東大ポポロ事件の概要は?論点をわかりやすく説明!裁判の判決は? 雑学・ライフスタイル

東大ポポロ事件の概要は?論点をわかりやすく説明!裁判の判決は?

東大ポポロ事件は、ポポロ劇団が松川事件をテーマに上演中、無断で学内に侵入していた警官に学生が暴行行為を行ったという事件です。裁判では、学問の自由などに論点を置き、争われました。この事件の概要や、判決は合憲なのかなどを、わかりやすくまとめてみました。

目次

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東大ポポロ事件とは?事件の概要

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東大ポポロ事件は、東京大学の学生が大学内に侵入した警察官を拘束し、暴行をという事件です。しかし、この暴行には学生側にも主張があり、一概に学生側に非があるともいえません。

事件が発生した時は、「ポポロ劇団」という公認学生団体の演劇の上演の真っ最中でした。当時彼らは、松川事件をテーマに上演していました。

警察官が大学内に侵入した理由には、この松川事件という上演のテーマが大きき関わっていました。

東大ポポロ事件は、大学の自治を守るため学生が警官に暴行した事件

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東大ポポロ事件とは、東京大学の公認学生団体「ポポロ劇団」が演劇の発表中に、学生が私服警官を拘束したのち、暴行を加えた事件です。

学生らは大学の許可を経て演劇の発表を行っていましたが、その会場に警察官が無断で侵入して調査をするというのは大学の自治を犯す行為だということで、自治を守るため暴行を行ったようです。

事件が起きた「ポポロ劇団」とは?

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事件が起きたポポロ劇団とは、演劇を主体として活動していた東京大学の公認学生団体です。事件当時は、政治的社会的な内容を含む松川事件をテーマとしていました。

警察は、この演劇のテーマに危険性があると察知して、事件が起こる1年以上前に捜査に乗り出したようです。

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東大ポポロ事件の詳細

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東大ポポロ事件は、学生が大学内に不法侵入した警察官に暴行行為を拘束し、暴行行為を行ったという事件です。

学生側や警察側にも様々な意見があり、その裁判の行方には世間の人も注目し、大きく騒がせました。

東大ポポロ事件の概要を、ご紹介していきましょう。

事件が起こったのは1952年2月20日、東京大学のポポロ劇団の上演中

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東大ポポロ事件が起こったのは、1952年の2月20日でした。東京大学本郷キャンパス法文教25番教室で、公認学生団体であるポポロ劇団が演劇を上演している最中でした。

この上演は、大学の許可を経て上演していたものでした。

ポポロ劇団が上演を行っていたテーマは松川事件

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事件が起こった当時のポポロ劇団は、政治的社会的な内容のある松川事件のテーマで上演していました。

警察官が学内に無断侵入したのは、この演劇のテーマに危険性を感じたことが理由でした。

松川事件の概要は?

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松川事件は、1949年8月17日に福島県の日本国有鉄道東北本線で起きた、列車の往来妨害事件です。容疑者は逮捕されたものの、裁判で全員に無罪判決が出て、真犯人の逮捕には至らず、未解決のまま終わりました。

この事件では、49歳の機関士、27歳の機関助士、23歳の機関助士の3名が死亡しています。線路の継目部分のボルトとナットが緩められていて、レールの1本が外されているという人為的な事故でした。

別件逮捕された少年が自供し、共犯者ら計20名が逮捕されましたが、アリバイにより死刑判決から無罪になりました。松川事件は、下山事件、三鷹事件と並び、「国鉄三大ミステリー事件」と言われています。

上演中、学生が本富士警察署の私服警官4名を発見し3名を拘束

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ポポロ劇団の上演中に、学生らは観客の中に警察官が紛れ込んでいることに気が付き、本富士警察署の私服警官4名のうちの3名の身柄を拘束しました。

この時警官らは発見されたことに気づき、離脱しようとしていました。

学生らは警察手帳を奪い、謝罪文を書かせ暴行

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離脱しようとしていた警察官を拘束した学生らは警察手帳を奪い、大学内に無断で侵入、調査していたことの謝罪文を書かせました。その後、怒りのおさまらない学生らは拘束した警察官に対し、暴行を加えました。

学生らが奪った警察手帳は、東京大学の決議で警察に返還されました。

学生らは大学の許可を経て上演していた

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東大ポポロ事件が起きた時に上演していたポポロ劇団は、大学の許可を経たうえで上演していました。

しかし、そこに警察官が侵入してきたことで、大学の自治を犯されたと思い、暴行を加えるまでに至ったようです。

私服警官らは1950年7月以降から学生の思考動向を調査していた

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学生らが警察から奪った警察手帳のメモによると、少なくとも事件が起こるより1年以上前の、1950年7月以降から、東大内を張り込み、尾行などをして学生の思考動向を調査していたことがわかりました。

自分たちの気づかない間に警察が何度も大学内に無断侵入し、調査されていたこと、大学の自治を侵されてていたことを知った学生らは、怒りが抑えられなくなり、暴行を加えるまでなってしまったのかもしれません。

私服警官に暴行した学生2名が起訴へ

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東大ポポロ事件では、「暴力行為等処罰ニ関スル法律」によって、警察に暴行を加えた学生2人が起訴されました。

その後彼らの裁判は世間も大きく注目し、東大ポポロ事件での様々な問題について、議論されることになります。

東大ポポロ事件のポイント・裁判での論点は?

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東大ポポロ事件の裁判では、判決を下すため様々な論点について議論されました。主な論点としては、学問の自由と大学の自治、政治的社会的活動と学問研究・発表の区別、警察の介入などです。

それぞれの論点について、その内容とこの事件でのポイントを詳しくご紹介します。

裁判の論点は?①学問の自由と大学の自治

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東大ポポロ事件の裁判の論点は、まず学生らの学問の自由と、大学の自治において、憲法上保障されているのに、警察が介入してきたことにありました。

東大ポポロ事件において、ポポロ劇団の発表には学問の自由と大学の自治は保障されないのか、警察の行為はそれを侵害するものではないのかなどが議論されました。

学問の自由とは?

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学問の自由とは、外部から干渉や介入を受けないで研究や講義を学ぶことができる自由があるということを意味しています。

東京大学の学生らはこの思想が強く、警察が介入してきたことに過剰に反応し、暴行年9るまでに至ったともいわれています。

大学の自治とは?

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大学の自治は、上層部の人間が警察の介入があることを見張っていなかったり、学生の要求している内容を本当に理解して許可を出したのかなどの管理が行き届いていないという可能性もありました。

このように、大学の管理体制がしっかりしていなかったことも、東大ポポロ事件の原因のひとつともいえます。

今回の事件におけるポイントは?

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政治性が強い集会活動をする場合は大学の学問の自由や自治が享有・保障されず、警察が介入しても問題ないということがポイントです。

しかし、他の学生や世間では、この判決に納得していない声も多くありました。

裁判の論点は?②政治的社会活動と学問的研究・発表の区別

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東大ポポロ事件の裁判では、政治的社会的活動と学問的研究、発表の区別が難しいことにも論点が向けられてしました。

ポポロ劇団の松川事件をテーマとした演劇が、政治的社会的活動だったのか、学問の発表だったのかが、裁判の判決を大きく左右することになります。

政治的社会活動の定義は?

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政治的社会的活動の定義は、政治的社会的な思想を広め、国家などに反発することを目的とした活動です。

今回の東大ポポロ事件では、ポポロ劇団の観客には大学の関係者以外にも多くいたことから、この政治的社会的活動の集会であったと判断されました。

学問的研究・発表の定義は?

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学問的研究・発表は、憲法によってその自由が保障されており、学問として研究し、学んだことを発表することです。

今回の東大ポポロ事件では、学生側はポポロ劇団が松川事件をテーマに上演したことも、学問として学んだことであり、それを発表しただけであると主張しました。

今回の事件におけるポイントは?

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ポポロ劇団が上演した松川事件の演劇は、学問としても発表だったのか、政治的社会的な活動だったのかというところにポイントがありました。

今回の事件での上演は、学問の研究や発表のためではなく、政治的社会的な活動の集会であると判断されたことから、学問の自由や大学の自治は保障されないと判決が下りました。

裁判の論点は?③警察の介入

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東大ポポロ事件での裁判の論点で、警察の介入も大きく議論されました。本来であれば大学内では大学の自治が保障されているので、そこに警察が介入したことに判決は大きく左右されました。

事件における警察の活動・行動は?

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東大ポポロ事件では、警察は学生らの思考動向を調査するため、捜査のために、大学内に違法な侵入をしていました。

警察は捜査のためでも大学に入ってはいけないのか?

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本来大学には、憲法上で大学の自治が保証されていて、大学内では人事や施設、学生の管理などについて、国家権力から干渉を排除することができます。

そのため、いくら捜査のためだからどこにでも警察官が入って良いというわけではありません。

しかし、犯罪捜査のためであれば、違法な手続きで学内に警察が侵入することも許可されています。

東大ポポロ事件の裁判の判決は?学生が有罪に

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東大ポポロ事件の裁判では、第一審、第二審までは学問の自由と大学の自治が尊重され、学生が無罪という判決が出ていたものの、結果的には学生が有罪という判決で幕をおろしました。

裁判ではどのような争いが繰り広げられていたのでしょうか。その内容や有罪の判決に至るまでをご紹介していきましょう。

裁判の判決は?第一審では学生が大学の自治を守るための行為として無罪判決

東大ポポロ事件の裁判の第一審は、昭和29年5月11日に判決が下りました。

第一審では、警察官への暴行は東京大学の学生が大学の自治を守るために行ったものとして、学生が無罪となりました。

憲法上でも学問の自由と大学の自治は保障されているため、学生らが取った行動は正当であるとの判決でした。

第二審でも第一審を支持し無罪判決

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東大ポポロ事件の裁判の第二審は、昭和31年5月8日に判決が下りました。

第二審でも、第一審を支持して学生が無罪となりました。しかし、納得のいかない警察側はこの判決を検察が上告し、最高裁が行われることとなりました。

最高裁では原審を破棄、東京地方裁判所に審理差戻し?理由は?

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最高裁では、なんと原審を破棄し、審理を東京地方裁判所に差し戻しました。

理由は、今回の事件の原因となったポポロ劇団の上演は学問の研究や発表目的ではなく、政治的社会的な活動で、その集会であったために、学問の自由と大学の自治が認められないというものでした。

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