ヒンターカイフェック事件の犯人を推理!事件の真相は?現場写真あり 社会

ヒンターカイフェック事件の犯人を推理!事件の真相は?現場写真あり

ヒンターカイフィック事件はドイツで起きた謎に包まれた事件です。今となっては真相を知るものはいなく、犯人も誰かはわかっておりません。小説などの題材としても使われていて、さらに有名になりました。ヒンターカイフィック事件の犯人や、真相についてまとめました。

目次

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ヒンターカイフェック事件とは

ヒンターカイフェック事件は、1922年にドイツのバイエルン州にあるヒンターカイフェックという農村で、6人の住人が何者かに殺された事件です。現在も犯人はわかっておらず、未解決事件として扱われています。

この事件はドイツ史上で最も謎の事件と言われており、1888年にイギリスで起きた切り裂きジャック事件に並ぶ未解決事件とされています。

事件後にはヒンターカイフェックの村民らが容疑者としてピックアップされ、数百人もが警察の取り調べを受けたものの、有力な手がかりは一つも得られなかったといいます。

現在でも事件の謎を解こうと試みる人が跡を絶たず、事件現場となった農場跡地に建てられた被害者を追悼する石碑は、観光スポットにもなるなど、世界的に有名な事件の一つです。

ヒンターカイフェック事件の概要

ヒンターカイフェック事件は、1つの家の住人全てが皆殺しにされるという悲惨な事件でした。この家は村の外れにあり、事件が起きた後もしばらく気づかれませんでした。

事件の発見が遅れた事もあり、犯人は見当たりませんでした。犯人の見当もつかない上に、目的もよくわからなかったのです。

この事件を捜査したミュンヘン警察は、犯人の居た痕跡を見つける事は出来ましたが、結局誰が犯人だったのか、何が目的だったのかは分からず終いでした。

ヒンターカイフェック事件の犠牲者

ヒンターカイフェック事件で犠牲になった6人とは、農場主で大黒柱であるアンドレアス・グルーバー、そしてその妻のツェツィーリアのグルーバー夫妻の2人。

その娘であるヴィクトリア・ガブリエル、さらにその娘で長女のツェツィーリア、息子で長男のヨーゼフ、ヴィクトリア・ガブリエルは未亡人で夫はいませんでした。

残りの1人はグルーバー夫妻の使用人として雇われたマリア・バウムガルトナーです。長女のツェツィーリアはまだ7歳で、ヨーゼフは2歳という幼さでした。

犯人はまずアンドレアスとその妻のツェツィーリア、2人の娘のヴィクトリアとヴィクトリアの娘のツェツィーリアを納屋で殺害、その後に母屋にいたヨーゼフとマリアを殺害したとされます。

被害者が発見された犯行現場(写真あり)

この写真は実際にヒンターカイフィック事件の起きた家の写真です。発見時の遺体には、激しい恨みを感じさせるような痕が見られました。

家長のアンドレアスの遺体は右の頬骨が露出しており、孫娘のツェツィーリアは下顎の骨が砕かれた状態で遺体が発見されています。

アンドレアスの妻とヴィクトリアの遺体にも殴打痕の他に首を締められた跡があり、犯人の残虐性を窺わせました。

一家殺害の4日後に遺体が発見される

事件が起きた1992年3月31日、アンドレアスの孫娘のツェツィーリアが学校を無断欠席したこと、そしてヴィクトリアが所属している聖歌隊の練習に姿を見せないことから、彼女らを心配する声があがりました。

また郵便配達員は3月31日以降、グルーバー家の郵便物が溜まり続けていることに不審感を感じていたといいます。

更に4月4日にはグルーバー農場を訪れた機械技師が、頼まれていた機械修理のために5時間も滞在していたにもかかわらず、一家の誰も姿を見せなかったことを明かしています。

これらのことから3月31日以降、誰もグルーバー家の人を見かけていないと村人の間で話題になり、4月4日に農場を訪れたところ、納屋にも母屋にも鍵がかかっていて人気が無いことが発覚。

心配した村人が納屋の鍵を壊して押し入ったところで、アンドレアスら4人の遺体が発見されたのです。

納屋の屋根裏に犯人がいた形跡あり

Papafox / Pixabay

ヒンターカイフィック事件での被害者の遺体が見つかった翌日に、ミュンヘン警察の捜査員は到着しました。発見が遅れた事もあり、事件当日から数日たっていました。

ミュンヘン警察の納屋の検視によると、犯人は屋根裏に物音を消すための藁を敷いて潜んでいた事が発見されました。寝ていた後と思われる凹みもあり、何者かが潜んでいたのは間違いないようです。

さらにアンドレアス・グルーバーの敷地を簡単に見渡せるように、屋根の瓦も数枚外されていました。

凶器は事件翌年に発見されたつるはし

検視を行ったミュンヘン警察は、納屋の屋根の痕跡だけではなく、犯人が殺人に使ったと思われる凶器も発見しました。その凶器は固い地面などを砕く時に使われる道具の、つるはしでした。

これもあくまで可能性という話で確実に犯人が使用したとは言い切れませんでしたが、血液や脳の一部がこびりついていたことから、ミュンヘン警察はつるはしが凶器だったと見て捜査を進めました。

つるはしは事件の翌年にようやく見つかりました。なぜ1年も後に見つかったかというと、事件の起きた翌年にこの農場は取り壊され、その時に屋根裏部屋から出てきたのです。

検死の結果浮かび上がった残酷な事実

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ミュンヘン警察が検死を行った結果、長女のツェツィーリアは犯人に頭部を殴られた後、しばらく生きていたことが判明しました。

ツェツィーリアは即死は免れたものの殴られた激痛に苦しみ、両親と祖母の亡骸の横で数時間を過ごしたとされています。

年端も行かぬツェツィーリアが、痛みに耐えかねて自分で頭髪を引き抜いた痕跡も発見されており、この検死結果が一層事件の残酷さを際立たせました。

事件当時のドイツは第一次世界大戦後の混乱の最中

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ヒンターカイフィック事件の起きた1922年のドイツは落ち着いているとは言えず、国民の生活も困窮を極めていました。それもそのはず、事件が起きたのは第一次世界大戦が終わったすぐ後だったのです。

第一次世界大戦でドイツは敗北し、その後の1919年に連合国とドイツの間で調印されたヴェルサイユ条約では、多額の賠償金を支払うことになっていました。

さらに1922年にはフランスに工業地帯を占拠され、労働者にストライキをさせます。ストライキさせた労働者に賃金を払っていたため、通貨量は増加し、ものすごいインフレが起きたりと大混乱でした。

霊媒師に送られた被害者の頭部は行方不明に

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ヒンターカイフェック事件の捜査をしたミュンヘン警察は、操作の一環として、霊媒師という人に捜査の協力を求めました。霊媒師とは超能力者のようなもので、不思議な力で普通の人にはできないことをする人たちです。

霊媒師は亡くなった人の霊や魂などを呼び寄せたり、話したりできるといった能力の持ち主と言われていました。ミュンヘン警察は霊媒師に捜査してもらうために、被害者の頭部を送りました。

当時のミュンヘン警察では、霊能的な捜査は普通でした。しかしこの霊能捜査で得られたものは何もなく、それどころか被害者たちの頭部は、第二次世界大戦時の混乱のさなかに紛失してしまいました。

ヒンターカイフェック事件の謎

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ヒンターカイフェック事件は多くの謎に包まれており、犯人も犯行動機もわからない未解決事件です。警察も様々な捜査から推理し、真相にたどり着こうとしましたが結局うまくいきませんでした。

謎だったのは犯人だけではなく、被害者のグルーバー家の住人も謎に包まれていました。謎だらけのヒンターカイフィック事件は、現在でも有名な未解決事件として知られています。

多くの人がこの事件の内容を知り推理しました。しかしグルーバー家の住人たちが殺された理由も、犯人の事も結局わかることはなく、ヒンターカイフィック事件は現在も謎に包まれたままです。

遺体がすぐに発見されなかった理由

ヒンターカイフェック事件では、事件当日から4日経ってようやく事件の発覚、被害者6人の遺体発見に至りました。4日経つまで、6人も殺害されたこの事件に誰も気づくことはなかったのです。

その一番の理由として上げられるのは、グルーバー家の近所付き合いの悪さです。アンドレアス・グルーバーとその家族は村の住人から変人扱いされており、家も村の外れにあったので、誰も近寄りませんでした。

さらに農場主のアンドレアス・グルーバーは異常なほどケチな事で有名なため、あまり好んで付き合う人はいなかったのです。そのような環境だったため、4日目でようやく遺体が発見されることになりました。

近親相姦の噂

元々アンドレアス・グルーバーの一家は変人扱いされて、敬遠されていました。そこからある噂で、さらに人が近寄りがたい存在として扱うようなりました。

それは、アンドレアス・グルーバーの娘であるヴィクトリア・ガブリエルのヨーゼフは、実はアンドレアス・グルーバーとの間に出来た子どもなのではないか、という噂です。

ヴィクトリア・ガブリエルの夫は第一次世界大戦時に戦死しており、まだ2歳であるヨーゼフは近親相姦でできた子どもではないのかと考えられたのです。そのような噂が広まり、人はますます近寄らなくなりました。

遺体発見当時、全ての戸に鍵が掛かっていた

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ヒンターカイフィック事件は謎だらけですが、その謎の内の1つに事件当日から4日後の遺体発見時に、グルーバー家の全ての戸に鍵を掛けられていた、というものがあります。

犯人が人を入れないために後から掛けたのか、掛かった状態でグルーバー一家は犯人に殺されたのか、これも結局推理のヒントにならず、真相はわかっていません。

農場主・アンドレアスは事件前に鍵を盗まれていた

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アンドレアス・グルーバーの家の鍵は、実は事件前にいくつか盗まれていたという事がわかりました。しかしなぜかアンドレアス・グルーバーは警察に届けたりはせず、ほったらかしでした。

アンドレアス・グルーバーがなぜ警察に届けなかったのかは、もしかして身近な人物などに渡しただけではなかったのか、などとも言われていたりします。

事件の数日前に盗まれ、その鍵の窃盗犯と殺人犯は同一犯だろうというのが一番有力な説です。全ての戸に鍵を掛けていったのもこの犯人だろうと言われています。

農場主・アンドレアスは事件前に怪しい足跡も発見していた

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アンドレアス・グルーバーは鍵の窃盗にあった以外にも、事件の起きる2、3日前に謎の足跡を見つけたと村の住人に話していた事がわかっています。

その足跡は、アンドレアス・グルーバーの農場の近くから農場に向かって付いており、森へ帰っていったと見られる足跡は見つからなかったと言っています。

アンドレアス・グルーバーのこのような発言をしていたと分かり、犯人は森から来た誰かだったのかという謎が1つ増えました。

農場主・アンドレアスが気づいていた不可解な現象

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アンドレアス・グルーバーの周りでは、鍵が盗まれた、森から農場へ誰か来たような足跡を発見した、というヒンターカイフィック事件に関係のありそうな不可解な現象が起きていました。

ヒンターカイフィック事件に関わりのありそうな不可解な出来事は他にもあり、アンドレアス・グルーバーは屋根裏からなった何者かの足跡を聞いたといった事も言っていたようです。

さらに、アンドレアス・グルーバーは全く見覚えのない新聞が自分の農場に落ちているのを見つけています。

犯人は犯行後数日、農場に居残っていた

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ヒンターカイフェック事件の起きた日は、1922年の3月31日で、金曜日でした。しかし、週末には農場の煙突から煙が上がっていたのを見た村の住人もいます。

さらに、農場で飼っていた牛や豚と飼っていた犬にも、餌を与えてありました。

家の中のパンや、肉などの食料品を食べていた痕跡もあり、犯人はアンドレアス・グルーバー一家の6人を殺した後、数日間農場に残っていたとみられています。

娘・ヴィクトリアは教会への多額の寄付をしていた

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かなりのケチな人物として有名だったアンドレアス・グルーバーの娘のヴィクトリア・ガブリエルも、普段では考えられないような不可解な行動をとっていました。

事件の数日前、ヴィクトリア・ガブリエルは教会へ行き、懺悔室にかなりの額の献金をしていっていました。これが一体何を意味していたのか、ヒンターカイフェック事件に関係のある行動だったのかはわかっていません。

住み込みの使用人が「この農場はとり憑かれている」と言っていた

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アンドレアス・グルーバーはヒンターカイフェック事件の起きる前から雇っていた、住み込みの使用人がいました。しかしこの使用人も謎の発言をして辞めています。

使用人は女性だったのですが、ヒンターカイフェック事件の起きる半年前に、突如「この農場はとり憑かれている」という発言を残し、農場を辞めてしまったのです。

この使用人の代わりに雇われたのが事件の被害者の1人でもあるマリアで、マリアは一家惨殺事件が起きる数時間前にグルーバー農場にやってきたのでした。

ヒンターカイフェック事件の真相に迫る推理

捜査を進めるたびに謎の増えていくヒンターカイフェック事件は、その真相に辿り着くために様々な推理がされました。

ミュンヘン警察もヒンターカイフェック事件に関する有力な情報には、10万マルクの懸賞金を掛けて情報を集めました。しかし、排他的な村だった上、ミュンヘン警察は傲慢な態度で、あまり協力は得られませんでした。

あまり村の住人から協力は得られませんでしたが、必死に捜査したことによって分かった情報で、犯人像の推理や、犯行の目的も推理されていきました。

推理①:犯人はヴィクトリアの夫説

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第一次世界大戦で戦死したとされるヴィクトリア・ガブリエルの夫であるカール・ガブリエルの犯行では、という説も流れました。

カール・ガブリエルの遺体は発見されておらず、実は生きていたのではと考え、家に戻ってきた夫は、妻のヴィクトリア・ガブリエルと父であるアンドレアス・グルーバーの間に息子が出来ていることを知りました。

その事を知ったカール・ガブリエルは怒り、ヒンターカイフェック事件と呼ばれる6人の住人の殺害をしたのではないのか、という説があります。しかしこれは捜査が難航したためでた説と言われています。

推理②:ドイツの警察学校での再調査で浮上した容疑者・シュリッテンバウアー

警察学校の調査で最も有力な容疑者として挙げられたのは、アンドレアス・グルーバーの隣人であり、ヨーゼフの戸籍上の父親になるシュリッテンバウアーという人物です。

シュリッテンバウアーは4月4日にグルーバー家の鍵を壊して納屋に入った人物であり、この時彼に同行していたのは、シュリッテンバウアーの実の息子2人と近隣住民1人でした。

納屋で一家4人の遺体を発見したシュリッテンバウアーは、パニックになった様子で「俺の息子(ヨーゼフ)はどこだ!」と母屋に向かっていったといいます。

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シュリッテンバウアーは以前からヴィクトリアとカールは不仲で離婚秒読みだと吹聴したりと、グルーバー家との関係は決して良好とは言えませんでした。

そのうえ遺体を最初に発見した人物となれば、ミュンヘン警察も事件との関係を疑わざるを得なかったのでしょう。

しかし、ヒンターカイフェックの村長が、この男は潔白であると警察に訴えたため、容疑者のリストから外されました。数十年経ち2007年に再調査されましたが、年月が経ちすぎていて、指紋などはとれませんでした。

推理③:金目当ての反抗ではない

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ヒンターカイフェック事件当初は、犯人は金目当てだと思われていました。それもアンドレアス・グルーバーは極度のケチで、お金を貯めこんでいると考えられていたためです。

しかし、捜査を進めるにつれて、犯人は事件後も農場に数日残って食事をしたり、家畜に餌をやっていたりしたという事がわかりました。

金銭目的ならお金を取ってする逃げるのが定石です。決定的だったのは農場の母屋から、多額の現金が見つかった事です。お金目的ならすぐ見つけて逃げる事が出来たというのに、されていなかったのです。

推理④:怨恨説

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ヒンターカイフェック事件の犯人は、お金目的でも物を取っていった訳でもなかったので、警察は怨恨での犯行に及んだのではないか、と考えました。

その結果で、カール・ガブリエルという戦死したはずの人物を犯人ではないかと疑っていたのです。しかし、証拠もなく確証がないため、おそらく違うだろうと言われています。

ヒンターカイフェック事件が元になった作品

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ドイツ史上で最大の謎であるヒンターカイフィック事件は、その多くの謎から多くの人の興味を惹きました。日にちが経つほど世の中に広まっていき、現在では世界的に有名な事件となっています。

謎の多いヒンターカイフィック事件を題材とした作品も多く出されており、それは本や映画として出されています。

不可解な未解決事件の犯人や犯行の動機は多くの人が気になるもので、ヒンターカイフィック事件を題材とした作品も話題を呼びました。

ミステリー小説「凍える森」

ヒンターカイフェック事件を題材とした小説で有名なものが、ミステリー小説として出版された凍える森です。ドイツの作家であるアンドレア・マリア・シェンケルによる作品です。

凍える森の原題はTannödで、ドイツでは12万部も売れています。各国で翻訳出版されており、日本でも平野卿子によって訳されたものが、凍える森として売っています。

この小説は2007年にドイツで国内スリラー部門とグラウザー賞新人賞を受賞しており、スウェーデンでは、マルティン・ベック賞を受賞しました。マルティン・ベック賞は優秀な翻訳ミステリー小説に贈られる賞です。

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