江戸時代の人々の避妊方法は?古代から現在まで避妊やコンドームの歴史

避妊術の歴史は大変古いものです。江戸時代の吉原に代表される遊女や農民たちにとって妊娠は大敵でした。では昔はどのように避妊や堕胎・中絶をしていたのでしょうか?この記事では江戸時代の避妊術、堕胎・中絶方法、古代の避妊術などについて詳しくまとめてみました。

江戸時代の人はどのように避妊をしていたのか?

現代同様昔から避妊術として様々な手段がとられてきました。中にはかなり眉唾な避妊術もあります。この章では江戸時代に行われていた避妊術をご紹介します。

江戸時代は売春が認められており避妊法は遊女・女郎にとって重要だった

歴史的に見てもかなり昔からいろんな避妊術が試行錯誤されてきました。

現代と違い江戸時代には売春が認められており、遊女や女郎にとって避妊というのは欠かせないものだったのです。

しかし江戸時代には妊娠や避妊に関する知識は乏しく、中には全く効果が見込めなような避妊術もあったようです。

動物の皮で出来ているコンドーム「茎袋」

江戸時代という遥か昔にもコンドームは存在しました。

「茎袋」と呼ばれるもので別名「ルーデサック」。オランダから輸入され大変高価で貴重なものでしたが着け心地は悪く、効果もあまりありませんでした。

素材が水牛の角やウミガメのべっ甲で出来た痛そうな「甲形」

男性器にかぶせて使う避妊具として挙げられるのが「甲形」です。

水牛の角やウミガメのべっ甲を素材としてつくられており、使用方法は男性器の先端にかぶせるというものでした。

甲形は大人のおもちゃの用途の方が多かった

この「甲形」は200年以上昔から存在し、避妊術として用いられてきました。

しかし大変外れやすく、避妊の方法としてというよりかは、「笑い道具」という大人のおもちゃのような使い方をされていました。

ちなみに江戸時代にも笑い道具を専門に扱うお店が存在していたようです。

「魚の浮き袋」をコンドームのように用いていたという説もある

江戸時代では魚の浮袋をコンドームのように使っていました。

ただこちらも「茎袋」と同様着け心地が悪い上に大変破れやすいため避妊の効果はあまりきたいできません。

江戸時代にも避妊薬は存在していた

現代ではピルという避妊薬がありますが、昔にも避妊薬は存在していました。

その薬の名前は「朔日丸」。月に一度服用すれば妊娠しない体になる効果があると謳われていました。

しかしその効果は全くないと言われており、さらに水銀などの有害物質が含まれていたため体にいいものではありませんでした。

意外!避妊薬「天女丸」を生み出したのは人気作家式亭三馬

「朔日丸」と双璧をなした避妊薬が「天女丸」です。これを作ったのは江戸時代に人気を博した作家の式亭三馬です。

式亭三馬は庶民の生活の様子を描いた『浮世風呂』を代表作に持つ人気作家でした。作家業の傍ら製薬にも携わっており、「天女丸」は目玉商品でした。

「天女丸」には避妊だけでなく生理不順にも効果があり、また服用を止めれば妊娠するなどとされていました。

和紙を詰め込み避妊?吉原産が人気だった詰め紙

吉原などの遊女に人気だった避妊方法として和紙を使った方法があります。

和紙を口で噛んで柔らかくし、局部につめます。今でいうペッサリーのようなものです。吉原で作られた和紙がよく使われました。

しかし、和紙が中で敗れてしまうことも多く、避妊の方法としてはあまり期待できるものではなかったそうです。

効果は恐らくなかった…お灸で避妊

江戸時代では2月2日にへその下にお灸をすると妊娠しないと言われており吉原の遊女たちはこの時期こぞってお灸をしていました。

ただこれには医学的な根拠は全くなく、気休め程度のものだったと言えます。

無意味に近い避妊術として下湯などもあった

江戸時代によく使われていた避妊の方法として事後に局部を洗浄する方法がありました。

吉原の遊郭には遊女が事後に局部を洗浄するトイレや浴室が備え付けられています。

膣内で射精された精子はすぐに泳いで行ってしまうので洗っても無意味です。

コンドームが存在しない昔の人々の避妊方法・避妊術の歴史

避妊に対しては昔から様々な方法が試行錯誤されていました。ここでは昔行われていた古代の避妊方法・避妊術の歴史について解説していきたいと思います。

最も古くから伝わる避妊方法は外出し

歴史的に見てもっとも古い避妊方法は外出しです。これは現代でも行っている人たちが多くいます。

射精する直前で膣からペニスを抜き、体外で射精する方法です。吉原でも用いられてきました。

道具を必要とせずに手軽に行えるため昔から使われていた方法でした。しかし避妊としての効果はあまり期待できません。

紀元前1850年ではワニの糞とハチミツで避妊していた

はるか昔の紀元前1850年、古代エジプトの女性が用いていた避妊方法としてワニの糞を局部に詰めて精子の侵入を防ぐというものです。

ワニの糞に抗菌作用のあるハチミツを混ぜて使用していたそうです。古代のペッサリーですね。多くの歴史書にも記されておりかなり人気の避妊術だったようです。

美味しそうなハチミツタンポン

こちらも古代エジプトの女性たちが用いていた避妊術です。

ハチミツとアカシアの葉を混ぜ合わせ殺精剤として膣内に塗るという方法です。

古代の医療書「パピルス古文書」に記されていたことから、歴史的に見てもかなり昔から使用されていた方法だと言えます。

紀元前200年頃のローマでは石や青銅で膣用坐薬が作られていた

紀元前200年頃のローマでは石や青銅で膣用坐薬が作られていました。古代ローマではかなり固い素材から薬を作っていました。

薬だけではなく、殺精作用のある装置や器具なども青銅や石から作られていました。

ギリシャの医師ディオスコリデスが記した「薬物論」での膣用坐薬

ギリシャの医者のディオスコリデスは著作である歴史的医学書『薬物論』で膣用坐薬について記しています。

ディオスコリデスによれば膣用坐薬をペパーミント・オイルに浸すことによって麻酔薬のような効果があるそうです。

古代中国では行為後に水銀を飲んでいた

古代中国で用いられていた避妊術です。日本でも昔から水銀を用いた避妊術は実施されてきました。

使用方法としては事後に液体水銀や水銀の入った錠剤を摂取するというもの。

しかし水銀は人体に有害な物質で腫瘍、頭痛、腎不全などの副作用があり、最悪死亡するケースもあるので非常に危険な避妊術でした。

古代ローマでの考えとスクワットとくしゃみで膣洗浄

古代ローマの婦人科医ソラノスが提唱する避妊術です。

女性は最中に男性が射精していると思ったら息を止めます。そして事後にスクワットとくしゃみを切り返し行い膣内を洗浄するという方法です。

ローマ人はシルフィウムというハーブで避妊薬を作っていた

シルフィウムは古代ローマ人にとって万能薬のような働きをしていました。

もちろん避妊薬も作られ、ほかにも媚薬や痔に効く薬も作られました。シルフィウムは現在では絶滅しています。

紀元前700年頃の古代ローマ人はヤギなどの動物の膀胱で避妊

紀元前700年頃、古代ローマではヤギなどの動物の膀胱を使用した避妊術が使われていました。

コンドームのような使い方をし、避妊のほかにも性病を予防する働きもあります。

長い歴史の中で施行された避妊術の中では比較的効果が期待できた方法であり、よく使われていました。

古代ギリシャで人気だったシダー油とフランキセンス油での避妊

4世紀ごろの古代ギリシャで用いていた避妊術です。

シダー油とフランキセンス油、時には鉛を配合し、膣内に塗り付けることで妊娠を防いだと言います。

この油には殺精効果があると信じられており、アリストテレスの医学書でも推薦されていたほどでした。

古代ギリシャではザクロを避妊具として使用していた

大昔の古代ギリシャではザクロを避妊具として活用していました。

半分に切って果肉を取り除いたザクロを膣内に入れ、精子の侵入を防ぐというものです。

12世紀頃の中国ではシルクペーパーでコンドームを作っていた

12世紀頃の中国ではシルクペーパーでコンドームを作っていたといいます。

シルクペーパーを加工し、潤滑油・殺精効果を付けるために油に浸したものです。

最初のコンドームができるずっと昔に作られたもので、ペニスの先端にかぶせて使われました。

麻で出来た帽子のようなコンドーム

ガブリエレ・ファロッピオが当時ヨーロッパで蔓延していた梅毒を予防するために考案した避妊具です。

麻でできたコンドーム型の袋をペニスに装着し、根元をリボンで結ぶというものです。

16世紀は膣を酢で洗浄していた

16世紀頃のエリザベス朝イングランドで人気だった避妊術です。

殺菌作用のある酢で膣内を洗浄することで精子を殺すことができると信じられており、当時の売春婦の間で流行しました。

17世紀中頃からはレモンの外皮で精子を殺傷すると考えられていた

17世紀中頃からはレモンを膣内いれ精子の侵入を防ぐという方法が考案されました。

レモンの皮には酢と同様に殺精効果があると言われ、大勢の人たちから愛用されていました。

ちょっとグロい?動物の腸をコンドーム

現代のゴム製コンドームの前身となったのが動物の腸でした。

動物の腸をペニスの周りに巻いて行う避妊術で、性病感染の予防にも一役買いました。

現代でもより自然なものを望む人たちの間でラムスキン・コンドームが利用されています。

かつてはお守りで避妊できると信じられていた

昔はお守りを持つだけで避妊できると信じられている時期もありました。

このお守りはアスパラガスやロバの糞を使って作られ避妊術として使われていましたが、医学的根拠は全くありません。

NEXT 1950年~60年ではコーラで膣を洗うと精子を死滅させると言われていた