
姉歯事件とは?関係者や姉歯物件の現在は?偽装はなぜ無くならない?
目次
[表示]- 01.
姉歯事件とは?事件の概要
- 01.1.
姉歯元一級建築士の構造計算書偽造が発覚した一連の事件
- 01.2.
個人犯罪として懲役5年、罰金180万円の実刑判決
- 01.3.
地震大国の日本において大きな社会問題に!「殺人マンション」とも
- 01.4.
ウェブサイト「きっこの日記」で情報が流れ、政治家との癒着が疑われた
- 01.5.
その後、札幌や京都でも偽装が発覚!さらに波紋を呼ぶことに
- 01.6.
事件以降は建築業界に悪いイメージがつきまとい、多大な影響を及ぼした
- 01.7.
ネットでは生活のための苦肉の策だったかと噂されている
- 01.8.
姉歯秀次は創価学会員?裏で創価学会が動いた?
- 01.9.
いまだに真相は謎という見方も
- 01.10.
関連する記事はこちら
- 02.
事件の中心人物として逮捕された姉歯秀次の現在は?
- 02.1.
姉歯秀次のプロフィール
- 02.2.
姉歯秀次の経歴は?
- 02.3.
送検されるときの容貌から、かつらも話題になった姉歯秀次
- 02.4.
事件の際、一級建築士の資格は剥奪されている
- 02.5.
現在、姉歯秀次は刑期を終え出所しているが足取りはつかめない
- 02.6.
出所したのはいつ?2011年
- 02.7.
姉歯秀次の現在の年齢は?
- 02.8.
今は生活保護を受けて暮らしているのではないかという噂も
- 02.9.
事務所の電話番号は削除されている?
- 03.
姉歯秀次の家族は、現在どうしている?
- 03.1.
妻は騒動の最中、マンションから飛び降り自殺
- 03.2.
マスコミに嘘の報道をされたことが引き金になったとも
- 03.3.
息子が2人いるが現在は当時の自宅には住んでいない
- 03.4.
「姉歯」という名字で肩身の狭い思いをしている人もいる?
- 03.4.1.
「姉歯」はどれくらい珍しい名字なの?
- 03.5.
姉歯家族はその珍しい名字をすでに捨てているという噂も
- 04.
姉歯事件の時系列
- 04.1.
2005年10月、施工予定だった「グランドステージ北千住」の異常が判明
- 04.2.
11月17日、国土交通省が姉歯元一級建築士による偽造を公表
- 04.3.
11月27日「森田設計事務所」代表取締役社長の自殺が発覚
- 04.4.
11月~翌1月、衆院国交委による参考人招致および証人喚問が行われる
- 04.5.
12月19日「きっこの日記」が馬淵事務所からのメールを公開
- 04.6.
2006年2月、ヒューザーの破産手続きが開始、宅地建物取引業免許を取り消し
- 04.7.
3月29日、姉歯元一級建築士の妻が自殺
- 04.8.
4月26日、警視庁が関係者をそれぞれ逮捕、容疑者全員が起訴される
- 04.9.
5月17日、ヒューザー社長が詐欺容疑で逮捕、木村建設社長も再逮捕される
- 04.10.
6月22日、姉歯元一級建築士の再逮捕、26日に追送検、起訴される
- 04.11.
7月7日、イーホームズ社長の初公判で耐震強度偽装は否定
- 04.12.
8月7日、木村建設元東京支店長の初公判では起訴事実を全面的に否定
- 04.13.
9月6日、姉歯元一級建築士の初公判で起訴事実を認める
- 04.14.
9月7日、木村建設元社長の初公判で起訴事実を認めるも詐欺は否定
- 04.15.
10月5日、ヒューザー元社長の初公判で起訴事実を全面否定
- 04.16.
10月18日、イーホームズ社長が懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決に
- 04.17.
10月19日、イーホームズ社長は首相官邸を訪れたが安倍首相との面会はできず
- 04.18.
10月20日、イーホームズ社長が「きっこの日記」でメッセージを公表
- 04.19.
11月1日、木村建設元東京支店長に懲役1年・執行猶予3年の有罪判決
- 04.20.
12月26日、に懲役5年・罰金180万年の実刑判決が言い渡される
- 04.21.
2007年1月8日、姉歯元一級建築士が東京地裁の判決に対して控訴
- 05.
姉歯事件関係者の起訴事実とその判決
- 05.1.
姉歯元一級建築士の起訴事実とその判決
- 05.2.
木村建設元社長の起訴事実とその判決
- 05.3.
木村建設元東京支店長の起訴事実とその判決
- 05.4.
イーホームズ社長の起訴事実とその判決
- 05.5.
ヒューザー元社長の起訴事実とその判決
- 06.
同時期に起こった別建築士の偽装に関する報道
- 06.1.
2006年3月7日、札幌市の建設中マンションで偽装が発覚
- 06.2.
2007年1月25日、京都のアパホテルで耐震偽造が発覚
- 07.
姉歯元一級建築士実刑判決後の民事訴訟
- 07.1.
「センターワンホテル半田」が県や会社に対して損害賠償を求め民事提訴した
- 07.2.
2009年2月24日、行政側の過失が認められる
- 07.3.
2010年10月29日、名古屋高等裁判所が総研の単独責任として賠償を命令
- 08.
東日本大震災でも姉歯物件は倒壊しなかった?
- 08.1.
手抜きの天才とも揶揄される姉歯元一級建築士
- 08.2.
東日本大震災のとき、姉歯物件は無事だった
- 08.3.
現在も解体されず残っているマンションが存在する
- 09.
姉歯事件の関連マンション・関係者のその後
- 09.1.
「グランドステージ藤沢」は藤沢市が一部費用を負担し2010年に工事終了
- 09.2.
ヒューザー元社長の小嶋進は不動産会社に務め始めた
- 09.2.1.
現在は太陽光発電事業を行っている?
- 10.
姉歯事件が日本に与えた強いインパクト
- 10.1.
建築基準法が厳格化・法改正された
- 10.2.
姉歯秀次の妻の死亡に関係したといわれるマスコミの過熱報道への問題提起
- 11.
国交省を厳しく批判するヒューザー元社長
- 11.1.
当時、姉歯秀次への怒りはわいてこなかったという
- 11.2.
問題は民間検査機関や国交省だという
- 11.3.
国交大臣認定のプログラムに欠陥あり
- 11.4.
ヒューザー元社長は国の責任を訴え続けている
- 12.
姉歯事件関連動画集
- 12.1.
「強度偽造物件の実態検証事例〈姉歯事件〉」
- 12.2.
「平成18年01月19日 国土交通委員会」
- 12.3.
「姉歯秀次元建築士へ単独インタビュー(2005年)」
- 12.4.
「耐震偽造事件ヒューザー」
- 13.
姉歯事件当時だけではない耐震偽装問題
- 13.1.
1996年竣工の「新生マンション花畑西」の耐震偽造による行政訴訟
- 13.2.
2007年、アパホテルの耐震偽造問題
- 13.3.
2015年、トーヨーゴム工業のデータ改ざん問題
- 13.4.
2018年、KYBの過去15年もの改ざん発覚
- 14.
なぜ起こる?過去にあった様々な偽装問題
- 14.1.
ミートホープ・食肉偽装問題
- 14.2.
ips細胞実用論文の偽装
- 14.3.
旧石器捏造事件
- 15.
姉歯事件の真相とは?
2005年10月、施工予定だった「グランドステージ北千住」の異常が判明
2005年10月、東京都足立区に建設予定であったグランドステージ北千住の施工会社が、図面と構造計算書に対して疑問を持ち、アトラス設計に確認を依頼。
結果、使用される鉄骨の量が国土交通省の安全基準を下回っていたことが判明し、アトラス設計が建築物の構造確認を行っていたイーホームズに、耐震強度の偽装が行われていることを伝えました。
そして同月中にイーホームズはこの旨をグランドステージを建設した不動産会社、ヒューザーの代表である小島進氏に報告し、ヒューザーとイーホームズ間で構造文書の偽造について協議が行われました。
11月17日、国土交通省が姉歯元一級建築士による偽造を公表
2005年11月17日、国土交通省が姉歯元一級建築士が構造計算書の作成を手掛けた図面において、構造計算書の偽造があったことを公表しました。
この時、姉歯元一級建築士は不動産開発業者のヒューザー、不動産販売会社のシノケン、建設会社の木村建設らから、コストカットのために耐震強度の偽装を迫られたと述べています。
11月27日「森田設計事務所」代表取締役社長の自殺が発覚
2007年11月27日、ヒューザーから神奈川県内のマンション2棟の設計を依頼され、その構造計算書の作成を姉歯元一級建築士に委託していた、森田設計事務所の森田信秀社長が自殺をしました。
森田社長の遺体は鎌倉海浜公園の岩場にて発見され、海岸上の17m程の崖から身を投げたものと見られています。
11月~翌1月、衆院国交委による参考人招致および証人喚問が行われる
2005年11月29日から国土交通委員会において、事件の証人喚問が開始されました。参考人として出席したのはヒューザー、イーホームズ両社の社長と、木村建設の社長と東京支社長でした。
この日、姉歯元一級建築士は欠席。さらには構造文書の偽造を告発したイーホームズの藤田社長をヒューザーの小嶋元社長が恫喝する場面があり、小嶋氏の当事者意識の低さを疑問視する声も上がりました。
また3回目の参考人招致で姿を見せた姉歯元一級建築士も、木村建設の指示で耐震構造の偽装をしたと証言し、関係者同士のいがみ合いが続きました。
12月19日「きっこの日記」が馬淵事務所からのメールを公開
2005年12月19日、この事件について関係者しか知り得ないような情報を知っていると目されてきたきっこ氏が自身のブログにて、馬渕澄夫代議士(民主党)とやり取りをしていたことを明かしました。
そして、この時にきっこ氏は馬淵氏の事務所から送られたとするメールを公開し、馬淵代議士サイドもきっこ氏と協力して事件の真相に迫る旨の発言をしました。
しかし実際にきっこの日記に載せられていた内容は事実と異なるものばかりで、馬淵代議士もきっこ氏に利用されたと述べています。
2006年2月、ヒューザーの破産手続きが開始、宅地建物取引業免許を取り消し
2006年2月16日、構造文書が偽造されていたマンションの建築主であったヒューザーが東京地裁に申し出て、破産の手続きを開始しました。
当時、ヒューザーが損害賠償として支払うことが義務付けられた金額は、判明しているだけで130億円に上り、同社の資産状況から見て103億円者債務超過であったと言います。
このことからヒューザーは倒産、破産手続きを開始し、宅地建物取引業法違反があったとして宅地建物取引業免許も剥奪されました。
3月29日、姉歯元一級建築士の妻が自殺
報道が過熱する中で、2006年3月29日に姉歯元一級建築士の妻が死亡しました。
遺書が残されておらず、口封じのための他殺では?とも囁かれましたが、警察は事件性は見られないとして姉歯元一級建築士の妻の死を自殺として処理しています。
4月26日、警視庁が関係者をそれぞれ逮捕、容疑者全員が起訴される
2006年4月26日、警視庁は建築法違反幇助で姉歯元一級建築士を、電磁的公正証原本不実記載でイーホームズ藤田社長を、建設業法違反で木村建設の木村社長と東京支部の支店長を逮捕しました。
この逮捕は耐震強度の偽装とは関係のない罪状でのもので、全員起訴されました。
5月17日、ヒューザー社長が詐欺容疑で逮捕、木村建設社長も再逮捕される
次いで5月17日には、構造文書の偽造があったことを知りつつも、グランドステージ藤沢などの建物を引き渡したとして、ヒューザーの元社長である小嶋氏を詐欺罪で逮捕しました。
同様に詐欺罪で、木村建設の木村社長も再逮捕されました。
6月22日、姉歯元一級建築士の再逮捕、26日に追送検、起訴される
6月22日に姉歯元一級建築士がグランドステージ藤沢とサンホテル奈良の2件の建物について、構造計算書を偽造したとして建築基準法違反の容疑で再逮捕、同月の26日に追送検しました。
このことは今回の事件で初となる耐震強度の偽装に関する罪状での逮捕であり、姉歯元一級建築士は刑事責任を問われることとなりました。
7月7日、イーホームズ社長の初公判で耐震強度偽装は否定
7月7日にはイーホームズの藤田社長に対する初公判が行われました。藤田社長は、電磁的公正証書原本不実記録については容疑を認めつつも、構造文書の偽造への関与は否定。
そして耐震強度の偽造の見逃しは自治体も行っていたことであり、イーホームズだけが責任を負わされるのはおかしいと主張しました。
8月7日、木村建設元東京支店長の初公判では起訴事実を全面的に否定
8月7日には木村建設の篠塚元東京支店長の初公判が行われました。
飯塚氏は4月の逮捕時点で心労から激やせと報じられていましたが、そこからさらに30kg近く体重が落ち、傍聴人が驚くほどの憔悴ぶりだったと言います。
しかしながら、はっきりとした口調で粉飾決算の事実があったことは知らなかった、と容疑を否認。耐震強度の偽装についても、無関係であることを主張しました。
9月6日、姉歯元一級建築士の初公判で起訴事実を認める
9月6日には、姉歯元一級建築士に対する建築基準法違反の罪での初公判が行われました。
この時に検察側は、姉歯元一級建築士が1996年頃から構造文書を巧みに偽造することで収益を得ていたこと、人命を軽視していたことなどを認めていたと述べています。
姉歯元一級建築士も罪状認否で、大筋で起訴事実を認めることとなりました。
9月7日、木村建設元社長の初公判で起訴事実を認めるも詐欺は否定
9月7日に行われた初公判で、木村建設の木村社長が粉飾決算による建設業法違反の起訴事実を認めました。
しかし構造文書の偽造があったことは知らなかったとして、詐欺罪については容疑を一貫して否認していました。
10月5日、ヒューザー元社長の初公判で起訴事実を全面否定
10月5日、ヒューザー元社長の小嶋氏の初公判が行われました。小嶋氏は耐震強度の偽装については一切知らされていなかったとして、詐欺罪を否認。
しかしながら、グランドステージ藤沢などのマンション住民やオーナーに対しては、公判の場で謝罪をしました。
これに対して検察側は、小嶋氏がグランドステージ藤沢の引渡し前に、姉歯元一級建築士が他の建物で構造文書の偽造をしていたことを知っていたとして、刑事罰での処分相当と主張をしました。
10月18日、イーホームズ社長が懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決に
10月18日、イーホームズの藤田社長に対して懲役懲役1年6月(執行猶予3年)の判決が言い渡されました。これはイーホームズの行った架空増資・電磁的公正証書原本不実記録に対するものです。
藤田社長は一貫して姉歯元一級建築士の構造文書の偽造には関わっていないことを主張し、これが認められた判決とも言えます。
藤田社長は控訴せずに罪を認めるとしながらも、偽造が行われないようにするためには、国の管理体制を整える必要があると苦言を呈しました。
10月19日、イーホームズ社長は首相官邸を訪れたが安倍首相との面会はできず
10月19日にはイーホームズの藤田社長が、アパホテルグループの建物にも耐震強度の偽装がなされているとして、首相官邸を訪れ、安倍首相との面会を望みました。
しかしこれは叶わず、藤田社長が持参した偽装物件についてまとめた告発文は内閣府預かりとなりました。
10月20日、イーホームズ社長が「きっこの日記」でメッセージを公表
10月20日、安倍首相との面会が叶わなかった藤田社長はきっこの日記内に、神奈川県川崎市のエグゼプリュート大師駅前の構造計算図書が、偽造されていることを告発する内容の投稿をしました。
そしてこの件は川崎市と国土交通省が偽装を知りつつも目をつぶっていたと糾弾し、安倍首相に直接事件を調べて欲しいとする要望が、同ブログ内には綴られていました。
しかし、この時すでにきっこの日記は事実無根のことを扱うブログという認識であったため、藤田社長の告発文が大きく報道されることは無かったと言います。
11月1日、木村建設元東京支店長に懲役1年・執行猶予3年の有罪判決
11月1日、木村建設の篠塚元東京支店長に、懲役1年(執行猶予3年)の判決が言い渡されました。この判決は貸借対照表に虚偽の記載をしたという、粉飾決算による建設業法違反に対するものです。
検察側は粉飾決算をしなければいけない程、債務に苦しんでいた木村建設がコストカットのために耐震強度の偽装に手を染めた、と主張しましたが、木村建設はこの件に関して責任はないと断定されたのです。
12月26日、に懲役5年・罰金180万年の実刑判決が言い渡される
12月26日、姉歯元一級建築士に懲役5年(執行猶予なし)、罰金180万円の実刑判決が下されました。姉歯事件に関連した人物の中で有罪判決を言い渡されたのは、姉歯元一級建築士を含めて4人存在します。
しかし、構造文書の偽造について有罪となったのも、執行猶予がつかなかったのも、姉歯元一級建築士のみという結果になりました。
2007年1月8日、姉歯元一級建築士が東京地裁の判決に対して控訴
姉歯元一級建築士は判決が言い渡された翌年の2007年1月8日に、一審の判決を不服として東京高等裁判所への控訴をしました。
しかし2008年2月19日には東京高等裁判所はこれを棄却しており、姉歯元一級建築士側は執行猶予を求めていましたが、訴えは認められませんでした。
そしてこれを受けて姉歯元一級建築士は、拘置所から刑務所へ移送されることとなり、姉歯事件は幕を下ろすこととなったのです。
姉歯事件関係者の起訴事実とその判決
姉歯事件の裁判の流れについて紹介致しました。ここでは姉歯事件に関わったとされ、証人喚問をされた5人の人物に下された判決について、分かりやすく一覧で紹介していきます。
姉歯元一級建築士の起訴事実とその判決
姉歯秀次元一級建築士による耐震偽装事件#写真で振り返る平成 pic.twitter.com/twLpd1hMWG
— 弓木沼のみっちゃん (@ayane_AYN46) April 1, 2019
公判で唯一、グランドステージなどの建物の構造文書の偽造・建築基準法違反の罪に問われたのが、姉歯元一級建築士でした。
判決は検察側の求刑通り懲役5年及び罰金180万円の実刑判決であり、執行猶予はありません。
裁判を担当した東京地方裁判所の川口政明裁判長は、全く反省が見られない、自分が被害者であるように振る舞い、悪質な印象を受けたと姉歯元一級建築士を厳しく糾弾しました。
木村建設元社長の起訴事実とその判決
https://twitter.com/condor_kun/status/919500216839036928木村建設の木村社長の起訴事実は粉飾決算による建設業法違反となり、構造文書の偽造については事実を知りながらも物件を販売したとして、詐欺罪でも有罪判決を受けました。
懲役3年、執行猶予5年という判決が下され、執行猶予が付いた理由は、木村建設が破産宣告を受けるなどの社会的制裁を受けており、反省が見られたためとされます。
木村建設元東京支店長の起訴事実とその判決
木村建設 支店長 pic.twitter.com/SxuQubKouS
— ハチタク (@XVYY7ieYZoDfl9N) June 29, 2019
木村建設の篠塚元東京支店長に対しては、懲役1年(執行猶予3年)の判決が言い渡されました。この判決は粉飾決算による建設業法違反に対するものであり、当初飯塚氏は関与を否認していました。
しかし、検察側の調べで売り上げの前倒しを社員に指示していたことなどが判明しており、積極的に粉飾決算に関わっていたとされます。
構造計算文書の偽造に関しては、関係性が認められないとして罪を問われることはありませんでした。
イーホームズ社長の起訴事実とその判決
イーホームズ社長 pic.twitter.com/m0toeh7VaV
— ハチタク (@XVYY7ieYZoDfl9N) June 29, 2019
イーホームズの藤田社長に対しては、架空増資・電磁的公正証書原本不実記録の罪で、懲役懲役1年6月(執行猶予3年)の判決が言い渡されました。
検察側はイーホームズの利益重視の姿勢を、耐震強度の偽装と関連付ける主張をしましたが、判決ではこれは認められず、架空増資についてのみ裁かれました。
ヒューザー元社長の起訴事実とその判決
うおーー俺たちの小嶋シャッチョ(exヒューザー)や!「国交省もいいかげんにしてほしいですねまったく」って息巻いていた頃と違っってだいぶ丸くなってるけどやっぱり不動産業界にいるんだね。 pic.twitter.com/Off5eaKY00
— 5fret(ごふれっと) (@5fret) April 30, 2019
ヒューザー元社長の小嶋氏に対しては、詐欺罪で懲役3年(執行猶予5年)が言い渡されました。
小嶋氏はグランドステージ藤沢の耐震強度が偽装されているのを知りながら、それを隠して住民11人から代金約4億1千万円を振り込ませたことから、詐欺罪での有罪判決が下されました。
同時期に起こった別建築士の偽装に関する報道
この事件に前後して姉歯元一級建築士以外の建築士も、同様な耐震強度の偽装を行っていることが明らかになりました。ここでは他に起きた、建造物の耐震強度偽造問題について紹介します。
2006年3月7日、札幌市の建設中マンションで偽装が発覚
2006年3月7日に、北海道札幌市で建設中のマンションも、構造計算書の作成をした二級建築士による偽装がされていたことが分かりました。
この事件で問題となった建築士は、国土交通省の基準を下回っていても耐震壁を使った同マンションの構造は耐震上の脆さはない、との主張をしていました。
このマンションに関しては偽装が発覚後に速やかに入居予定者にアナウンス、解約手続きが行われました。
2007年1月25日、京都のアパホテルで耐震偽造が発覚
2007年1月25日には、京都府内のアパホテル2棟に耐震強度の偽装があることが明らかになりました。
問題となったホテルの耐震強度は、国土交通省が求める基準の7割程度の安全性しか満たしていないことが分かりましたが、設計事務所は京都市が行った構造計算が間違っていると主張しました。
しかし偽装が発覚した同日中にはアパグループのCEOと社長による記者会見が開かれ、謝罪をする様子が見られています。