
妄想癖がある人の原因や特徴は?病気の可能性や治し方について
妄想癖という言葉はよく聞きますが、その詳しい意味をきちんと知っている人はあまりいないでしょう。妄想癖は病気だと診断されることもあり、人によって原因や心理もいろいろあります。今回は、そんな妄想癖について、特徴や症状、治し方などをまとめてみました。
目次
[表示]妄想癖とはどういう意味?病気の可能性もある?
妄想癖とは、そもそもどのようなものなのでしょうか?また、虚言癖や空想とも似ていますが、どんな違いがあるのでしょう?
実は妄想癖はただのクセではなく、病気であるという説もあります。
妄想癖の意味は?虚言癖と同じ?
妄想癖は、実際には起こっていないこと、ありえないことなどを思い込み、信じてしまう症状のことです。
虚言癖は、人に対して「こう思われたい」という思いから嘘のことをを言ってしまいますが、妄想癖は自分自身でも思い込んでしまっていて、それが妄想だと気が付いていない場合も多いです。
虚言癖は自分の言っている内容が本当のことではないと分かっているので、妄想癖と虚言癖は同じものではありません。
病気?妄想癖は世界三大イタ病である中二病の初期症状
妄想癖は、世界三大イタ病と言われている中二病の初期症状の一つだとされています。実際にはあり得ないものを、まるで実在しているように振る舞うので、中二病だと思われてしまいます。
この妄想がさらに悪化してしまうと、中二病ではなく「妄想症」という立派な病気となり、治療のため精神科を受診する必要が出てきます。
妄想と空想の違いとは
妄想と空想は似ていますが、全く同じものではありません。空想は、現実にある理論や考え方が元となっているので、完全に非現実的だとは言えません。
また、空想は自分でもありえないことだと理解できていて、生活に何の問題もありません。
一方、妄想は内容に何の根拠もなく、自分はその妄想を思い込んでしまっていて、妄想だと自覚がないことが多いです。
妄想癖になる心理や原因は?
妄想癖のない人からすれば、現実に起きていないことを思い込むなんておかしいと思うでしょう。妄想癖を持っている人も、妄想癖をいいものだとは思っていません。
妄想癖になってしまう人には、どんな心理や原因があるのでしょうか。
心配性で常に不安が伴っている
心配性な人は、常に不安などのネガティブな感情が伴っています。もしも失敗してしまった時のことを考えすぎてしまうのです。
そして、そのネガティブな感情を抱えきれなくなると気持ちを紛らわせようと、自分に都合のいい妄想をするようになってしまいます。
自信がなく将来への強い不安がある
自分に自信がないと、根拠がなくても、自分は人に嫌われている、攻撃されていると被害妄想をするようになってしまいます。
また、将来への自信がなく不安を感じていても、その不安を紛らわせるために、妄想してしまうようになります。
過去に強いトラウマやつらい思い出がある
過去に強いトラウマがあったり、つらい思いをすると、その経験はずっと心に残り、苦しめ続けます。
そのつらさに耐えられなくなってしまうと、ありえない妄想の世界に逃げ、トラウマや辛い思いを忘れようとします。
欲求不満
欲求不満な人は現実に満足できておらず、常に満たされない気持ちでいます。その満たされていない気持ちを現実ではなく、妄想によって満たそうとすることで、妄想癖になってしまうことがあります。
現実ではかなわないことを妄想の中で実現させるこで欲求が叶ったと思い込み、現実逃避してしまいます。
人を信用しやすく流されやすい
人を信用しやすく、純粋な人ほど、妄想癖になりやすいとも言われています。人のことを疑わないのでなんでも信じてしまい、事実だと思い込んでしまうんです。
そのため、実際にありえないことでも信じ込んでしまい、それがきっかけとなって妄想につながります。
人と関わることが少なく狭い世界にいる
人と関わる時間が少なく、一人で過ごす時間が多い人も、妄想癖になりやすいです。人と関わらず、一人で過ごす時間というのは、退屈なものです。
退屈な毎日を過ごしていると刺激を求めるようになり、妄想によって刺激を得ます。その刺激が徐々に快感となって、妄想癖になってしまうのです。
日常的にストレスを感じている
日常的にストレスを抱えている人も、妄想の中で幸せを感じようとすることから、妄想するようになり、妄想癖になってしまうことがあります。
ストレスがあまりに強いと、ずっと抱えていることに耐えられなくなり、妄想によって現実逃避をしようとします。
統合失調症・うつ病などの精神疾患から起こる
妄想癖の中には、統合失調症や、うつ病が原因の可能性もあります。ひどい妄想癖は精神病と診断されることもあり、治療が必要となるかもしれません。
統合失調症が以外にも身近な病気で、芸能人でも統合失調症ではないかと言われている人も多くいます。気になる方はこちらの記事をチェックしてみて下さい。
現実逃避も妄想癖もやめたい人へ!治す方法・改善方法まとめ
現実逃避や妄想癖を自覚している人は、それをやめたいと思っている場合が多いでしょう。妄想癖をはめるには、どうすればいいのでしょうか。妄想癖の治す方法、改善方法をご紹介しましょう。
自分が妄想しやすいタイプであることを自覚する
妄想癖がある人は、自分が妄想癖であることに気が付いていない場合が多いです。妄想癖を治すには、まずは自分が妄想癖を持っていることを自覚する必要があります。
初めのうちは認めたくない気持ちもあるでしょうが、自覚をしない限りは始まりません。自分が思い込んでいる考えと現実を比べてみて、妄想であるということに気付くことが重要です。
妄想をする時間を減らしていく
妄想癖を治す最もシンプルな方法として、妄想する時間を無くすという方法があります。妄想してしまうからこそ妄想癖なのであって、妄想しなくなれば、必然的に妄想癖ではなくなります。
妄想癖のある人は、日常的に妄想を繰り返してしまっていて、いきなり全く妄想しなくなるのは難しいので、時間をかけ、徐々に妄想する時間を減らしていきましょう。
趣味や仕事で妄想できる暇を作らないようにする
妄想癖の人が妄想する時は、暇な時間に無意識に妄想してしまうことが多いです。そのため、できるだけ妄想に使う暇な時間を無くす必要があります。
熱中できる趣味を見つけたり、仕事を増やしたりして、妄想できるような暇な時間を無くしてしまうことで、自然に妄想しなくなっていきます。
妄想する時間を決める
妄想癖を治そうとしても、ストレスを抱え込んでいる人や、トラウマを抱えている人は妄想がないと耐えられないということもあるでしょう。
そんな時は、初めから妄想を無くそうとするのではなく、妄想する時間を決め、その時間だけは妄想してもいいという決まりを作りましょう。
その時間だけというルールを続けていると、徐々に妄想も少なくなり、妄想しなくても大丈夫になっていきます。
心を許せる人を作る
妄想癖のある人は、自分の妄想が正しいと思い込んでいて、他人に間違っていると指摘されても、なかなか受け入れられません。また、自分の妄想を受け入れてもらえないので、人と距離を取るようになってしまいます。
なので、信頼できる人を作り、自分の妄想癖を受け入れてもらいましょう。誰かに理解してもらい、一緒に改善に取り組んでもらうことで、妄想癖も治しやすくなります。
人と関わる機会を増やす
妄想は、一人でいる時間に特に妄想しやすくなります。また、一人でいる時間が長いと視野も狭くなり、さらに自分の妄想が正しいと思い込んでしまいます。
なので、人と関わる機会をもっと増やしましょう。人と関わることで、自分の妄想が間違っているということにも気づくことができます。
小さなことでも良いので現実での成功体験をする
妄想癖のある人は、現実の自分や世界での成功体験が少なく、コンプレックスを抱いていることが多いです。そのため、妄想の世界に逃げてしまうのです。
ほんの小さなことでも、現実の世界で成功体験を作ることができると、自信とつけることができ、次もまた現実で成功したいと思うようになります。
その成功が積み重なることで妄想に逃げる必要がなくなり、妄想癖を改善できます。
自己分析をして自分について知る
どんな時に妄想してしまうのか、どんな内容の妄想をしてしまうのか、自己分析して、自分の妄想癖について詳しく知りましょう。
妄想する時間が分かれば、その時間をできるだけなくすと、自然に妄想する回数は減ります。妄想する内容が分かれば、現実でその妄想に近いことで満足ができれば、妄想する必要がなくなります。
自己分析して自分の妄想癖を知ることで、改善するためのヒントが見えてくるでしょう。
誰かに相談してみる
妄想癖を自分だけで治すのは、意外にも難しいことです。誰かに相談し、自分の思っていることはどこからが妄想なのかなど、指摘してもらいましょう。
妄想癖のある人にとって、妄想を認めるのはなかなか大変なことですが、人に相談をすることで、自分では見えなかった一面を見つけることができます。
客観的な意見も得られ、より多くの改善方法が見つかるはずです。
失敗を恐れず行動してみる
妄想癖のある人は、失敗した時のことを考えすぎてしまい、その不安から逃げるためにも妄想に走ってしまうという場合もあります。失敗を恐れて何もしないままでは不安が募るばかりで、事態は進みません。
失敗を恐れずとにかく行動してみることで、失敗だけでなく、成功も必ず手に入れられます。
案外簡単に成功することができると、失敗を恐れていたことがばからしくなり、不安に思う前に自然に行動に移すことができるようになっていきます。
運動や筋トレをする
妄想癖の治し方の一つに、運動をするという方法があります。妄想と運動は一見何の関係もないように思えますが、運動にはリラックス効果や、ストレスの解消効果があります。
妄想癖のある人は、ストレスから逃げ出すために妄想してしまうことがあるので、運動をしてストレスを解消すると、妄想をする必要がなくなります。
また、運動で外に出ることによって人との関りや現実との関わりが増え、妄想癖を改善しやすくなります。
周りに迷惑を掛けていなければ無理に治そうとしない
ストレスやトラウマを抱え込んでいる人にとっての妄想は、ストレス発散にうってつけです。売りに妄想をやめようとするとストレスが解消できなくなり、体に負担をかけてしまいます。
周りに迷惑を掛けるほどの妄想癖でないのであれば、無理に治そうとする必要はありません。悪化しない限りは、ストレス発散のためにも自分の妄想癖を受け入れましょう。
自分を客観視する時間を作る
妄想癖のある自分を客観的に見ると、妄想癖があることを嫌でも認めることができます。自分の考えの違和感に気づき、より強く改善したいと思うようになるでしょう。
自分を客観的に見つめ、妄想癖に向き合うことで、治すための気持ち作りができます。
常に相手の立場や気持ちを考えるようにする
人がいる時にまで妄想の世界に入ってしまうと、周りの人を置いてけぼりにしてしまい、お菓子な人だと思われてしまいます。
常に相手の立場や気持ちを考えると、簡単に人のいる場所で妄想をすることがなくなります。人と一緒にいる時は、「これは相手がどうかんじるのか」と相手の気持ちを考えるよう意識してみましょう。
妄想を現実に変える努力をしてみる
妄想癖のある人は、自分が現実で満たされていないことを妄想して、満たされている感覚を味わおうとします。しかし、妄想はいつまでたっても妄想でしかないので、実際に満たされるわけではありません。
なので、妄想した内容を実現して実際に満たされるように、努力してみましょう。妄想の中には、非現実的なものもあれば、実現可能なものもあります。
妄想した内容を行動に移すようにすると、徐々に妄想する前に行動に移せるようになり、妄想癖が改善されていきます。