タトゥーがあってもMRI検査は大丈夫?火傷や変色するって本当?

最近はやりのタトゥーですが、タトゥーによりMRI検査で火傷や変色などの事故が発生する可能性があります。インクの種類によっては大丈夫な場合もありますが、タトゥーをしているだけでMRI検査を受けられないという病院も。今回はタトゥーとMRI検査についてご紹介します。

タトゥーを入れたらMRI検査が受けられないって本当?

geralt / Pixabay

最近は若者がワンポイントでタトゥーを入れることが多くなりました。今やタトゥーはファッションの一つとしての認識が定着しつつあります。

しかし、未だにタトゥーというとギャングや暴力団のような怖いイメージを持つことが多いでしょう。タトゥーがある人はお断りの銭湯も存在します。

実はタトゥーのマイナス面は負のイメージだけではありません。なんとタトゥーを入れたらMRI検査が受けられなくなってしまう可能性があるのです。

そもそもMRIはどんな機械?CTとは違う?

jarmoluk / Pixabay

そもそも、MRIというの検査機器であり、CTと同じく人体などの内部を映し出すことができます。体を傷つけることなく内部の様子を知ることができるので、ガン検査などで非常に有効な機器です。

MRIがCTと異なる点は、CTが放射線で画像を得るのに対し、MRIは磁場と電波により画像を得るということです。これにより体への負担を減らすことが可能です。

タトゥーでMRIに入れないといわれる理由は火傷?

Myriams-Fotos / Pixabay

ではなぜタトゥーを入れた人はMRI検査を受けることができないと言われているのでしょうか?その理由は「タトゥーを入れている人がMRI検査を行った場合、火傷してしまう恐れがある」ためです。

MRIによる火傷はIH調理器と同じ原理?

なぜタトゥーを入れている人はMRIにより火傷を負ってしまうのか。この原理はIH調理器と同じです。MRIは体内の様子を知るために強力な磁場と電波を使用します。

MRIから発する高周波がタトゥーのインクに反応し、誘導加熱を引き起こしてしまうのです。要するにインクの中に含まれる金属分が高周波のエネルギーを保持してしまい、熱に変換してしまうのです。

絶対に受けられないわけではない

Alexas_Fotos / Pixabay

ただし、この現象は必ずしも起こるわけではありません。インクに含まれる金属分の割合や高周波との共鳴具合などにより発生確率や重症度が変わるためです。

そのため、タトゥーをしているからと言って必ずしもMRI検査を受けられないわけではありません。医師と相談し、火傷のリスクを考慮しながら実施可否を検討します。

条件や機械を調整して火傷の可能性を減せる?

stevepb / Pixabay

また、条件や出力などを調整することにより、火傷が発生する可能性を低減させることも可能なようです。これらは取り扱っている機器などにもよるため、まずは医師に相談するのがよいでしょう。

タトゥーはMRI検査すると変色する?

AlexanderStein / Pixabay

インクによっては磁性体が含まれているものもあります。こうした成分は火傷の原因になるだけではなく、高周波により化学反応を起こして偏食してしまう可能性もあります。

入れ墨の顔料が危険なのは過去の話?刺青師の見解

ilovetattoos / Pixabay

ただし、上記の話は彫師によると過去の話であるようです。というのも、昭和の時代は酸化鉄などの成分が使われていたためにMRIで火傷などの事故がありましたが、今ではそのような成分を使用していないようです。

また、かつてはインクや針の使いまわしによる肝炎の事例などがありましたが、今では彫師の意識も高く、使い捨て、高圧除菌などにより感染リスクも極端に提言しているようです。

タトゥーがあるとMRIを完全NGにする病院も!理由は?

geralt / Pixabay

前述のとおり、MRIにより火傷を負ってしまうのは顔料に含まれる磁性体が原因であることが分かりました。そして現代では非磁性体のインクも多く存在します。非磁性体インクであれば火傷は発生しません。

しかしながら、これらの事実を認識したうえで「タトゥーを入れている人にはMRI検査はNG」としている病院も存在します。ここではその理由についてご紹介したいと思います。

タトゥーがあるとMRIはNGの病院が多い?

TheDigitalArtist / Pixabay

「タトゥーがあるだけで顔料の成分如何に関わらずNG」としている病院が多いです。中には「何があっても文句は言いません」という契約書を書いてMRI検査を行う病院もありますが、少数派です。

「タトゥーNG」としている病院は「タトゥーがある=NG」というガイドラインを制定し、徹底指導を行っているケースが多いようです。そのような病院ではほぼ交渉の余地はありません。

NGの理由①:非磁性体のインクかどうか確証がない

非磁性体インクであればMRIの影響を受けません。しかし、患者が入れているタトゥーのインクが非磁性体であるという証拠がないのです。

もしかすると患者が勘違いして「非磁性体だ」と言っているかもしれないし、彫師が誤って磁性体インクを使ってしまった可能性も考えられます。

考えられる「最悪」を常に想定して業務を行っていかなければいけない医療現場では、こうした不確定要素により患者を危険にさらす訳にはいかないと判断するのです。

NGの理由②:「たぶん大丈夫」では万が一の場合に責任をとれない

基本的にMRIでタトゥー部分が火傷する、変色するという可能性は現代において相当低いです。なので、大半は「多分大丈夫」です。

しかし、万が一事故が発生した場合、責任を取ることができません。医療事故として取り上げられると病院の信頼にも関わってくる問題となるのです。

仮に誓約書を書いていたとしてもSNSなどで火傷のことを拡散されたら溜まったものではないですね。病院側はこうしたリスクを排除するために全面NGとしているようです。

実際にMRIでタトゥーの火傷事故は起きている?

stevepb / Pixabay

では実際にタトゥーの火傷事故というのは発生しているのでしょうか?ここではタトゥーによりMRI検査で火傷事故が発生した実例についてご紹介していきたいと思います。

海外では複数の医療事故が報告されている?

rawpixel / Pixabay

海外では複数の医療事故が報告されています。1997年にアメリカでお腹にタトゥーを入れた女性患者がMRI検査を行い、タトゥー部分に火傷を負いました。

また、2000年にも同じくアメリカでタトゥーを入れた患者2名が火傷を負ったと報告されています。その内1名はループとドラゴンのタトゥーを入れていたようですが、ループの部分が最もひどい火傷でした。

ループ模様はエネルギーを蓄えやすく、より熱を帯びやすいという特徴があるそうです。コイルと同じ原理なのかもしれません。

眉毛やアイラインのアートメイクもMRIは有害?

眉毛やアイラインなどをタトゥーで彫ってしまう「アートメイク」がありますが、これはMRI検査に引っかかるのでしょうか?

アートメイクとMRIについての論文が発表されており、それによると眉のアートメイクでは症例がないそうです。アイラインでは6例ほどありましたが、発祥の危険性は相当低いようです。

乳輪乳頭のアートメイクなら大丈夫?アイラインは火傷する?

Scozzy / Pixabay

乳がんなどで乳頭を切除した方がアートメイクにより乳頭を再現している例があります。これはMRI検査で火傷を負う可能性があるのでしょうか?

これも先に紹介した論文で言及されていますが、火傷を負ったケースはなかったようです。そのため、乳輪乳頭のアートメイクで火傷を負う可能性はほぼないと言えるでしょう。

タトゥーでMRI検査を受けられるかどうかは部位による?

タトゥーを入れている人がMRI検査を受けられるかどうかはタトゥーを入れている部位にもよるそうです。ここではMRI検査とタトゥーの部位に関してご紹介したいと思います。

検査する場所以外のタトゥーなら大丈夫?

Pexels / Pixabay

タトゥーが入っていると磁性体の影響によりMRIの画像が正しく出ない可能性があります。そのため、火傷とは別の理由でもMRI検査を断られる可能性があります。

タトゥーが彫られている箇所が検査する場所以外であれば問題ありませんが、火傷のリスクもあるのでやはり医師の判断によるところが大きいでしょう。

手首や足首のタトゥーでも医師との相談でMRI検査できる?

Free-Photos / Pixabay

手首や足首などにガッツリとタトゥーが入っている人でもMRI検査を受けたという報告は色々確認できます。

最近ではタトゥーやアートメイクとMRIに関する報告が多くなされており、昔よりも病院側の判断が緩和されているようです。MRI検査の必要がある方は一度意思と相談してみるとよいでしょう。

読影の得意な医師ならタトゥーがあっても正しく診断できる?

Free-Photos / Pixabay

読影の得意な医師であれば、タトゥーの影響により多少MRIの画像が乱れていても正しく読み取ることは可能なようです。ただし読影が得意な医師はタトゥーを嫌がるそうなので注意が必要です。

タトゥーを除去してもインクは体に残る?

milivanily / Pixabay

タトゥーを入れた後、何かしらの理由で除去することがあります。しかし見た目ではタトゥーが消えているものの、体内からインクが完全に除去できるわけではないことを認識ください。

そのため、タトゥーを除去したからと言ってここでご紹介したリスクが完全に排除できるわけではありません。

2018年の山本KID死去はタトゥーでMRIに入れないのが原因だった?

2018年に死去された格闘家の山本KIDですが、一部では彼のトレードマークである「全身の入れ墨」が原因だったのではないかと言われています。

山本KIDがガンになった原因はタトゥー?

ネット上では山本KIDがガンになった原因はタトゥーであるという指摘があります。タトゥーにより肝炎を引き起こし、これが肝臓がんに発展したというものです。

ただし、現代では針の使いまわしと言った不潔な行為はなされていないようなので、山本KIDがこうした不衛生な彫り方から肝炎を引き起こした可能性は低いです。

NEXT 山本KIDはタトゥーでMRI検査ができなかった?