宇都宮病院事件の概要とその後!事件時の石川院長の病院経営の実態は 社会

宇都宮病院事件の概要とその後!事件時の石川院長の病院経営の実態は

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犯人・看護職員5人と石川院長が逮捕へ

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家宅捜査の後に犯人とされる看護職員5人と石川院長が逮捕されました。当時220名の死者が確認されていますが被害者2名のものだけ問われました。結局犯人とされた5人のうち4人が傷害致死罪に問われました。

石川院長は傷害致死罪ではなく無資格医療行為や院内の食料管理に関する食糧管理法への抵触だけでした。犯人として宇都宮病院で逮捕されたのはその後の調査での逮捕も合わせて9人でした。

宇都宮病院に関係した東大の医師たちは厳重注意と注意の処分

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宇都宮病院事件が紙面に出たあとの5月13日に宇都宮病院に関係した東大の医師たちは厳重注意と注意の処分を受けました。この注意の内容は東大から受けたもので、そこまで強いものではなかったと批判されています。

武村氏は東大脳研を辞任

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宇都宮病院の石川院長の精神医学の恩師であった武村は一番深く宇都宮病院事件に関わっていたとして辞任することになりました。10月15日には東大医学部を辞任しますが、その後は宇都宮病院で働いています。

武村は事実上の黒幕ではないかと考えられますが、この宇都宮病院事件に関しては刑事責任を一切受けませんでした。

宇都宮病院事件は国際問題へ発展

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宇都宮病院事件は日本の精神医療のひどい実態を明るみにし世界的に非難を浴びることになりました。その頃の世界情勢的にも精神医療患者の人権が問題になっていたことも原因の一つです。

その結果、日本は新たに精神保健法を制定することとし、国連の場などでも精神障がい者の人権保護を約束しました。

宇都宮病院を退院した患者の一部は事件を起こした

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宇都宮病院事件の後に170名の患者は退院が許されました。収容されるべきなのは、その病気のせいで自己や他人に暴力を振るってしまう患者です。退院を許された患者はそのような行動をとらないと判断されました。

しかし、残念なことに退院後にそのような患者が事件を起こすケースがありました。精神病が原因の事件かどうかはわかりませんが、精神病患者に対する偏見が増したのは事実でした。

宇都宮病院の元患者は損害賠償請求

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宇都宮病院事件で石川院長などに下された罪は患者2人に対する傷害致傷と病院の運営に関わる罪だけでした。しかし、宇都宮病院に半強制的に入院させられていた患者は納得しませんでした。

宇都宮病院の元患者は半強制的に入院させられたことに対して石川院長らに民事訴訟をおこしました。結果、1996年9月東京高等裁判所で損害賠償が成立しました。

現在の報徳会宇都宮病院の評判は

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報徳会宇都宮病院は現在でも機能している病院です。国立の宇都宮病院と区別するため地元の地名を取って「陽南の宇都宮病院」と言われています。調べたところ現在でも報徳会宇都宮病院は評判がよくないです。

Googleの口コミ評判が、国立の宇都宮病院は星3.4に対して、報徳会宇都宮病院は1.5でした。口コミでもその対応などが批判されていて、Googleの評判ではいい病院とは言えないものでした。

石川院長の人柄や評判

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事件を作ってしまった大元は紛れもなく石川院長でした。では、そんな悲惨な事件を起こしてしまった石川院長は根っからの悪人なのでしょうか?その人柄や評判を追ってみました。

石川院長のプロフィール

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  • 本名:石川文之進
  • 生年月日:1925年10月2日
  • 出身:大阪大学医学部
  • 経歴:1949年大阪大学医学部卒業、翌年広瀬医院に勤務開始。1955年石川病院院長に就任。1961年宇都宮病院開業。翌年同病院理事長に就任。1971年同病院の院長に就任。

石川院長はゴルフのアイアンを片手に回診、患者を暴行していた

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石川院長は宇都宮病院に収容された精神患者を実質的にはひとりで診療していました。その数は多いときで948人でした。当然手が回るわけはなく、実態は患者を支配することで身を守っていました。

具体的には、ゴルフのアイアンを持って病院内を巡回し、反発する患者には制裁を加えていました。暴力による石川院長の支配が病院内では行われていたのです。

宇都宮病院事件の犯人・石川文之進医師は現在も報徳会宇都宮病院に勤務

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宇都宮病院事件の犯人である石川院長は現在93歳です。驚くことに報徳会宇都宮病院のホームページには神経・精神科の主任医師に事件の犯人である石川文之進医師の名前を挙げています。

現在でも報徳会宇都宮病院の精神科では石川院長のもとに指導が行われているのです。その他にも同病院の精神科に関わるところに石川という性が多くいました。

宇都宮病院事件の裁判の判決

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宇都宮病院事件では2名の死者が出ています。また、その病院の悲惨な体制から多くの被害者を出しています。犯人とされるのは石川院長とほか看護職員などです。裁判ではどのような判決がでたのでしょうか。

元看護職員らには実刑判決

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宇都宮病院事件が明るみになるきっかけとなった2名の患者の死亡は看護職員のリンチが原因でした。そのため、暴行を行った元看護職員には傷害致死の罪かかされました。

その懲役は主導した職員には実刑4年、他の関与した職員は執行猶予つきの3年、犯行に加わった元患者には執行猶予付きの1年6か月という判決でした。

石川院長は1年の実刑判決に控訴し8ヶ月の実刑判決に

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宇都宮地裁は石川院長に対し懲役1年を言い渡しました。罪状は暴行事件には関係のない病院の管理に関する法律違反でした。それでもその判決に不服を申し出た石川院長は控訴しました。

その結果、最高裁判所は実刑8か月を言い渡しました。それとは別に医道審議会では石川院長に医業停止を2年言い渡しました。

宇都宮病院事件を受け精神保健法が成立

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宇都宮病院事件がここまで有名になったのは、当時の精神病患者に対する非人道的な扱いを許す法体制をあぶりだした点にあります。この事件をきっかけに精神衛生法から精神保健法への法改正が実現しました。

人権を尊重する精神保健法

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事件以前の精神衛生法は事実上の精神障がい者の隔離政策でした。精神障がい者の隔離が成功すると国から援助を受けられたのです。その結果、入院する必要のない患者も隔離されるようになりました。

事件の後に出来た精神保健法はそのような非人道的な体制を改めるものでした。精神障がい者本人の意思をきちんと尊重できるシステムになったのでした。

法改正での主な内容変更点

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法改正による主な内容変更は主に3つです。1つは精神障がい者の入退院の自由です。これまでは医師によってコントロールされていた入退院ですが、この法律によって患者の医師で入院も隊員もできるようになりました。

2つ目は入院患者の権利を明らかにすることです。入院時に書面で告知することが必要になりました。3つ目は第3者委員会の設立です。入院の必要性や処遇が適当かどうかを第3の目で審査する必要が生まれました。

宇都宮病院事件の関連書籍

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宇都宮病院事件についてはその後関連書籍が出ています。主な関連書籍は以下に紹介します2冊です。もっと詳しく知りたい方はこちらの書籍を読んでみることをお勧めします。

富田三樹生「東大病院精神科の30年」青弓社(クリティーク叢書)

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2000年1月に発光された単行本で正式タイトルは「判決東大病院精神科の30年―宇都宮病院事件・精神衛生法改正・処遇困難者専門病棟問題」です。アマゾンでも中古で1万円近くする品物になっています。

全国の大学図書館には所蔵があるようなので、そちらに問い合わせてから借りに行くことをお勧めします。残念なことに、宇都宮大学には所蔵がありませんでした。

大熊一夫「新ルポ・精神病棟」朝日新聞社

こちらの書籍は1988年3月に文庫化されました。アマゾンでも中古で100円以下で買えるものとなっています。著者の大熊一夫はアルコール患者を装い精神病棟に忍び込みます。

そこで観察したことを朝日新聞の社会面に掲載したルポをまとめたのがこの書籍です。大熊一夫は現在でも精神科病棟廃絶に向け活動中です。

ブラックジャックによろしくでも精神病に関する問題提起が

「ブラックジャックによろしく」という漫画作品があります。2003年にはTBSで妻夫木聡を主演にドラマ化もされています。ドラマでは描かれませんでしたが精神病患者と世間とのかかわりについて触れています。

その中で、過去にあった悲惨な精神病棟の描写もありますので興味のある方は読んでみてください。過去には患者に対して電気ショックを与えていたとの話もありました。

妻夫木聡に関する記事はこちら

精神科患者の偏見のない世の中へ

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宇都宮病院事件の全貌は非人道的なものでいかにも悲劇というべきものでした。そしてこの事件が起きた背景には日本に根強く残る精神病患者への偏見、そしてその偏見を元に作った法律にありました。

現在では法律も変わり精神病というのが一般的な病気だという認識も増えています。精神分裂病と言われていた現在の統合失調症は100人に1人がかかる病気です。精神病にオープンな世の中になることを祈ります。

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