ソーカル事件の真相!アランソーカル、前代未聞の知的詐欺で巻き起こった論争 社会

ソーカル事件の真相!アランソーカル、前代未聞の知的詐欺で巻き起こった論争

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多くの著名人を批判

ジャック・ラカン、ジュリア・クリステヴァ、ポール・ヴィリリオ、ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ、リュス・イリラガイなど、たくさんの現代思想家達を長文で批判しています。

出版物の量も、招待講演も、大陸哲学、批評理論、精神分析、社会科学といった分野で中心人物である知識人達にいかに物理学・数学の概念を不正確に使用しているかを伝えたいか、気持ちがこもった内容です。

文脈から切り取られているという批判を避ける意味もあり、長文での引用のようです。

王様は裸だと指摘すること

ソーカルとブリクモンは、彼らの批判の目的について以下のとおり述べています。

我々の目的は、まさしく王様は(そして女王様も)裸だと指摘することである。しかし、はっきりさせておきたいのだが、我々は、哲学、人文科学、社会科学一般を攻撃しようとしているのではない。それとは正反対に、我々は、これらの分野が極めて重要であることを認めており、明らかにインチキだとわかるものについてのみ、この分野に携わる人々(特に学生諸君)に警告を発したいだけなのだ。特に、ある種のテクストが難解なのは、極めて深遠な内容を扱っているからだという評判を『脱構築』したいのである。多くの例において、テクストが理解不能に見えるのは、他でもなく、中身がないという見事な理由のためだということを知っていただきたいのである」

(引用:ニコニコ大百科)

サイエンスウォーズ

サイエンス・ウォーズとは、簡単にいうなら「現代科学論者」と「科学者」の論争のことです。

ソーカルの疑似論文が載ったのは、科学論における社会主義に対する批判への反論、ポストモダン哲学批判への反論を集めた特集号「サイエンス・ウォーズ特集号」でした。

ソーカルへの賛否両論

『ソーシャル・テキスト』誌に投稿した論文を、別の雑誌で自分の類似投稿を告白するという行動に、社会的な注目を集め、一般向けのジャーナリズムと専門家向けの出版界に衝撃を与えました。

ソーカル自身、疑似論文を無意味なものと見抜けなかった編集者を、最悪の自滅行為と嘲笑しました。以後「サイエンス・ウォーズ」という言葉はソーカルに対する賛否両論の立場から用いられるようになりました。

ソーカル事件のその後・日本での論争

ソーカル事件、ポストモダンなどをそれぞれの視点で語っては、批判殺到、炎上がおこるなど、度々論争が起こりました。

浅田彰

浅田彰さん著「構造と力」の一部記述で、論争が繰り広げられました。書籍でソーカルらの批判の問題に触れているのですが、これに対して、山形浩生さん(評論家・翻訳家)が反論しています。

雑誌「批評空間」の公式ウェブサイトで浅田さんが返答をすれば、黒木玄さん(数学者)が出てきて反論し、もしかすれば炎上かと思われました。黒木さんは山形さんを擁護します。

これに対し、菊池和徳さん(大阪大学数学教室)は浅田さんの文脈に間違いはないと擁護し、論争が激化模様、最終的には山形さんも掲示板で間違いを概ね認め、状況が鎮火しました。

仲正昌樹

「月間極北」のブログでトラブルになった仲正さん。ブログを閉鎖する対処をとらなければならなくなりました。ソーカル事件、ポストモダンのことに触れて話をされている方です。

仲正昌樹さんのコラム10回目に掲載されている内容に異議がある投稿者らしき人が仲正昌樹さんの誹謗中傷をツイッターで流していたそうです。

そこで、その時点で唯一出来る事として、情報の拡散を避けるべくいったんブログを閉じ、炎上を鎮めなければならなくなりました。

山川賢一

山川賢一さんは(文芸評論家)東博規さん、千葉雅也さんの著書に批判的な方です。

東博規さんの「動物化するポストモダン」を「物語の作家性やテーマが衰退しており、これが近代の終りである」という表現に意図的に誤読を招くとして批判しています。

同じく千葉雅也さんの著書にも批判的です。そんな山川さんに仲正昌樹さんが批判をしました。過度にソーカル事件に依拠したり、他者を批判する際の品格についてシビアな批評をしています。

東浩紀氏も批判の対象?

ポストモダン論からオタク文化から現代社会・文化・思想に関して幅広い発言・論考を展開している方です。

ジャック・デリタ、ジャックラカンを援用しながら、独自の思考をで著書を発行しています。その中の一冊「動物化するポストモダン」は先に述べたとおり批判対象になっています。

ソーカル事件と小保方氏のSTAP細胞騒動が関係?!

学術雑誌に投稿された論文の内容を審査し、掲載するかを判断する制度(レフェリー制度)があるので、不備、誤りがあれば論文は、掲載されることはないのです。

STAP細胞騒動について

当時理化学研究所の研究ユニットリーダー小保方晴子さんらが「STAP細胞」の研究を発表しました。

これまで発見されたES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)といった多能性細胞と比較して作製法が格段に容易で、胎盤への分化能をも有するので、再生医療等への貢献が大いに期待されたのです。

しかし論文の発表直後から、追試実験が成功しないことや論文の記載に多くの不備があることが指摘され、理化学研究所によって論文に研究不正があったとされ騒動になりました。

学問の世界の闇が明らかになった事件

学問界が抱える審査の不備や、権威へのへつらい、独善的姿勢といった闇が浮き彫りになった事件でした。

査読の甘さが引き起こしたソーカル事件がいかに、学問の闇を浮き彫りにし大切なことに気が付かせてくれたことでしょう。

「STAP細胞騒動」も査読の甘さがなければ、このような展開を防ぐことが出来たはずです。

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逆ソーカル事件?ボグダノフ事件とは

1996年のソーカル事件のパターンとは逆の事件が6年後起こります。投稿した論文が悪質ないたずらと疑われて、思わぬ展開になった騒動です。

ボグダノフ事件の経緯と概要

フランスの双子の兄弟でイゴール・ボグダノフ とグリシュカ・ボグダノフ著の理論物理学の論文が正当であるか、否かと学術論争が起こり、騒動になりました。

彼らの論文は手の込んだ悪戯だという風説が2002年頃にネットニュースサイト・ユーズネットのニュースグループ上で広まってしまうのです。

この論文は物理学に貢献するか、無意味かという議論が多くのインターネット上のフォーラムへと広がって論争となり、メディアでも大きく取り上げられました。

ボグダノフ事件のその後

2人はネット上の議論に偽名で参加したり、偽名には実在の物理学者や数学者の名前を勝手に使い自作自演を繰り返すようになります。

多くの物理学者は論文はナンセンスと断言しています。結果的に論文の査読制度、博士号授与の基準の見直しのきっかけとなった事件でした。

審査制度(レフェリー制度)の重要性

このような事件で騒動になったことで、審査制度(レフェリー)制度の重要性が高まっています。

学問の世界の闇を克服するためには重要な制度でしょう。学問に関する事件を侮ってはなりません。ここで挙げた事件は査読がしっかりなされていれば、大事にはならなかったのではないでしょうか。

インターネットを利用して簡単に情報を閲覧できる今日、情報の整理を今後もしっかりすることが引き続きの課題です。

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