
「狐の窓」の方法は?妖怪が見える伝説は本当?危険体験も
狐の窓とは古来より伝わる「妖怪を見破る」方法です。小学校の教科書でも取り上げられているため名前くらいは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?今回は狐の窓の作り方や呪文、またおそ松さんなどのアニメとコラボ情報についてご紹介していきたいと思います。
目次
[表示]「狐の窓」って何?妖怪が見える方法?
狐の窓を使うことで人に化けている妖怪を見破ることができます。ここでは狐の窓の基本情報についてご紹介していきたいと思います。
狐の窓とは?
狐の窓は指組の型で、狐の窓を正しく行うと人に化けている妖怪を見破ることができると言われています。
狐の窓は古くから存在する狐の伝承です。正しく指組みをして狐の窓をつくり、呪文を唱えた上で狐の窓から向こうを覗くことで様々なものを見えるとされています。
狐は人を化かすと信じられていたことから物の正体を探るという意味合いで、「狐」の窓と名付けられたと考えられています。
狐の窓では何が見える?妖怪?
狐の窓では人に化けた妖怪の姿を見ることができます。また、雨の日に狐の窓を作り除くことで狐の嫁入りを見ることもできるそうです。普段は見えないものも見えてしまうようですね。
狐の窓は別名「狐格子」ともいう
狐の窓は別名・狐格子とも呼ばれます。家や蔵などの高い場所に取り付けられた窓のことも「狐格子」や「狐窓」と呼ぶことがあるのですが、これは外からはこちらの様子が見えないという構造に因みます。
天窓などの高い場所に取り付けられた窓は、建物の内部からは外の様子(多くの場合は空ですが)が見えるものの、建物の外からは壁によじ登りでもしない限りは中の様子が見えません。
「こちらからは見えているが、そちらからはわからないだろう」というつくりの狐格子や狐窓。この名称も狐は人を化かす、正体を隠す、騙すといった伝承からつけられたと考えられています。
「狐の窓」の方法は?詳しく解説!
狐の窓により人に化けた妖怪の姿や狐の嫁入りを見ることができるのは分かりました。しかし、そもそも狐の窓とは具体的にどのような方法で行うのでしょうか?
ここでは狐の窓のやり方について詳しくご紹介していきたいと思います。
「狐の窓」の方法①組手を作る
まずは狐の窓を作ります。具体的には以下の手順に沿って組み手を作ります。
- 両手で狐の形(人差し指と小指を立てる)を作ります。次に右手をひっくり返し手の甲を内側にします。
- 右手の小指で左手の人差し指をキャッチします、同様に左手の小指で右手の人差し指をキャッチします。
- その状態で中指と薬指を伸ばします。そして、親指で中指と薬指をそれぞれロックします。
上記手順を正しく行うと、真ん中にひし形の隙間ができると思います。これが狐の窓であり、ここから向こう側を覗いていきます。
「狐の窓」の方法②呪文を唱える
前述で作った狐の窓に効力を持たせるためには呪文を唱える必要があります。「けしやうのものか、ましやうのものか正体をあらわせ。」という呪文を3回唱える必要があります。
「けしやうのものか、ましやうのものか正体をあらわせ。」を現代の言葉に訳すと「化けている物(妖怪)か、魔障の物(悪魔)か正体を現せ」という意味になります。
「狐の窓」の組手は難しい?
前述の画像からも分かりますが、狐の窓は複雑に手を組み合わせる必要があります。絵では指がまっすぐになっているように見えますが、こんなに簡単ではありません。
実際に組んでいただければわかるかと思いますが、かなり難しいです。ネット上でも「狐の窓むず」「組もうと思ったらめっちゃ辛いなコレ」いったコメントも見受けられます。
「狐の窓」の組手は痛い?
実際に組んでみると分かりますが、狐の窓を組むと中指と薬指がアルゼンチンバックブリーカーのごとく思いっきり反ります。そのため、指が固い人にとっては滅茶苦茶痛いそうです。
そもそも指が固すぎて狐の窓を組むことすらできないという人もいるそう。狐の窓は指のストレッチとしても役に立ちそうですね。窓の作り方は人によってはかなりの苦痛であるようです。
「狐の窓」で霊感をチェックする方法も!
狐の手で簡易的な霊感チェックを行うことができると言われています。この方法は両手で組む狐の窓ではなく、片手で作る狐を利用します。
まずは狐を作ってください。そうすると、小指と人差し指が耳になっていると思います。次にその小指と人差し指をくっつけてください。もしくっつくようであれば霊感体質である可能性があります。
くっつくかどうかは小指の長さが関係しており、小指が長いほど成功率が上がります。そして小指が長いほど霊感体質であると言えるのです。
「狐の窓」伝説は本当?体験談や危険性は?
狐の窓の実践方法はご紹介した通りです。これで狐の窓ができるようになりましたね。そうすると次に気になるのは「本当に妖怪が見えるようになるの?」ということだと思います。
ここでは狐の窓に関する真偽などについてご紹介していきたいと思います。
「狐の窓」は危険?お狐様が憑く?
狐の窓は妖怪の本質を見抜く力を持っています。しかし、逆に言うと妖怪からも「自分が見られている」ということがばれているということを理解してください。
「深淵を覗くものは深淵からもまた覗かれていること」に気付く必要があるのです。生半可に見てしまうと逆に取りつかれてしまうかもしれませんね。
また、お狐様などの上位霊に憑りつかれてしまうと簡単には祓うことができませんので注意が必要です。
「狐の窓」は取り憑かれているか見分けがつかない?
低級霊であれば狐の窓によりその正体を見破ることができるかもしれません。しかし、お狐様のような上位霊では憑りつかれているかどうかの判断が簡単にできません。
こうした自分の力を隠すことができるような妖怪に憑りつかれている場合、狐の窓をもってしても憑りつかれているか分からない可能性があります。
他人から「狐の窓」で自分を見られたら危険?
他人から「狐の窓」で自分を見られた場合、判明する情報は「自分が憑りつかれているかどうか」です。そんなこと知りたくもないですよね?
そのため、他人から見られたら危険というよりはわざわざそんなことを知らなくてもよい、逆に知ってしまうとショックが大きいという観点から自分を見られない方がよいとされています。
しかし、お祓いなどのため正式に妖怪を見る必要がある場合は別です。霊能力者に存分に見せつけましょう。そして一刻も早く祓ってもらうことを祈るばかりです。
狐の窓から人に息を吹きかけてはいけない?
狐の窓を覗いた時、妖怪が見えた場合は組んだ指に口を近づけて妖怪に向けてフッと息を吹きかければ相手を消すことができるそうです。
長野県北安曇郡では、狐の窓から狐火が見えた時には「狐食ってうまかった、尻尾の先には窓がかかった」と唱えて3度息を吹きかければ狐火が消えるという伝承もあるといいます。
しかし人間に対して狐の窓から息を吹きかけてしまうと、相手の人間は病を患って死んでしまうという危険な注意事項も同様に言い伝えられています。
「狐の窓」は本当なの?作り話?
狐の窓は古くからある伝承なので、最近よく目にする「ネットで生まれた怪談」などではありません。
しかし、具体的に何かが見えたという報告が少ないため実現性については大いに疑問です。
そもそも最初から作り話だったのか、それとも現代人の感性が衰えていった結果、狐の窓を持ってしても妖怪を見抜くことができないようになってしまったのでしょうか?
狐の窓の伝承が見られる文献
狐の窓について書かれている文献は多く、上の画像は文政2年に編纂された『新板化物念代気』に掲載されていたものです。(画・歌川国丸)
文政13年に編纂された『嬉遊笑覧』という江戸時代後期の風俗や習慣を記録した書物にも、子供に流行した遊びとして狐の窓が紹介されており、江戸時代の市井の人々の中に狐の窓が浸透していたことがわかります。
「狐の窓」の体験談①狐の窓をやってみた動画
女性2神組が狐の窓を検証した動画です。実際に狐の窓を作り窓を覗きますが何も見えません。途中「声が入っている」と言っていましたがよく分かりませんでした。
なお、幽霊ならぬ「虫」につかれています。女性にとってはある意味幽霊よりも恐ろしい結末となってしまったのではないでしょうか?
「狐の窓」の体験談②狐の窓に失敗
教えてgooでも狐の窓を実践した人の体験談が載っています。その人は心霊スポットがある地域に住んでいるようであり、朝に狐の窓を行ったところ霊などは見えなかったそうです。
「狐の窓」に成功した人はいない?
ネット上で狐の窓が成功したという人の体験談を見つけることはできませんでした。
中には成功した人もいるのかもしれませんが、少なくとも成功率はものすごく低いようです。
「狐の窓」で見えるものは幻覚?統合失調症の一種という声も
狐の窓はもちろん科学的な根拠がありません。そのため、一部では「狐の窓でもし何か見えた人がいるならそれは幻覚である」という声も挙がっています。
統合失調症の人は現実と妄想の区別がつかなくなってしまうため、妄想上で見えている何かを現実に見てしまったと思い込んでいるのである、という理論です。
「狐の窓」ネットでの反応は?
古来から伝わる狐の窓ですが、ネット上ではかなり人気がある伝承として知られています。ここでは狐の窓を巡るネット上の反応についてご紹介していきたいと思います。
Twitterや2chでは地味に話題になっている?
狐の窓はTwitterや2chで地味に人気があります。何かテレビの特集で取り上げられるなど人気に火が付く理由があるわけでもないのに定期的に投稿やスレが挙がっているのです。
Twitterでは「いいね!」や「リツイート」が伸びまくっている!
Twitterでも度々狐の窓の手組みの方法について投稿されています。これらの投稿は非常に人気があり、「いいね!」や「リツイート」が伸びまくるという特徴があります。
手組みのやり方が忍者の「九字の印」のような雰囲気があるため、真似をしてみようという人が多いのかもしれません。
2chでも狐の窓は度々話題となっており、いくつものスレが立ち上がっています。「お前ら狐の窓組める?」などのスレでワイワイと盛り上がっている姿が印象的です。
「そもそも怖くて覗けない」という声も
手組み、呪文、そして妖怪の正体を見ることができる。かつ特別な修練も道具も必要なく簡単に試すことができるとあって狐の窓は非常に人気が高いですが、逆に妖怪を見てしまうのが怖いという人もいます。
ネット上でも「そもそも怖くて覗けない」といった声も多数挙がっています。一種の簡易的心霊スポットみたいなものなので、心霊スポット巡りができないような人は覗くことすらできないようです。
狐と人間、妖怪との深い関わりとは?
古来より狐は人間・妖怪と深いかかわりがあるとされています。ここでは狐と妖怪に関する関連性についてご紹介したいと思います。
稲荷神社と人間
稲荷神社は狐の「お稲荷様」が有名ですね。ではなぜ稲荷神社で狐が祀られるようになったのでしょうか?
一説には「春に訪れ、収穫が終わったら山へ帰っていく。この行動が作物の成長を手助けしていると捉えられ、豊作祈願である稲荷神社で狐が祀られた」と言われています。
また、畑を食い荒らすネズミを食料としているため、豊作の神の使いであるという認識から狐が祀られるようになったという説もあります。
「狐」の名前の由来
狐の名前の由来は「人を化かした」ことからつけられていると言われています。かつて人間の女に化けて男と暮らしていた狐は旦那に正体がばれてしまいました。
家を出ようとする狐に対し、「今まで一緒に暮らした情もあるから、いつでも好きな時にきて寝てもいいんだよ」と伝えたそうです。そこから「来て寝」⇒「きつね」となったと言われています。