゆったりとお風呂に入ってみる
お風呂を活用するのは身近な手段としては最大に有効です。この場合、シャワーのみではなく、温浴する方が効果が確実でしかも高いです。温浴で自律神経が調整され、心が穏やかになります。
また、血流が促進され循環器の働きが良くなり体調が整います。清潔になることで気分も晴れ、人と会うことへの抵抗も減るでしょう。ただし長湯はメリットが皆無なので、浸かる時間は20分までが適切です。
断捨離で過去との決別を試みる
断捨離を敢行して、自分の住環境がさっぱりすると確実に気分が晴れやかになると言われます。誰にも会いたくない原因の一つに、過去を引きずっている場合もあるからです。
モノで溢れかえった環境では、中々気分も優れないものです。無駄なモノを捨て去り部屋がきれいにもなりますから、一石二鳥の対処法と言えそうです。