
迷い家にたどり着いた人の体験談11選!アニメや漫画・小説にも?
「そこへ訪れた者は、富を得られる」東北地方、岩手県に伝わる迷い家は明治時代の遠野物語をきっかけに世に広まりました。今日では山吹静吽さんの小説、アニメや漫画など幅広く登場しています。今回は迷い家について体験者の証言やその特徴、真相まで迷い家の全てを解明します。
目次
[表示]「迷い家(マヨイガ・マヨヒガ)」とはどういう意味?由来は?
迷い家は東北地方や関東地方に伝わる山奥にあるとされている家です。山中道に迷ったものが偶然にも訪れる家として伝承されています。
迷い家の始まりは1910年に発表された遠野物語という説話集でした。では一体なぜ迷い家と呼ばれるようになったのでしょうか?
関東・東北地方に伝わる奇談「迷い家」とは?
迷い家は山奥にあるとされており、探そうと思って見つかるものではありません。山中に迷い込んだものの前に突然現れる幻の家とされています。
この家は廃屋ではありません。人はおらず無人なのですが何故か直前まで人が生活していたかのような生活感があります。
そこに訪れたものは家から何か持って帰ることが出来るとされており、その持ち帰ったもので富を築くと言われています。
1910年民俗学者の柳田國男が発表した「遠野物語」で知られている
迷い家が全国に広まったのは明治34年、民俗学者の柳田國男が逸話や伝承をまとめた説話集、遠野物語を発表したことがきっかけとされています。
「遠野物語」の由来となったのは佐々木喜善の「迷い家」
柳田國男が書いた遠野物語の情報源は、岩手県遠野市出身の佐々木喜善という人物から教わったとされており、その説話の中に迷い家がありました。
実際には佐々木喜善の話しをそのまま書き記したのではなく柳田國男により少し手が加えられたのではないかとされています。
怖いだけじゃない!「遠野物語」63話では幸運をもたらした
迷い家は恐怖系の類として捉えられがちですが、第63話では女性が山中に迷いこみ運良く迷い家にたどり着きます。ですが女性は何も取らず帰ってしまいます。
後日、迷い家のある山に繋がる川からお椀が流れてきました。女性はそれを米を量る道具に使っていましたが、それ以来米が全く減らないようになりました。
女性は結局授かったお椀によって村の長者になり幸せに暮らしたとされています。
「遠野物語」64話の結末は幸運を逃している
不幸な結末ももちろんあって、迷い家に一度訪れたことがある山崎の聟という人物は同じく欲をもった村人数人を連れて迷い家を捜索します。
ですが探せど探せど家は見つからず、山崎の聟は一緒に連れていた村人に恨まれ、結局富を授かることはできませんでした。
「迷い家」にたどり着いたことがある人は?その体験談を覗く
現代でも迷い家に行ったのではないかとされる体験が後を絶ちません。ここでは実際に迷い家までたどり着いたとされる体験談をまとめました。
そもそも迷い家(まよいが)とは?怖いものなの?
迷い家は柳田國男が発表した遠野物語の一説にありました。山奥に突然現れる家であり、訪れた者はその家から物品を持っていっても良いとされています。
家の中はさっきまで人がいたかのような雰囲気を醸し出しており、遠野物語では無人ですが体験談では実際に人物にあったという証言もあります。
「迷い家」体験談①地図アプリがバグる!?鳥取から広島への道中
男性は1人で長距離ツーリングを計画し、日帰りで広島から鳥取までを往復するという少し無謀な小旅行を決行します。
鳥取砂丘を見た後、広島に帰ろうとツーリング用の地図アプリを使っていましたがここから異様な体験をすることになります。
山中を走行中、電波は良好でしたが突然アプリが誤作動を起こします。それどころか道はまっすぐなのに同じ道を何回も走っていました。
しばらく走っていると後ろからパッシングしてくる車に気づいたそうです。体験者はアプリを見ながら走っていたのでかなり遅いスピードでした。
抜きたいのかなと思い、急カーブを曲がったところで道の端にバイクを止めてやり過ごそうとしましたが後ろにいた車は一向に来ません。
道は1本道で脇に止めるスペースもなかったと体験者は語っています。不可解と感じながらアプリを見ると案内が直っていたので急いでバイクを走らせます。
しばらくアプリを頼りに走ると「目的地に到着しました」と言ったので周りを見渡すと、ペンションのようなお店が1軒ありました。
家の中は無人でしたが電気はついており声をかけても反応がありません。さっきのパッシングの車の事もあり、男性は恐怖のあまり友人に電話します。
友人の誘導でなんとか街まで戻れましたが結局あの家はなんだったのか、パッシングしてきた車の意図もわからずじまいということです。
「迷い家」体験談②二度とたどり着けない
専業主婦をしていたAさんは今から15年ほど前に自分もバイト程度でいいから稼ぎたいと思いこまめに求人に目を通していました。
見つけたのは隣町にオープン予定の画廊カフェ。Aさんが面接を受けにいくと高齢の姉妹らしき2人が経営者のようでした。面接の結果は惜しくも不採用でした。
運悪く不採用でしたが、その後、あの店はどうなったのかと思い行ってみたものの、どういうわけか場所が見つからないのです。
その後も何度か挑戦しましたが結局見つけることはできませんでした。その周辺でカフェをオープンしたという事もなく、結局あの姉妹がどうなったのかもわかりません。
「迷い家」体験談③友達の前から突然消える!?主人のお婆さんに会える家
A君は小学校5年生の時、クラス替えで一緒になったB君と仲良くなり、学校が終わるといつも一緒に帰るようになりました。
ですがある日、B君とケンカしてしまったA君はまっすぐ家に帰るのが嫌になり、いつもは直進する道をいかず、わざと脇道の獣道へと入って行きました。
しばらく歩くと急に道が開けており、正面にお寺の門のようなものが見えました。A君は興味にかられその奥へと入って行きました。
お寺の門をくぐりしばらく行くと藁葺き屋根の家があり老婆が現れ煎餅とお茶を出してくれました。A君はB君とケンカしてしまったことを老婆に相談します。
老婆は優しく聞き入れてくれ、A君は明日B君と仲直りすることを老婆と約束し帰ろうとすると、老婆は湯呑みをA君にあげようとします。
ですが高そうな湯呑みだったのでA君はお礼だけ言ってその家を後にしました。後日B君と仲直りしたA君は昨日の老婆の話をし、B君と一緒に再びあの家を探しに行きました。
獣道を一緒に歩いているとA君が昨日の門に続く草むらを見つけて先に入っていきました。家に着くと老婆は留守のようで、お礼の手紙を書いている途中にB君がいないことに気づきます。
急いで引き返し草むらを抜けるとB君が呆然としたまま立っていました。B君によるとA君が草むらに入っていったので続けて入っていくとそこは崖になっておりA君の姿がなくなっていたと言います。
なぜあの時A君だけが家に行けたのか、なぜ老婆は湯呑みを渡そうとしたのかなど疑問点が多く残りますが真相は今だ解明されていません。
「迷い家」体験談④別次元に存在する?消える家
小学校5年生のY君が、両親・妹と松茸狩りに出かけた時のことでした。妹とY君は松茸狩りにすぐ飽きてしまい、山の尾根で休憩することにしたそうです。
しばらくして妹が向こうの山を指さして「お宮さんみたいなのがある」と言いました。その方向を見ると確かに古びた神社のようなお寺のような建物が立っています。
2人は建物のことを話しに両親のもとに戻ると父親は「この周辺にはYが見たような建物はないよ」と否定されました。もう一度尾根に戻ると確かに建物が確認できます。
Y君と妹は見間違いではないこと確認し再度両親に説明しましたがやはり信じてもらえず、その日はそのまま帰宅しました。
納得できないY君は次の日両親と一緒に昨日の山に登り事実を証明しようとしましたが昨日確かにあった建物はなくなっており、両親からは大人を騙したと強く怒られてしまいました。
実際に確認しに行こうにも家がある場所は急峻で、かなり危険な場所なので未だに行けていないとのことです。
「迷い家」体験談⑤山の狩人が話す迷い家
林業に勤めている方が田舎に転勤した時に仲良くなった御年80歳のご老人から聞いた迷い家の体験談です。そのご老人は20代の頃から農業の傍ら猟師もしていました。
ご老人の男性によると迷い家には2度訪れたことがあると言います。1度目は20代の頃、ベテランの老猟師と一緒に行動いていると山奥に突然立派な屋敷が現れました。
それを見るなり老猟師はここから離れるように言いました。老猟師曰く、あんな深山の中腹に屋敷を立てる者はいない、例え迷い家でも物を盗って幸福になるわけがない、とのことでした。
2度目は男性が50歳代の頃、昔と同じく、今度は与一という弟子を連れていました。与一はかなり図々しい性格で言うことを聞かないので村の一部の人たちに嫌われていました。
与一とともに山奥に入ると1度目と同様、あり得ない場所に新築のような家がありました。与一は当時のご老人に「なぜこんなところに新しい家があるのか」と尋ねました。
男性は迷い家の話しを聞かせましたが与一は「おもしろそうだから」と聞く耳を持たず、ご老人の静止を振り切って家の中へ入っていきました。
後を追う勇気がなかった男性は茂みに隠れて与一を待ちます。しばらくして家から与一が出てきました。与一はどこか目が虚ろで生気がありません。男性は急いで与一に駆け寄ります。
大丈夫かと聞くと「何にもなかった。誰もいないしおもしろくねー」とつまらない表情です。与一の無事に安堵した男性は与一を連れて村に戻ることにしました。
その1週間後に与一は急性心臓病で亡くなりました。男性は当時を思い出しながら「与一はあの家で何か持ち帰ったか、何か見たのかもしれん」と申し訳なさそうに言いました。
「迷い家」体験談⑥広島から山口の県境
体験者の男性は山奥に住むおばあちゃんに婚約者を紹介するため、婚約者と母親と婚約者を車に乗せて走らせていました。おばあちゃんの家に行くにはダムを渡らなければいけません。
ですが結婚の報告で気分が高揚していた3人は、冒険心でダムを横切って行ったことが無い山道を走ることにしました。近くの看板を見てもこのまま行くとおばあちゃんの家にたどり着きそうです。
ですがだんだん道は悪くなり、最後はカーナビが非表示になりケータイも県外になってしまいました。不安そうな婚約者と母親を横目にさらに道なりに進むと1軒の家に着きました。
その1軒家は藁ふき屋根で今では見ない大昔の家でした。車から降りようとしていた婚約者と母を引き留め、車をなんとか切り返して元来た道を走り出した時、バックミラー越しに勝手口が開くのが見えました。
必死で車を走らせ、その日はなんとかおばあちゃんの家にたどり着きました。あれから10年以上たった今もあの家の正体はわからないままです。
「迷い家」体験談⑦四角い小屋
こちらは少しニュアンスが違いますが迷い家によく似た家を数回にわたって見ているようです。A君は小学生の時によく白くて四角い小屋に遭遇していました。
その小屋は急にA君の視界に現れるそうで次の日に確認しに行くと小屋が無くなっているのです。小屋があった形跡すらなく雑草が生えているのだとか。
A君の家の近くに出現したときはさすがにA君もゾッとしたと言います。結局大人になるにつれ見なくなり、あれが何だったのか未だにわからないようです。
「迷い家」体験談⑧見覚えのない家と人影
中学2年生のMさんは合唱団の仲間たち5人と日曜の練習を終えて帰っていました。すると2階建てのアパートに気づきます。そのアパートは一見普通なのですが何かがおかしい。
仲間たちと「こんなのあった?」と言いながらアパートの周りを見てみることにしました。すると何がおかしいのかがわかりました。2階建てなのに2階に続く階段がどこにもありません。
「なんで?」と不思議になっていると一階の部屋の磨りガラス越しに人影が見えて大騒ぎしながら逃げ帰りました。次の日確認しに行くとやはり建物はなくなっていたそうです。
「迷い家」体験談⑨よく行っていた彼氏の家が突然なくなる
この体験談も少し変わっています。Bさんの彼氏の家の話しです。彼の家にはいつも夜に行っていました。玄関に入ると大きなキッチンと大きなテーブルがありました。
キッチンは必ず電気が消えており彼氏以外の家族を見たことはありません。「おじゃましま…」と言いかけると「声出さないで」といつも怒られていたそうです。
家族にばれたくなさそうだったので、Bさんはイタズラでキッチンの端に小さなぬいぐるみをおいて帰りました。その次の日から彼氏と連絡が取れなくなり家もなくなっていたそうです。
「迷い家」体験談⑩オカルトスポットにもなっている小人の家
合コンで知り合った男性と心霊スポットに肝試しに行った時の体験談です。男性が運転で体験者と友達の女性の3人で行ったのですが、急に男性が「小人の家があるの知ってる?」と言い出しました。
興味が湧いた女性たちは小人の家を見に行くことにしました。車で10分ほど走って着いたのは酒屋の自販機の前。そこは住宅街で「こんなところに?」と疑問に思いながらも男性に付いていきました。
5分ほど歩いたところにその家はありました。軒並みに家があり、そのうちの一軒が明らかに他の家の半分程度の大きさしかありません。玄関も1mほどしかなくかなり異質で浮いています。
あまりの異様な光景に心霊スポットに行く気も失せてしまい、その日はそのまま帰ることになりました。それから友達の女性とも疎遠になり1年が経過していました。
たまたま友達同士の繋がりで女性と再会することになり、話は小人の家のことで盛り上がり、もう一度小人の家を確認しに行くことになりました。当時の男性にも連絡してみましたが音信不通になっていました。
体験者と友達で当時の記憶を頼りに車を走らせると当時車を止めた酒屋の前の自販機を見つけました。ですがそこから徒歩でいくら探しても小人の家は見つからず、男性も最後まで連絡が取れず仕舞でした。
「迷い家」体験談⑪消えた山寺
体験者が中学で剣道部だったころ、町にあるお寺に合宿することになりました。そのお寺の住職が中学生の寝る前に聞かせてくれたという迷い家のお話しです。
昔々、この町の周辺に住む村人は山には滅多に入らなかったそうで入る場合は必ず大人数人で踏み鳴らした道から遠く離れないようにしていました。それでも何かの拍子に迷子になってしまうものがいたそうです。
迷子になった者の前には時として山寺が現れると言います。普段は存在しておらず、道に迷った者の前にだけ姿を現すそうです。その寺は表戸が開いており、ろうそくが灯り線香もついているが人の気配がないのです。
この寺から無事に見知った道に戻るには方法があります。間違ったやり方をすると一生脱出できません。元の道に戻るには本堂のお釈迦様の像の後ろに地下に通じる穴があります。
中は明かりが無く真っ暗ですが必ず目をつぶってどちらかの手で壁を伝いながら歩かなければなりません。すると突然壁の感覚がなくなり目を開けるといつもの見知った場所に出てこれるらしいです。
もし目を開けて洞窟を歩いたり、穴に入らず山をさまよってもただ迷い続けるだけでそのまま息絶えてしまうのだとか。
この山寺に遭遇したら最もやってはいけないことがあります。それは決して寺の物を持ってきてはいけないことです。もしも欲が出て持って帰ってしまうとその人は無事に帰れるが名前を失くしてしまいます。
住職はこのことについて詳しく話してくれませんでしたがおそらく名前を失くすということは家族含め村の人たちが誰も自分のことを覚えていない、存在していないことになっているのではないかと推測されます。
住職は生徒を怖がらせようと作った話なのかもしれませんが突然建物が現れることや物品をもってかえってはならないなど迷い家と非常に似ています。もしかすると住職は迷い家について何か知っているのかもしれません。
「迷い家」の特徴は?本当に存在するのか
多数の体験談が報告されている迷い家ですが果たして本当に迷い家は存在するのでしょうか?そこには遠野物語の舞台になった岩手県遠野市に意外な事実が隠されていました。
「迷い家」の特徴は?
迷い家の大まかな特徴としては「山奥で迷った者の前に忽然と現れる」や、「山奥で迷った者の前に忽然と現れる」などが見られます。
また「欲のない者の前に現れやすく、欲深い者の前には表れにくい」や、「迷い家に訪れたものは家の中から物品を持ち出しても良く、持ち出した物品によって富が得られるとされる」などの共通点もあります。
現代の体験談では物品を持ち帰ると逆に不幸になる場合が多いようです。
「迷い家」の真相は?地名もはっきりと関われているが跡地はない?
実は柳田國男が出した遠野物語では、迷い家の特徴の他に屋敷が岩手県遠野市の白見山の山中にあると記述されています。
屋敷までの大まかな地図まで書かれているそうですが、現在までに迷い家と思われる家や跡地は報告されていません。
「迷い家」の真相は?明治時代遠野市は異世界への入り口と言われていた?
柳田國男が岩手県遠野市を選んだ理由は明治時代から「遠野市は異世界の入り口がある」という言い伝えがあり不可解な現象や逸話が数多く語られていたためだと考えられます。
実際に遠野物語では神隠しなど他の異世界に関する説話が載せられています。