東大ポポロ事件の概要は?論点をわかりやすく説明!裁判の判決は? 社会

東大ポポロ事件の概要は?論点をわかりやすく説明!裁判の判決は?

目次

[表示]

差し戻し後の判決は懲役6カ月と4カ月、執行猶予2年の有罪判決

qimono / Pixabay

差し戻しの結果、昭和41年9月14日の第一審で、学生らは有罪との判決が下り、控訴・上告も認められませんでした。

学生らは、れぞれ懲役6カ月と4カ月、年の執行猶予となりました。

この判決が出たころには、事件から14年が経過していました。

東大ポポロ事件について、裁判官の意見は?

Daniel_B_photos / Pixabay

東大ポポロ事件が最高裁で東京地方裁判所に差し戻しされた判決には、裁判官らの意見が大きく関わっています。

裁判官である入江敏郎、奥野健一、山田作之助、斎藤朔朗の共同補足意見と、垂水克己の補足意見、石坂修一の補足意見、横田正俊の意見がありました。

それぞれの裁判官の補足意見をご紹介しましょう。

最高裁の入江敏郎・奥野健一・山田作之助・斎藤朔朗の補足意見

stux / Pixabay

まずは、最高裁の入江敏郎、奥野健一、山田作之助、斎藤朔朗の4人の共同補足意見をご紹介します。

彼らは、学問の自由と集会・発表の自由、学生による警察官への暴行行為について意見しました。

学問の自由について

最高裁の入江敏郎、奥野健一、山田作之助、斎藤朔朗は、東大ポポロ事件における「学問の自由」についてこう述べました。

警察官が特に、警察官職務執行法(本件当時は警察官等職務執行法)6条所定の立入権の行使としてではなく、単に、警備情報の収集の目的を以つて大学の教育の場、学問の場に立ち入ることは、憲法23条の保障する学問の自由ないし大学の自治を侵す違法行為であるといわねばならない。

(引用:ポポロ事件)

集会の自由・発表の自由について

capotian / Pixabay

最高裁の入江敏郎、奥野健一、山田作之助、斎藤朔朗は、東大ポポロ事件における「集会の自由・発表の自由」について、こう述べました。

本件ポポロ劇団の集会は、原判決の認定事実によれば、反植民地闘争デーの一環として行なわれ、演劇の内容も裁判所に係属中の松川事件に取材し、開演に先き立ち右事件の資金カンパが行なわれ、更にいわゆる渋谷事件の報告もされたというのであつて、真に学問的な研究や、その発表のための集会とは認められない。

(引用:ポポロ事件)

警察官への暴行行為について

Comfreak / Pixabay

最高裁の入江敏郎、奥野健一、山田作之助、斎藤朔朗は、東大ポポロ事件における「警察官への暴行行為」についてこう述べました。

被告人は警察官が自発的に立ち去ろうとしているのに、無理に引き止めて、判示の如き暴力を加えたというのである。違法行為を排除するため、緊急にして必要已むを得ない行為であつたとは到底認めることはできない。

(引用:ポポロ事件)

裁判官・垂水克己の補足意見

Broesis / Pixabay

裁判官垂水克己の、学問の自由、大学の学問の侵害、学生の警察官への行為についての意見をご紹介しましょう。

学問の自由について

Wokandapix / Pixabay

裁判官の垂水克己は、東大ポポロ事件における「学問の自由」について、こう述べました。

演劇専門外の法学、理学、医学部等の学生がかような行為をすることは深い学問又は高い芸術の専門的研究ではない、と考える。

(引用:ポポロ事件)

大学における学問の侵害について

Pexels / Pixabay

裁判官の垂水克己は、東大ポポロ事件における「大学における学問の侵害」について、こう述べました。

刑事法上の教授、研究者らに対する暴行、共同暴行、脅迫、強要、住居侵入、傷害、業務執行妨害、詐欺、名誉毀損、物の隠匿、損壊等々の犯罪の形で行われる。貴重な学問的研究報告書を窃取する目的で、大学構内に紛れ込んだだけでは大学の自由は未だ侵されまい。

(引用:ポポロ事件)

警察官への行為について

裁判官の垂水克己は。東大ポポロ事件における「警察官への行為」についてこう述べました。

演劇の進行を妨げないよう静かに警察員に質し、理由を告げて退場を求め、或いは大学当局に急報して適切な措置を求めるに止めるべきであつた。にも拘わらず、若し起訴状記載の行為に出でたものとすればこれこそ最高学府に相応しくない、学生自身による暴力犯罪であるといわねばならない。

(引用:ポポロ事件)

裁判官・石坂修一の補足意見

TeroVesalainen / Pixabay

裁判官石坂修一の、学生の警察官への暴行行為について、学問の自由・大学の自治について、警察官の介入への対応についての補足意見をご紹介します。

警察官への暴行行為について

Ella_87 / Pixabay

裁判官の石坂修一は、東大ポポロ事件における「警察官への暴行行為」についてこう述べました。

犯罪を共同する意思があつたか否かについて審理を尽し、共同の罪責に帰するものがあるとすればその具体的事実関係を明らかにすべきである。被告人が他の行為者と共同する意思の下に犯罪を行つたことを確認すべき何等の証拠もない

(引用:ポポロ事件)

学問の自由・大学の自治について

12019 / Pixabay

裁判官の石坂修一は、東大ポポロ事件における「学問の自由・大学の自治」についてこう述べました。

教室を借受けた目的は、真に、憲法の保障する「学問の自由」及びこれに由来する「大学の自治」の範囲に属する研究集会のため使用するにあつたのではなくして、実社会の政治的、社会的活動に当る行為としての公開集会を開催するため使用するにあつたものであるとの認定判断に到達する

(引用:ポポロ事件)

警察官の介入に対する防衛について

fsHH / Pixabay

裁判官の石坂修一は、東大ポポロ事件における「警察官の介入に対する防衛」についてこう述べました。

警察官により違法な学内立入が行われたとしても、既に過去の行為に属し、法益に対する侵害は終了しておるのであるから、これに対する侵害排除行為を認め得る余地がない。

(引用:ポポロ事件)

裁判官・横田正俊の意見

goranmx / Pixabay

裁判官横田正俊の、学問の自由・大学の自治について、警察官の活動について、大学側の認識についての意見をご紹介します。

学問の自由・大学の自治について

Free-Photos / Pixabay

裁判官の横田正俊は、東大ポポロ事件における「学問の自由・大学の自治」についてこう述べました。

学生の活動が大学の権限と責任の下におかれている範囲においては、大学の自主性を尊重し、これに対する外部からの干渉は、できうるかぎりこれを排除すべきであるというのが、大学の自治の本義である

(引用:ポポロ事件)

警察官の活動について

shpoks / Pixabay

裁判官の横田正俊は、東大ポポロ事件における「警察官の活動」についてこう述べました。

学内に対する警察権の行使、ことに警備情報活動は、他の場合に比較して、より慎重にこれを行い、必要の限度をこえないことが強く要請されるのである。

(引用:ポポロ事件)

大学側の認識について

Free-Photos / Pixabay

裁判官の横田正俊は、東大ポポロ事件における「大学側の認識」についてこう述べました。

劇団ポポロの実体、本件集会の真の目的、その現実のあり方、許可に際し大学当局はこの集会の目的、内容をどのように理解していたか等本件集会の実態を明らかにするために必要な事項に関し審理又は判断をよく尽していないうらみがあることを否みえない

(引用:ポポロ事件)

事件のその後!東大ポポロ事件に対する世間の反応は?

stevepb / Pixabay

東大ポポロ事件が最高裁で差し戻しされ、第一審で出された判決は、世間を大きく騒がせました。世間では学生側を支持する人も多く、学生が有罪という判決に納得のいかないという批判の声も多数ありました。

事件の判決に対しては、批判の声も?

sasint / Pixabay

世間では、東大ポポロ事件の裁判の「学生が有罪」という判決に対し、批判の声も多くありました。

警察が長期にわたって情報収集活動をしていたことが考慮されていない、大学が教室の使用を許可したうえで、演劇が行われていたことを尊重していない、などの批判の意見がありました。

東大ポポロ事件は合憲の判例?

succo / Pixabay

憲法第23条では、学問の自由と大学の自治は保障されていますが、今回の事件はポポロ劇団の演劇は学問の発表ではなく、政治的社会的な活動で、その集会であったと判断されました。

そのため、警察の侵入は大学の自治を侵害するものではない為、被告人に有罪判決を下しました。

このことから考えて、東大ポポロ事件の判決は合憲の判例だったといえるでしょう。

東大ポポロ事件の加害者学生の1人は千田謙蔵?

StockSnap / Pixabay

東大ポポロ事件では、警察官に暴行を加えた2人の学生が起訴され、それぞれ懲役6カ月と4カ月、執行猶予2年の刑が下されました。

この加害者の学生の1人は福井駿平、そしてもう1人は千田謙蔵でした。

千田謙蔵の現在は?

Free-Photos / Pixabay

千田謙蔵は、東大ポポロ事件後昭和46年から平成3年まで、社会党で秋田県横手市で市長を5期にわたって務めていました。

2008年には、「政党政派をこえ、九条を守る」という目的をかかげ、「憲法九条を守る秋田県市町村長の会」という会を結成しました。

このことからも、千田謙蔵は東大ポポロ事件でも問題となった、政治的社会的思想が強い人だったということがわかります。

東大ポポロ事件の類似事件まとめ!

stevepb / Pixabay

実は、東大ポポロ事件のように、学問の自由や大学の自治をの問題で、警察と学生が争うという事件は他にも発生しています。

特にこのような事件は昭和時代に多かったのですが、昭和時代だけでなく、実は近代でも同じような事件が起こっているんです。過去に起こった東大ポポロ事件時類似した事件を、ご紹介していきましょう。

NEXT:愛知大学事件
2/3