
家蜘蛛(イエグモ)は益虫だった!害虫を食べてくれて縁起もいい!
小さい蜘蛛、大きい蜘蛛、赤い蜘蛛など蜘蛛の種類や大きさにも様々あり「苦手」という人も多く手軽にスプレーで駆除できる商品も販売されていますが、家蜘蛛は厄介な虫を食べてくれる益虫です。中には家蜘蛛をペットにしている人もいます。ここではイエグモについてご紹介します。
目次
[表示]イエグモ(家蜘蛛)とは?害のない益虫?
「大きさ、色などに関わらずクモ全般が苦手」「家の中で虫を見つけたらすぐに駆除する」という人も多いのではないでしょうか?
しかし、「イエグモ」と呼ばれる蜘蛛たちは人の生活に役立つ益虫だということをご存知でしょうか?ここからはイエグモについてご紹介していきます。
家で見かける「イエグモ」とは?
どこから侵入したのか、いつの間にか家の中にいる「イエグモ」。「イエグモ」とは、主に家の中に現れるクモのことを言いますが、家の中に現れるクモの種類は限られています。
家の中で見かけるクモは「チャスジハエトリ 」「アシダカグモ」「ジョロウグモ」「コガネグモ」「イエユウレイグモ」「ヒラタグモ」「ジグモ」「ハエトリグモ」「アダンソンハエトリグモ」です。
日本には約1200種類のクモがいるそうですが、基本的に家の中に現れるクモはこの中のどれかしかいないそうです。
ほとんどの蜘蛛は生活に役立つ「益虫」!
グロテスクな見た目から、「蜘蛛が苦手…」という人は多く、家の中で蜘蛛を見かけたらすぐに殺虫スプレーなどを使い駆除をしてしまう人も少なくないと思います。
しかし、蜘蛛は動物食で他の厄介な害虫をを食べ、害虫を食べ尽くしてしまうと害虫(餌)がいる場所を求めて自然と家からいなくなります。その為蜘蛛は、「益虫」と呼ばれています。
ある調査データで水田近くに巣を作っている蜘蛛を調べたところ、一晩で約300匹のヨコバイが捕獲されていたそうです。
つまり、蜘蛛は獲物の習性や行動を把握し、獲物が通る場所に罠(巣)をかけていたということになります。
自宅で「やたらと蜘蛛を見つける」という場合は、人にとっての害虫がいる(多い)ということです。
小バエやゴキブリの幼虫なども退治
「アダンソンハエトリ」というハエトリグモ科の蜘蛛は、その名の通りハエを捕獲してくれる蜘蛛です。体長は6~9ミリと非常に小さいのですがコバエ程度の大きさであれば一瞬で捕獲します。
さらに、コバエだけでなく小さなゴキブリ、ダニも退治するそうです。
益虫なのに不衛生で怖いイメージを持たれ嫌われている
蜘蛛は見た目のグロテスクさなどの理由から嫌われがちで「怖い、気持ちが悪い」といった悪いイメージを持っている人は多いと思います。
また、海外では特に毒蜘蛛によって人が亡くなったという事例もある為「不吉」「蜘蛛=毒」という印象を持った人もいます。
さらに蜘蛛の巣が家にあるだけで不衛生な印象を持たれるなど、「益虫」と言われる割には嫌われている生き物です。
しかし、「怖い」と言われる蜘蛛ですが実はほとんどの蜘蛛は臆病な性格をしていて物音で逃げてしまう蜘蛛もたくさんいます。
また、日本に生息している約1200種類の蜘蛛のうち、人間に悪い影響を与えるような毒を持った蜘蛛はほとんどおらず、特性の強い蜘蛛は海外から侵入した蜘蛛です。
現在、日本で確認されている人に悪影響を与える強い毒性をもった毒蜘蛛は「セアカゴケグモ」「クロゴケグモ」「ハイイロゴケグモ」「アカホシゴケグモ」「カバキコマチグモ」などです。
これらの毒蜘蛛も刺激をしない限り攻撃的になる事はありません。
家を守ってくれるクモ、退治する必要はない?
蜘蛛はゴキブリやハエなど、ヒトにとっての害虫を退治してくれます。
さらに、ゴキブリやハエなどは病原菌を持って徘徊していますが、病原菌をもったこれらの害虫を食べた蜘蛛には病原菌は移りません。
その為、衛生面でも安心できて害虫駆除までできる蜘蛛は害虫で悩んでいる人ほど「退治しないほうがいい」といわれています。
小さい家蜘蛛は何という?名前がかっこいい?
ここからは、家の中で最もよく見かける小さな家蜘蛛についてご紹介していきます。
小さい家蜘蛛の正式名称は「アダンソンハエトリ」?
「アダンソンハエトリ」とは最も家の中でよくみかける小さな蜘蛛のことです。ハエトリグモ科の蜘蛛で、世界的にも広く分布しています。
江戸時代には、アダンソンハエトリグモにハエを狩らせる遊びが流行ったそうです。その為アダンソンハエトリグモは「座敷鷹」と呼ばれることもありました。
なぜ「アダンソン」?どこで発見された?
「アダンソンハエトリ」の「アダンソン」は1826年にフランス人博物学者のミシェル・アダンソンによってアフリカで発見され献名されました。
小さくて体色は黒や茶色?雄雌で色がちがう?
大きさは雄は6~9ミリで茶褐色で触肢が長く腹部に縦に帯状の線があります。雌は5~7ミリで黒い色です。雌にも斑紋はありますが雄と比べると目立ちません。
また雄雌とも三日月型の斑紋があるのが特料です。
主食はコバエやゴキブリの子供
アダンソンハエトリの主食は主にコバエやゴキブリの幼虫などです。その他にダニも捕食します。
巣を張らない?命綱を出しながら移動
アダンソンハエトリグモは、巣を作らず常に糸を出しながら命綱のようにして移動をしています。その為、「家中に蜘蛛の巣を張られた」という事もなく害虫のみを駆除し続けてくれます。
小さい家蜘蛛、アダンソンハエトリの画像は?
こちらがイエグモの中で一番多い種類のアダンソンハエトリの画像です。
ゴキブリが主食!大きい家蜘蛛「アシダカグモ」は大人しい性格
見つけた瞬間驚いて固まってしまう人も多い、大きな家蜘蛛のアシダカグモ。ここからはアシダカグモについてご紹介していきます。
足が長い「アシダカグモ」も巣を張らない「徘徊性」
アシダカグモは、アシダカグモ科で日本に生息している蜘蛛の中でも最大級の大きさの蜘蛛です。
巣を作らず徘徊し歩き回りながら獲物を捉えるのが特徴で、体調は雌が20~30ミリ、雄は10~25ミリですが足の長さを含めると100~130ミリとかなりの大きさですので見つけた瞬間驚く人も多いと思います。
見た目に反して臆病、すぐ逃げていく
毒蜘蛛と勘違いされる事もありますが、毒は持っておらず大きな蜘蛛ですが見た目に反して非常に臆病な性格をしています。
壁などを叩けば、その振動に驚いて素早く逃げていき、基本的には人に近づく事はありませんが無理にアシダカグモを掴もうとすると自衛の為に噛み付く事もあります。
主食はゴキブリ!夜行性で夜の間に退治してくれる
アシダカグモは夜行性なので夜の間に片っ端から家の中にいるゴキブリを捕食し、昼間はあまり姿を現しません。うす暗い場所を好み、主に雨戸袋、天井裏、屋外の公衆トイレなどにもよくいます。
ゴキブリを片っ端から食べ尽くし、ゴキブリがいなくなると別の家を求め去ってしまうことから「アシダカ軍曹」と呼ばれ一部の人からは愛されています。
また、ゴキブリ以外にハエなどの衛生害虫、ネズミなど自分よりも大きな動物を捕食する事もあります。
これらの衛生害虫を捕食しますが、病原菌に感染する事はなく人の食べ物などの上を這い回る事もしないため衛生面も安心です。
ちなみに、アシダカグモが2~3匹いればゴキブリは半年で全滅するそうです。
大きい家蜘蛛、アシダカグモの画像は?
こちらの画像の蜘蛛がアシダカグモです。画像だけでも大きな蜘蛛だというのがよく分かりますね。
イエグモの生態を知れば見直せる?イエグモの動画も!
ここからは、イエグモの生態や動画をご紹介いしていきます。
クモの多くは寿命1年、越冬する種類は休眠する
イエグモの寿命は大きさにもよりますが約1年~2年と言われており、アシダカグモはオスなら3~5年、メスは5~7年ほどです。
多くの種類の蜘蛛は冬が訪れる前に産卵をし産卵後に寿命を終えます。これは冬が訪れる前に産卵する事で、厳しい寒さでも卵を安全に越冬させるためです。
そして冬が終わり暖かい季節が訪れる頃に卵が孵化し、暖かい季節に成長した蜘蛛は秋頃になると越冬の準備に入り冬が訪れる前に子孫を残す…というサイクルを繰り返しています。
また、中には生体の姿で越冬する蜘蛛もいます。生体の状態で越冬をする蜘蛛は、主に巣を張らない種類の蜘蛛でアシダカグモ、ヒメグモなどです。
これらの蜘蛛は冬が訪れると冬眠ではなく休眠状態になり、動かなくなります。休眠中は一切餌を食べず、動かずただひたすら寒さを絶えている状態です。
ピョンと寄ってくることがあるのは懐いているから?
ハエトリグモはピョンピョンと跳ねる姿が「かわいい」と人気でペットにペットにする人もいます。
ハエトリグモをペットとして飼育している人の中で「飼育してたら人に慣れて、ピョンピョンと寄ってくるようになった」などという噂があります。
しかし、それは目の前で動く物の興味をもって近づいてきただけで懐いたわけではありません。虫は脳が小さいため、人の顔を覚えることが出来ませんので人に懐くということは残念ながらないそうです。
クモの天敵は蜂や鳥?
蜘蛛の天敵はハチ、成虫に寄生するクモヒメバチ、ハエ、カマキリモドキ、鳥類などが天敵になります。
また、センショウグモ、オオナガグモは蜘蛛を専門に捕食します。
小さい虫を瞬時に捕獲するアダンソンハエトリ
こちらの動画は小さな虫を一瞬で捕獲するアダンソンハエトリの動画です。
マウスカーソルを追う好奇心旺盛なアダンソンハエトリ
こちらはマウスカーソルを一生懸命追いかけているアダンソンハエトリの動画です。
俊敏な動き!アシダカグモの動画
こちらはアシダカグモの動画です。俊敏な動きと大きな体ですがかなり臆病な性格です。
家にいる白い蜘蛛は縁起がいい?蜘蛛と運の関係
家に現れる白い蜘蛛は縁起がいいと言いますが、その理由についてご紹介していきます。
白い蜘蛛には「シモングモ」や「イエユウレイグモ」などがいる
家の中に表れる白い蜘蛛は主に「シモングモ」「イエユウレイグモ」がいます。「シモングモ」は体長2~3ミリでと小さめの蜘蛛で家具などの隙間に不規則に網を張ります。
「イエユウレイグモ」はユウレイグモ科の蜘蛛で体長は7~10ミリ。はっきりとした模様はなく足が異常に長く全体的に細いので弱々しい印象の蜘蛛です。
どちらの蜘蛛も屋内で良く見られる蜘蛛ですが、不規則に網を張る為不快がられていますがコバエ、ダニなどの小さな害虫を駆除してくれます。
イスラム教で白い蜘蛛は幸運の象徴
白い蜘蛛はイスラム教では幸運の象徴と考えられています。
また、イスラム教に限らず白い生き物は神の使いと言われ縁起がいいと言われています。その為、日本でも白い蜘蛛は白い蜘蛛は「縁起物」と考える人が多いようです。