姉歯事件とは?関係者や姉歯物件の現在は?偽装はなぜ無くならない?

姉歯事件とは2005年に発覚した、姉歯元一級建築士による建造物の耐震強度偽装問題です。自殺による死亡者も出るなど世間を騒がせた姉歯事件ですが、問題のあった物件は現在どうなっているのでしょうか?姉歯事件のその後も含めて紹介していきます。

姉歯事件とは?事件の概要

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姉歯事件という名前は憶えていても、どのような事件であったのか、また後に法律にどのような影響を与えたのかについてまでは覚えていないという方も多いことでしょう。

ここでは姉歯事件がどのようなものであったのか、事件の概要を紹介していきます。

姉歯元一級建築士の構造計算書偽造が発覚した一連の事件

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姉歯事件とは、千葉県に事務所を構えていた姉歯元一級建築士が、マンションなどの建物の耐震強度を計算した文書の偽造をしていた事件です。

発覚後には姉歯元一級建築士が手掛けたマンションやオフィスビルなど、複数の建物の安全性が国土交通省の定めた基準を下回っていることが芋づる式に明かされ、国民に大きな混乱と不安を呼びました。

個人犯罪として懲役5年、罰金180万円の実刑判決

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当初は姉歯元一級建築士の事務所、そして関連会社を含めた組織的な犯罪と見られていましたが、東京地裁での判決は姉歯元一級建築士個人による犯行と断定しました。

そして姉歯元一級建築士には、懲役5年及び180万円の罰金という実刑判決を下されました。

地震大国の日本において大きな社会問題に!「殺人マンション」とも

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地震の被害にさらされることの多い日本において、姉歯事件のもたらした衝撃は相当の物でした。

姉歯元一級建築士が耐震強度を偽って申告していたとする分譲マンションに住んでいた住民はパニックになり、マスコミは震度5でも倒壊の危険ありと姉歯物件の脆弱性を書きたてました。

このことは首都直下型地震におびえる住民やオーナーの不安をいっそう強め、やがて姉歯物件は殺人マンションなどと呼ばれるようになったのです。

ウェブサイト「きっこの日記」で情報が流れ、政治家との癒着が疑われた

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姉歯事件の情報をいち早く流したのは、新聞社やTV局ではなく「きっこの日記」という個人のブログでした。

きっこの日記では、当時の国土交通省であった北側氏が偽造をに関わっていることなどが示唆されており、政・官・民の癒着が疑われました。

後にこの情報は憶測の域を出ないガセネタということが分かりましたが、このブログの存在によって報道がかく乱されたと言われています。

その後、札幌や京都でも偽装が発覚!さらに波紋を呼ぶことに

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当初、大型建造物の耐震強度偽装は東京を中心とした、姉歯元一級建築士が構造計算を手掛けた建物に限られたことと考えられていました。

しかし2006年3月には札幌のマンション、2007年には京都のホテルで耐震強度偽装が明らかになり、姉歯元一級建築士が関わった物件以外でも偽装が行われているとして更なる波紋を呼びました。

事件以降は建築業界に悪いイメージがつきまとい、多大な影響を及ぼした

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姉歯事件のあおりを受けて、建築業界そのものの信頼が失墜したという意見もあります。建築業界を志す学生が減ったという話もあり、思わぬところにまで余波が及んだことをうかがわせます。

ネットでは生活のための苦肉の策だったかと噂されている

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姉歯元一級建築士は、TV局の取材に対して「安い値段で建てて売ることが、業界の暗黙のルールであった」という旨の発言をしていました。

このことから、不動産開発業者からコストカットを要求されて、仕方なく耐震強度の改ざんを行っていたのではないか?ともネットでは囁かれていたのです。

姉歯秀次は創価学会員?裏で創価学会が動いた?

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姉歯元一級建築士は創価学会員で事件の裏には創価学会が暗躍していたという説も、ネットではまことしやかに流れました。

この説の発端となったのが週刊現代の報じた、不動産開発業者のヒューザーと姉歯元一級建築士を引き合わせたのが公明党所属の山口那津男議員であったという情報です。

このことから事件の陰には公明党=創価学会が存在していたという見方が強まり、姉歯元一級建築士も創価学会と関係があったと予想されるようになったのでしょう。

いまだに真相は謎という見方も

ヒューザーなどの不動産開発会社をはじめ、多くの企業や人が姉歯事件には関わってきました。しかし、耐震強度偽装に関しては姉歯元一級建築士1人が責任を負うという、奇妙な幕引きをしています。

この事件に関わった他の人達は皆、偽装の事実を知らなかった被害者、または偽造があったのは知っていたが関わっていなかったということで詐欺罪での処分をされています。

大々的に報道されていた割には結局どんな事件だったのか思い出せないという人が多いのは、このように謎を残したまま事件が結末を迎えたせいもあるでしょう。

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事件の中心人物として逮捕された姉歯秀次の現在は?

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事件の後、姉歯元一級建築士はどうなったのでしょうか?建築士の資格は剥奪されているため、刑期を終えても建築業界で働くことはできません。

ここでは、姉歯元一級建築士の現在について紹介していきます。

姉歯秀次のプロフィール

姉歯元一級建築士のフルネームは姉歯秀次。1957年6月10日に宮城県大郷町に生まれました。1990年より一級建築士として働き始め、事件当時には千葉県に自分の事務所も構えていたとされます。

妻と息子が2人いたことが明らかになっていますが、事件発生発生以前からうつ病に苦しんでいた妻は、姉歯事件の報道で追い詰められたせいか、2006年3月に自殺をしています。

これについて息子達は「母はマスコミに殺された」と述べており、偽装をして儲けたお金で姉歯家が贅沢な生活をしている、と根も葉もないことを書いたマスコミを恨んでいるととれる発言をしていました。

姉歯秀次の経歴は?

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姉歯元一級建築士は地元宮城の工業高校を卒業後、大阪のゼネコンに入社、東京の支社に配属されて現場管理を任されていました。しかし、設計の仕事を希望して退職し、建築事務所などで仕事を続けました。

そして1988年には自分の建築事務所を開業し、1990年に一級建築士の資格を取得しています。一級建築士の試験は学科と製図からなり、現在では合格率10%の狭き門です。

姉歯元一級建築士が資格を取得した頃は、現在ほど試験内容が難しくなかったとされますが、それでも5回挑戦した末にやっと合格したと言われています。

送検されるときの容貌から、かつらも話題になった姉歯秀次

「偽装」という罪状も相まって、当初から囁かれていたのが姉歯元一級建築士の髪型の不自然さでした。少し生え際が浮き上がっているように見えることから、かつらなのでは?と囁かれていたのです。

そして収監時に頭を丸めていたことで、世間の疑惑は確信へと変わりました。

国内外問わず、衛生上の理由で収監時に頭を丸める人は多いため真偽は不明ですが、拘置所内には装飾品であるかつらは持ち込めないために頭を丸めたのでは?という憶測が飛び交いました。

事件の際、一級建築士の資格は剥奪されている

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5回も試験に挑戦して、やっとの思いで手に入れた一級建築士の資格ですが、耐震強度偽装が明らかになった2005年に姉歯秀次は免許を剝奪されています。

このことから、以後は姉歯「元」一級建築士、と表記されるようになったのです。

現在、姉歯秀次は刑期を終え出所しているが足取りはつかめない

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姉歯元一級建築士は、2010年代の頭には出所していると考えられます。しかしながら、その後の足取りについては全く分かっておらず、どのような仕事に就いているのかも不明です。

出所したのはいつ?2011年

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姉歯元一級建築士に、懲役5年の実刑判決が東京高等裁判所で言い渡されたのが2008年のことです。そこから5年服役となると、出所は2013年となります。

しかし、模範囚であった場合には刑期が短縮されて2011年には出所できると考えられることから、姉歯元一級建築士は2011年に刑期を終えたのではないか?と予想されています。

姉歯秀次の現在の年齢は?

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姉歯元一級建築士は1957年生まれですから、2019年には62歳を迎えています。偽装問題に手を染めていなければ、セカンドライフの計画を立てている年齢だったでしょう。

今は生活保護を受けて暮らしているのではないかという噂も

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多い時には年収2000万円越えと報じられたこともある姉歯元一級建築士ですが、実際には保釈金の500万円を用立てることもできませんでした。

このことから出所後には苦しい暮らしが待っていると想像され、現在は生活保護を受けているのではないかとも見られています。

事務所の電話番号は削除されている?

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耐震強度偽装が発覚した後、ネットの電話帳から姉歯元一級建築士の事務所の電話番号が削除されています。

第三者が勝手に削除することは考えられないため、姉歯元一級建築士側から誹謗中傷やいたずら電話を防ぐ目的で、削除要請があったものと考えられます。

姉歯秀次の家族は、現在どうしている?

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事件発覚当時は連日姉歯事件についての報道合戦がされ、事件とともに姉歯元一級建築士のプライベートや家族について、大きく取り上げられることもありました。

ここでは、姉歯元一級建築士の家族のその後について紹介していきます。

妻は騒動の最中、マンションから飛び降り自殺

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姉歯元一級建築士の妻は事件発覚後、まだ裁判や報道合戦が続いている2006年の3月に、自宅付近にあるマンションの7階から飛び降りて命を絶ちました。

姉歯元一級建築士が手掛けた建物は東日本大震災の際にも倒壊を免れており、殺人マンションと言われましたが、死亡者を出すことはありませんでした。

しかし皮肉にも姉歯元一級建築士が起こした事件は、構造文書とは無関係だった妻の命を奪ったのでした。

マスコミに嘘の報道をされたことが引き金になったとも

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事件発覚後、姉歯家については様々な悪意のある報道がなされました。

これだけのことをしたのだから儲かっているのだろうという憶測の元、高級外車を乗り回している、妻はブランド品を買い漁るのが趣味、愛人がいるといった情報が飛び交ったのです。

そしてこのことが原因で姉歯元一級建築士の妻は心を病み、自殺という選択肢を選んだとも考えられています。

息子が2人いるが現在は当時の自宅には住んでいない

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姉歯一家は事件発覚当時に住んでいた自宅を手放しており、2人の息子も別の場所に住んでいます。

一説には息子達は「姉歯」という名字でいると社会的不都合を被ることから、改名したという話も出ています。

「姉歯」という名字で肩身の狭い思いをしている人もいる?

息子たちが改名したという噂が流れる程、姉歯というのは珍しい名字です。特に関東より西では滅多に見ません。

そのため姉歯元一級建築士の地元である宮城県に暮らす姉歯さん達は、非常に肩身の狭い思いをさせられたと言います。

事件から10年以上が経った現在でも姉歯という名字が印象に残っている人も多く、今も名前をコンプレックスに感じている姉歯さんもいることでしょう。

「姉歯」はどれくらい珍しい名字なの?

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姉歯という名字は宮城県にある「姉歯の松」という観光名所に由来したものと言われており、宮城を中心に東北で見られます。

全国で57世帯しか姉歯さんという方はいないというデータもあり、非常に珍しい名字であると言えるでしょう。

姉歯家族はその珍しい名字をすでに捨てているという噂も

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現在は息子達のみならず、姉歯元一級建築士自身も名字を変えて生活しているという噂もあります。

珍しい名字であることから、刑期を終えた後に目撃情報などがあってもおかしくないはずですが、姉歯一家のその後の情報は一切表に出てきません。

そのため名字は変えて生活をしているという説も、あながち間違いではないのかもしれません。

姉歯事件の時系列

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姉歯事件はどのように発覚して、裁判に至ったのでしょうか?ここでは、時系列順に姉歯元一級建築士による耐震強度偽造の発覚から裁判の流れを紹介していきます。

2005年10月、施工予定だった「グランドステージ北千住」の異常が判明

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2005年10月、東京都足立区に建設予定であったグランドステージ北千住の施工会社が、図面と構造計算書に対して疑問を持ち、アトラス設計に確認を依頼。

結果、使用される鉄骨の量が国土交通省の安全基準を下回っていたことが判明し、アトラス設計が建築物の構造確認を行っていたイーホームズに、耐震強度の偽装が行われていることを伝えました。

そして同月中にイーホームズはこの旨をグランドステージを建設した不動産会社、ヒューザーの代表である小島進氏に報告し、ヒューザーとイーホームズ間で構造文書の偽造について協議が行われました。

NEXT 11月17日、国土交通省が姉歯元一級建築士による偽造を公表