だるま女は実在している?歴史と都市伝説のだるま女の違い おもしろ

だるま女は実在している?歴史と都市伝説のだるま女の違い

都市伝説だるま女は、旅行先で誘拐された女子大生が手足を切断され、中国の秘境の村の見世物小屋で見つかるというもの。このだるま女、実在しているとの見方もあります。ここでは噂の真相についてや、インドやメキシコの例、日本のだるま娘中村久子についてもまとめます。

目次

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だるま女とは?

「だるま女」という都市伝説を聞いたことがある人は多いのでは無いでしょうか?だるま女とは両腕、両脚のない女性を指し、中国の歴史上の逸話が起源とされ、都市伝説として様々なバリエーションが存在します。

中国の歴史上のだるま女

中国の歴史には拷問によって女性が両腕、両脚を切断されてしまうという逸話がいくつか実際に存在しており、これがだるま女の噂の原型とも言われています。

だるま女の伝説の真偽は定かではありませんが、いくつかの歴史的実例がある事で絶対に嘘だとも言い切れない話として語り継がれているのです。

見世物小屋にいる都市伝説のだるま女

都市伝説で語られるだるま女は中国のどこかの村か都市にあるとされる見世物小屋で、両腕、両脚を切断された女性が毎夜見世物とされているというのが大筋の内容となっています。

見世物小屋の場所はどこか辺境にある村にあるとも繁華街の裏路地にあるとも言われます。そして、地元の人間しか場所は知らず、外部から訪れた人が地元民と仲良くなる事でそこへと誘われるというのが定番の流れです。

見世物小屋とは?

そもそも、見世物小屋とは全世界に「フリークショー」などの名前で古くから実在しており、奇形、巨人、小人、両性具有、奇病罹患者などの通常とは違う人間を見世物とし、人々の興味を惹き見物料を取る商売小屋です。

見世物小屋は日本にも近年まで実在し、だるま女という名称では無いにせよ、似た境遇で見世物とされた人も実在していました。ただ、社会保障なども無い時代にあって、生きるための手段だった側面もあります。

この様に日本や世界で、歴史上見世物小屋は確かに存在しています。こういった背景があるため、だるま女のエピソードもまた、絶対にありえないとは言い切れない程度にはリアリティを持った話だと言えるのです。

都市伝説上のだるま女について

それでは、日本でよく語られる有名な都市伝説「だるま女」の話についてより詳しく紹介したいと思います。多くのバリエーションが存在するだるま女の都市伝説ですが、大筋はほぼ同じ内容となっています。

都市伝説のだるま女の物語

だるま女の話は、ある女性が友人とどこか東アジアの都市へ旅行した時に起こったとされます。女性がブティックに入り買い物中、試着室に入った所、そのまま忽然と姿を消してしまいます。

一緒にいた友人が探しても見つからず、不審に思い店員を問い詰めるも、何の事かわからないと適当にあしらわれてしまいます。そのまま帰国の日になっても女性は見つからず行方不明となってしまいます。

それから数年後、友人が別の国を旅行していた所、興行中の見世物小屋の中に両腕、両脚を切断され「だるま女」として見世物にされている女性を発見します。女性は気が触れており妊娠している様であったと言います。

フランスの「オルレアンの噂」の変形?

このだるま女の都市伝説ですが、原型になったとされる実際の事件があります。1969年5月頃、フランスの都市オルレアンで、あるブティックの試着室に入った女性が次々に行方不明になっているとの噂が流れます。

名指しで疑惑を持たれたブティックは6店舗、内5件はユダヤ人が経営する店舗でした。この事からユダヤ勢力が裏社会と結託して女性を中東や南米へ売春婦として売り飛ばしているとの噂に発展します。

やがて、その6店舗が噂を信じた民衆に取り囲まれる事態にまでなってしまいます。しかし実はこれは全くの事実無根の噂であり、行方不明となった女性も存在しませんでした。

メディアはこの事態を憂慮し「噂は事実では無い」「反ユダヤ主義者の流したデマ」などと報道してようやく事態は収束します。しかし、事件は噂として飛び火し、フランスに住む日本人にまで語り継がれたと言います。

これがやがて日本にも伝わり、噂は姿を変え舞台は東アジアに変わり、現在のだるま女の都市伝説に変形したのでは無いか?との見方が有力となっています。

日本でのだるま女事件はなかった?

だるま女の都市伝説は上で紹介した「オルレアンの噂」の内容と酷似しています。手足を切り落とすという部分は違いますが、場所がブティックと限定されるのは明らかにオルレアンの噂の影響でしょう。

その為、都市伝説「だるま女」で語られる内容の事件は実際には起こっていない可能性が高いと言えそうです。元々世界中にあった見世物小屋の話や、中国の歴史などと合わさって創作された都市伝説なのでしょう。

だるま女は実在していた!中国歴史上のだるま女

しかし、だからと言ってだるま女と言われる存在がいないとは言い切れません。事実、長い中国の歴史を紐解くとだるま女を想像させる、いくつかの恐ろしい逸話が見つかります。

日本でも公開された映画「西太后」でのだるま女

中国清の時代末期の皇帝の妃「西太后」は皇帝の寵愛を受けた美女「麗姫」を妬み、両腕、両脚を切断しだるま女にしてしまったという逸話があります。

1984年に公開された映画「西太后」のラストシーンにもこのエピソードが使われています。しかし、これは完全なフィクションで、西太后も麗姫も実在の人物ですが、だるま女にされたという事実はありません。

ちなみに映画「西太后」は中国と香港合作の大作映画で、日本でも1985年に公開されて大ヒットを記録しています。その後テレビなどでも放送された為、ご存知の方も多いかも知れません。

劉邦の正妻呂后が側室をだるま女に

しかし、この「西太后」のだるま女エピソード、実は元になった実話が存在しているのです。中国、漢王朝初代皇帝の劉邦の正妻であった呂后は、劉邦の死後、その側室であった戚夫人を処刑しています。

処刑の理由は、自らの息子で漢王朝第二代皇帝恵帝の地位を脅かす恐れがあるというもので、その処刑方法というのが手足を切り落とし、眼球までくり抜き、聴覚と言語能力も奪うという凄惨なものでした。

さらに、呂后は戚夫人を生存させたままで便所に放置して見世物にし「人豚」と呼んで晒したと言います。これは史記にも記され、事実であるとされます。ただ当時の医療技術で可能だったかの疑問は残ります。

女帝武則天が亡夫に寵愛を受けていた女をだるま女へ

中国史上で唯一の女帝武則天もまた、亡き夫である高宗の寵愛を争った側室の2人、王氏と蕭氏の四肢を切断、それぞれに「蟒」・「梟」と改名させ恥辱を与えた上で処刑したとされています。

以上のように、中国の歴史上の逸話にはだるま女を連想させる話が存在します。そしてその全てが女の嫉妬によるものというのが興味深いですね。

だるま女に纏わる日本や海外のエピソード

だるま女が関係する日本や海外での都市伝説、エピソードを集めてみました。中国だけでなく、日本をはじめ、インドやメキシコなど世界中の都市伝説に登場するだるま女。その一部を紹介したいと思います。

【日本】だるま女村

日本では、だるま女村という都市伝説があります。この村では毎年8月8日(だるまの日らしいです)にだるま女を神様に奉納するのだそうです。そして村の権力者達が奉納されただるま女と性交します。

その後、だるま女には一切食事と水を与えずに殺し、ミイラのような状態にしてしまうのだそうです。そしてのそのだるま女のミイラを神体として祀っているというあまりにもおぞましい風習です。

手足を切断されても生存し続ける女性の生命力にあやかって長寿を祈願するんだとか、そして神社にはこれまで神体とされただるま女のミイラが何十体もあるのだそうです。もちろん実在するかは不明の都市伝説です。

【日本】売春島

続いても日本の話です。これは実在した島にまつわる都市伝説です。三重県志摩市の的矢牡蠣で有名な的矢湾に浮かぶ離島「渡鹿野島」は売春産業で成り立つ島として都市伝説化し「売春島」などと呼ばれていました。

この売春島の真相についてはルポライター高木瑞穂氏が書いた「売春島」に詳しく載っています。そしてこの売春島に手足のない売春婦が存在し「だるま女」と呼ばれていたというのです。

【インド】バックパッカー都市伝説「インドの人間だるま」

インドの人間だるまは、インドを旅するバックパッカー達の間でかなり有名になって都市伝説です。その内容はインドでは子供に物乞いをさせるために親が子供の四肢を切断しているというもの。

インドではカースト制が現在でもあり、物乞いという職業があります。そして人口が非常に多く多種多様な人間が溢れ、日本の常識では測れない事も日常茶飯事に起こります。

そのため、実際にインドには手足のない物乞いも実在しています。しかしこのインドの人間だるまの親に足を切断されたという部分は真っ赤な嘘で、インドのカオスさを目にした旅行者の間で広まった都市伝説なのです。

【メキシコ】6人が両手首を切断された事件

メキシコでは、現在マフィアによる麻薬戦争が激化しており、凄惨な事件が日常的に起こっています。そんなメキシコのある事件に関係して、だるま女が話題になった事がありました。

その事件というのは、メキシコ西部のハリスコ州という場所で、生きたまま両手足を切断された6人が発見され、近くには手首と男性の死体の入った袋が発見されたというもの。

もちろんこれは、メキシコの麻薬カルテルによって何らかの報復によって切断されたという事件でした。しかしこれを聞いた日本のオカルトファン達の一部ではだるま女を思い出すとして話題になったのです。

とは言っても現在のメキシコでは、手足どころか、身体全てをバラバラにして放置するという事件が多発しており、だるま女よりもよほど恐ろしい事態が日常的に起こっているのが現実。

だるま女の話よりもよほどメキシコマフィアの方が恐ろしいでしょうから、現在のメキシコではだるま女の様な都市伝説が生まれて来ることは絶対に無いと言えるでしょう。

香港版のだるま女

ここで一旦大元のだるま女の話に戻ります。実はだるま女には「香港版」という派生型が存在します。話の大筋はそのほかのだるま女と変わらないのですが、香港版はかなりディティールが細かい内容となっています。

女性が友人と海外のブティックで行方不明になるという流れは一緒なのですが、その旅行先がまず香港であると特定されています。そして、だるま女にされた女性を発見するのは友人ではありません。

女性が行方不明になってから一年後に香港に出張に来た商社マンが、酔っ払った勢いで仲良くなった現地の人に、怪しい見世物小屋に連れて行ってもらいます。そこにいたのが件のだるま女でした。

商社マンは四肢を切断され、精神に異常をきたしてうわごとを繰り返す東洋人の女を見て流石に酔いが冷めてしまいます。その現地の友人が言うには「逃げようとしたから四肢を切断した」との事。

しかもどうやらその女性は妊娠しておりお腹が膨れている、商社マンは流石にその場を立ち去るのですが、立ち去り際に、その女性がつぶやいているうわ言がどうやら日本語であるという事に気がつくのです。

商社マンは帰国後にその話を知人にし、瞬く間に噂となって広がります。女性の両親がその噂を伝え聞き、香港に渡って女性を連れ帰り、現在もその女性は日本のどこかの精神病院に実在するという内容です。

両手両足を切断し生活した実在のだるま娘中村久子について

続いては日本に実在した両手両足を切断し、見世物小屋でだるま娘として働いた中村久子さんという女性について紹介したいと思います。

幼少期に両手両足を失くす

中村久子さんは、明治30年(1897年)に岐阜県大野郡高山町で生まれた女性で2歳の時に左足の甲が凍傷にかかり、それがその他の手足にも移ってしまい3歳の時に両手足が壊死してしまいます。

両親が両手足を切断する決断を下せないうちに左手首が腐り落ちてしまい、それからその他の手足も切断する事となります。それ以来幾度も両手足を切断しなくてはならず、苦しい闘病生活を送っています。

だるま娘として見世物小屋の芸人になる

その後も、父の急逝などの不幸が続き生活に困窮した中村久子さんは20歳で上京して一人暮らしを始めました。そして、障害者に対する保証なども無い時代に自立するため、中村久子さんは見世物小屋の芸人となります。

中村久子さんはニックネーム「だるま娘」として編み物や裁縫を口とほんの少し残った腕の部分だけで素早くこなす芸を披露し人気を得ます。その後、結婚し子供ももうけています。

晩年

中村久子さんが芸人を引退したのは昭和9年(1934年)の事でした。その後中村久子さんはヘレンケラーとの出会いや仏教の教えを学び、生きる喜びを伝える講演会、執筆活動などを精力的に行なっています。

中村久子さんのこうした活動は、戦争で体の一部を失った傷痍軍人や民間人達にとって大きな支えとなりました。昭和43年(1968年)に72歳でこの世を去ります。実在しただるま娘は力強く生き抜いた女性でした。

だるま男の都市伝説もある

実は、だるま女の男版「だるま男」なる都市伝説も存在します。ある旅行者が中国の田舎で「達者」と書かれた店を発見して興味を惹かれて入ってみたそうです。

その中には手足のない人形が並んでおり、人形だと思ったそれはよく見ると手足を切断された生きた人間でした。怖くなり立ち去ろうとすると後ろからその人間の1人に声をかけられます。

「おまえ日本人だろ俺は立教大学の〇〇だ助けてくれ」しかし、恐怖にかられその旅行者は気づかない振りをして立ち去ります。帰国後立教大の名簿を調べるとその学生の名前が確かにあったそうです。

だるま女に関する作品

だるま女に関連する作品も映画、漫画、小説、アダルトビデオに至るまで数多く存在します。一部を紹介しますので、もし「だるま女」に興味を抱いたと言う人は鑑賞してみてください。

「わらの街」

西村寿行作の刑事小説です。1978年から文芸誌にて連載、文庫化もされています。犯罪集団が売春させるために女性を誘拐し、抵抗激しい女性を見せしめにだるま女にしていたというエピソードが語られています。

「猟奇エロチカ 肉だるま」

アダルトビデオ作品です。いわゆるグロもの作品で、出演女優が四肢を切断され、だるま女にされてしまうという設定。もちろんフェイク作品ですが、出演女優が販売日前日に自死し曰く付き作品となっています。

「TOKYO TRIBE2」

井上三太作の人気漫画作品です。敵役として登場する大物ヤクザ「ブッバ」の猟奇的な趣味の一つとしてだるま女にしてしまうという描写が描かれています。

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