「必死のパッチ」の意味や語源は?関西限定で現在は死語?

「必死のパッチ」という言葉は関東の方にはなじみがないかもしれませんが、関西の方の中には「聞いたことがある」という人も少なくないのではないでしょうか。この記事ではそんな「必死のパッチ」の意味や語源の由来について調べてみました。

必死のパッチとは

「必死のパッチ」は「必死の最上級の表現」として使われます。

他人のことを表現するよりも、自分自分のことに対して使うことが多いですが、一方で単なるギャグとして使われることもあります。

必死のパッチとはどういう意味?

「必死のパッチ」という言葉は「きわめて必死な状態であること」「死に物狂いでなにかを成し遂げる」「とにかく必死で頑張る」という意味をもっています。

ギャグで「必死のパッチ」という言葉を使う場合には、ボケよりもツッコミとして使われることが多いです。

必死のパッチと言い出したのは矢野燿大選手

この「必死のパッチ」という言葉を言い出したのは、元プロ野球選手であり、現在は阪神タイガースの監督をつとめている矢野燿大選手だと言われています。

矢野燿大選手がヒーローインタビューの際に「必死のパッチでいきます!」と叫んだことから「必死のパッチ」という言葉が広く知られ、広まっていったようです。

またサンスポのサイト内にはヒーローインタビューのエピソードからなのか「矢野監督 必死のパッチトーク」という名前のついた矢野監督のコーナーが設けられています。

関西人にとってはおなじみの言葉

「必死のパッチ」という言葉はは主に関西で使われており、関東や他の地域ではあまり使われることはありません。

関西人にとってはおなじみの言葉であり、関西の方言のひとつとされています。

必死のパッチの語源の由来についての諸説

「必死のパッチ」にはその語源といわれている説が3つあります。

ここではそんな3つの説について、順に紹介していきたいと思います。

そもそも「パッチ」とは?

「パッチ」とは「股引」のことで、男性が防寒対策などにズボンの下に履く下着のことです。

女性が履くレギンスのようなものを想像してもらうとわかりやすいです。

関西では「股引」と言わずに、この「パッチ」という呼び方をすることが多いです。

必死のパッチとは股引を履く暇もない程必死という説

ひとつめの説が「股引を履く暇もない程必死」というです。

また同じく股引に関する説として「股引姿であることをつい忘れてしまうくらいに必死」という説もあります。

簡単に履くことのできる股引を履く暇もない程というと、どれだけ必死になっていたのかが伝わってきます。

将棋が由来という説もある

ふたつめの説が「将棋を由来」という説です。将棋の「桂馬(けいま)」は二方向に進むことができ、この進み方と二股に分かれている股引にひっかけて「パッチ」という隠語で呼ばれることがありました。

また桂馬を打たれて逃げ場がなくなり、相手にひたすら王手をかけるしかない状態を「必至のパッチ」といい、この「必至のパッチ」が「必死のパッチ」に変わり、将棋以外でも使われるようになったと言われています。

こうした言葉の由来となった将棋では、棋士の羽生善治さんがいくつもの伝説をつくっています。

1980年代に大阪の学生が作った言葉?

ふたつめの説が「大阪の学生が作った言葉」という説です。

とくに言葉自体になにかしらの意味があるわけではなく、「必死のパッチ」で「必死(7=しち→ひっち)の(上を行くから)パッチ(8=ハチ→ハッチ)」というように韻を踏んだ言葉遊びと言われています。

現代で言うところの「ラップ」に近いものです。

必死のパッチの使い方

ここで具体的な必死のパッチの使い方をいくつか見ていきたいと思います。基本的に「必死のパッチ」という言葉が入ってくることで、意味合いに物事の真剣さ・性急さなどがプラスされます。

「必死のパッチでがんばったわ」は「めちゃくちゃがんばった」「必死になってがんばった」という意味です。言葉数も少ないため、シンプルでわかりやすい使い方の例です。

「テスト前やし必死のパッチで勉強したわ」は「テスト前だから必死になって勉強した」という意味になり「今は仕事を探すのに必死のパッチや」は「今は仕事を探すことにとにかく必死です」という意味になります。

関西以外の人へ使うと意味が伝わらないこともある

「必死のパッチ」という言葉は主に関西で使われている言葉のため、関西以外の人に使うとその意味が伝わらないことがあります。

また関西人の場合、日常的にあたりまえとして必死のパッチを使っているため、逆に言葉を知らない人から「どういう意味?」と質問をされて、逆に困ってしまうといったケースもあるようです。

必死のパッチは現代では死語?

「必死のパッチ」を使うのは主に40代~50代のため、若い世代にとっては古い言葉「死語」になっています。

また関西以外ではなじみのない言葉のため「死語」ではなく「聞いたことがない・使ったことのない言葉」という認識です。

しかし若い世代にもお笑いやギャグが好きな人の中には、ギャグとして「必死のパッチ」を使う人もいるため、若い世代から完全になくなったわけではありません。

必死のパッチの関連店や商品など

「必死のパッチ」という言葉が関西で使われていることもあってか「必死のパッチ」を使った店や商品があります。

その中からいくつかを紹介していきたいと思います。

伊丹の美味しいラーメン・つけ麺屋「必死のパッチ製麺所」

「必死のパッチ製麺所」は兵庫県・伊丹にあるラーメン・つけ麺屋です。

魚介系ベースのラーメン・つけ麺の他に、アジニボソバといった変わったメニューもあります。

ベビーカー・車いすでも安心な完全バリアフリーの人にやさしいお店です。

阪神タイガース「必死のパッチTシャツ」

こちらはURBAN RESEARCH×阪神タイガースのコラボ商品として発売された「必死のパッチで頑張るで Tシャツ」です。

一見シンプルなTシャツに見えますが、ロゴの部分をよく見てみるとローマ字で「必死のパッチで頑張るで 」とかかれているのがわかります。

まさに関西らしい遊び心を必死のパッチで詰めこんだTシャツです。

桂雀々の「必死のパッチ」

桂雀々(かつらじゃくじゃく)は大阪出身の落語家です。桂枝雀(かつらしじゃく)を師匠とし、2010年には地獄や閻魔にゆかりのある場所で「地獄八景亡者戯」を演じるというツアーをおこないました。

『必死のパッチ』という作品は桂雀々が自身の幼い頃から落語家になるまでを綴った桂雀々の自叙伝となっており、幼い頃の桂雀々がまさに「必死のパッチ」で生き抜いてきたことがよくわかります。

実は関西でしか通用しない言葉

「必死のパッチ」以外にも、実は関西でしか通じない言葉があることはご存知ですか。

ふだんの生活の中で何気なく使っているあの言葉も、実は関西でしか通じません。

そうした言葉を、次からいくつか紹介していきたいと思います。

「ほかす」

「これ、ほかしといて」というよう使います。

この「ほかす」という言葉は「(ゴミなどを)捨てる」という意味の言葉です。上の「これ、ほかしといて」は「これ、捨てておいて」という意味になります。

これは「放る(ほうる)」が短縮されて「ほかす」になったと言われています。

「なおす」

「ちゃんとなおしといて」というように使います。

この「なおす」という言葉は「ものをしまう・かたづける」という意味の言葉です。上の「ちゃんとなおしといて」は「ちゃんとかたづけておいて」という意味になります。

ものを修理する方の「直す」という意味ではないので、注意が必要です。

「いらう」

「話してる時に携帯いらうな」というように使います。

この「いらう」という言葉は「さわる」という意味です。上の「話してる時に携帯いらうな」は「話している時に携帯をさわるな」という意味になります。

これは「弄う(いらう)」からきています。

「さら」「さらぴん」

「この服、さら(ぴん)やったのに」というように使います。

この「さら」「さらぴん」という言葉は「新品」という意味です。上の「この服、さら(ぴん)やったのに」は「この服、新品だったのに」という意味になります。

「えらい」

「今日、めっちゃえらいわ」というように使います。

この「えらい」という言葉は「つかれた」「きつい」という意味です。上の「今日、めっちゃえらいわ」は「今日、すごく疲れた」という意味になります

「偉い」という意味ではないので、こちらも注意が必要です。

「やいやい言う」

「これくらいのことでやいやい言わんとき」というように使います。

この「やいやい言う」という言葉は「文句を言う」という意味です。上の「これくらいのことでやいやい言わんとき」は「これくらいのことで文句を言うな」という意味になります。

「いらち」

「あいつ、ほんまいらちなやつやなぁ」というように使います。

この「いらち」という言葉は「すぐに怒る、イライラする(人)」「短気」という意味です。

上の「あいつ、ほんまいらちやなぁ」は「あの人は本当にすぐに怒る・イライラする、短気な人だ」という意味になります。

「必死のパッチ」を英語にしてみると、どうなるのか?

最近、関西には外国人観光客が増えています。

もしも外国人観光客に「必死のパッチ」を英語で説明することになった時には、どのように伝えればいいのでしょうか。

「必死のパッチ」の意味をもつ日本語に置き換える

「必死のパッチ」をそのまま訳すことはできません。

なので、まずは「必死のパッチ」の意味を考えてみます。

「できるかぎり一生懸命やる」という意味で考えると「as hard as one can」「as well as one can」という英語になります。

さらにニュアンスを伝えたい時には?

「必死のパッチ」の「死に物狂いで頑張る」というニュアンスを伝えたいという時には「for one’s dearlife」「desperately」という英語を使うことができます。

「必死のパッチ」について説明する時の場面や状況によって「as hard as one can」や「for one’s dearlife」を使い分けると言葉の持つ意味合いをうまく伝えることができます。

そのまま「必死のパッチ」を訳してみると、どうなるのか?

「必死のパッチ」という言葉を意味などではなく、言葉としてそのまま英語にしてみるとどうなるのでしょうか。

そのまま英語にしてみると「Desperate patch」という英語になりました。言葉としては伝えることができますが、これでは肝心の意味を説明することができません。

そのため、英語で「必死のパッチ」を説明する際には「必死のパッチ」の持つ意味を伝えるのが一番いい方法です。

英語のpatchは日本のパッチと同じものなのか?

「必死のパッチ」の「パッチ」は英語でも「patch」と言います。

ここでいう英語の「patch」とは、一体どのようなものをさしているのでしょうか?

NEXT patchの意味