底なし沼の深さ・原理・脱出方法は?日本や世界の死亡事故まとめ! 社会

底なし沼の深さ・原理・脱出方法は?日本や世界の死亡事故まとめ!

知ってるようで意外と知らない「底なし沼」!沈んでも大丈夫。底なし沼には抜け出し方が存在した?普通の沼との違いや驚きの原理。更には日本やアメリカで起きた悲惨な死亡事故。美しい観光スポットにもなっている世界中の底なし沼についても触れていきます。

目次

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底なし沼について

底なし沼と聞いて「恐ろしい」というイメージを持つ人は多いと思います。恐怖という感情を生む理由の一つには未知という要素があります。

底なし沼の原理や仕組みを知らないとオカルトの世界の説明不可能な現象のように感じてしまうかも知れません。抜け出し方も存在しているのか怪しいところですよね。

底が無くどこまでも沈んでいってしまう…その沈んでいった先には何があるのか?どのぐらいの深さが有るのか?そもそも日本に実在するのか?それらの謎を解き明かしていきたいと思います。

底なし沼とは?

底なし沼は世界中で確認されています。直訳すると bottomless swamp (際限の無い 沼地)ですが、実際アメリカでは quicksand を使うことが多いです。

quicksand とは”流砂”の事を意味し、特にその中でも死亡事故の危険をもたらす流砂の事を言います。底なし沼と流砂は非常に密接した関係に有ると言うことを念頭に置くとよりわかりやすいと思います。

死亡事故の恐れがある危険な沼地の事を総称して底なし沼と言うのです。

アリジゴクとは似て非なるモノ

もがいても脱出できないイメージとして「底なし沼」「流砂」さらには「アリジゴク」もイメージが出来ると思います。

ですが、このアリジゴクは画像のような虫がすり鉢状の巣を作っている為、底なし沼とは原理も仕組みも異なります。

法律上では「大きな水たまり」でしかない?

底なし沼に死体を遺棄したり、底なし沼で人を殺害した場合に底なし沼は「大きな水たまり」という扱いになります。池や海や湖にはそれぞれ別の定義が有るためこうなりました。

現実世界に存在する以上、定義づける必要がありました。「底なし沼」というのは総称です。実際に底がない沼はありません。

一般的な底なし沼の深さ

底なし沼の深さを調べることは近年まで困難と言われていました。そのため調査資料や情報があまり残っていません。

おおまかな数値では3M~深くても5Mと言われています。実際に調査を行った北海道稚内にある竜神沼の深さは、約2m37cmでした。ほとんどの底なし沼の深さは3M前後です。

それは日本でもアメリカでも大差はないそうです。ですが人が沈むには十分な深さです。とても危険な命に関わる事故に繋がる深さだと言えます。油断すれば死亡事故に繋がります。

底なし沼の死亡事故

底なし沼で起きた死亡事故は少なくはなく、実際に人が亡くなっています。そしてそれは底なし沼に浮かぶ氷山の一角です。この場合はそれすらも飲み込まれて見えなくなっています。

実際には確認されている事件の何倍もの行方不明者が底なし沼に飲み込まれてしまって見つかっていない可能性も非常に高いです。

【日本】宮城県大衡村の沼

この事故は底なし沼の恐ろしさを広めた代表的な事故です。宮城県大衡村の八志沼では父親一人と幼稚園児二人の合計3人が帰らぬ人となり心肺停止の状態で発見されました。

農業用のため釣りをしていた親子が誤って沼に転落し、そのまま沈んでしまいました。日本のみならず世界中に衝撃をもたらしました。

それまでの、たとえ落ちても大人がいれば大丈夫、複数でいれば大丈夫という誤った考え方を正すきっかけとなる悲惨な事故として記録されています。

【アメリカ】テキサス州ヤコブの井戸

アメリカ・テキサス州のヤコブの井戸は観光スポットでも有ります。底なし沼というよりはどこまでも深く続く水中の円柱のような穴です。深さはおよそ40Mと言われています。

非常に澄んだ水と神秘的な様子から訪れるダイバーが後を絶ちません。ですが、そのうちの8人ものダイバーが命を落としています。

アメリカにも日本にもここまで澄んだ水中トンネルは珍しいと言われています。やはり、底なし沼の原理とは異なります。突然現れる落とし穴に近いでしょう。

【イギリス】モーカム湾の流砂

こちらは一度に21人もの死者を出したデッドスポットです。それも大昔ではなく2004年の事故でした。難民船に乗った中国人が足を踏み入れた砂泥に絡め取られ死亡しました。

なぜ、そんなにも多くの死者が出たのかと言うと潮の満ち引きが関係していました。その砂泥が出ているのは干潮時でした。そこで抜け出せなくなった人々に満潮の瞬間がやってきたのです。

それも急激な潮の流れによって為す術無く溺れてしまいました。”底なし沼ではなく流砂がもたらした、沈むのではなく水位が人を殺した”事故として有名です。

日本で起きた水難事故に関しての記事はこちら

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どこまでも沈んでいく?底なし沼の原理

底なし沼とは実際に底がない沼のことを言うわけではありません。オカルト的な説明不可能な現象でもありません。底なし沼にもちゃんとした原理が存在します。

底なし沼に落ちた人間が沈んでしまい最悪の場合の死亡事故に発展したその死因は溺死です。人間の足では立っていることが出来ない、水に近い成分で出来ているからです。

底なし沼の中は、砂の中に大量の水分が含まれており土のように固まりません。安定しない状態です。このような泥や砂の事を”流砂(りゅうさ)”と呼びます。

底なし沼に底はないのか?

結論から言えば底なし沼に底はあります。オカルト的な観点から言えば現実的でガッカリされた方も多いかも知れません。

科学の進んでいなかった時代には底なし沼は危険すぎて調べることが出来ず、様々な憶測が出ていましたが現在ではその原理や仕組み、深さなども判明してきています。

仕組みが解ってからは底があると定義することも可能になりました。底なし沼には底があります。ではどういった原因で死亡事故になり得る危険な沼が誕生するのでしょうか?

底なし沼の仕組みは?

非常に不思議な現象ですが、その原理を簡単に言えば「土だと思っていたものが、液体のように変化して人を飲み込む」とお考え下さい。

底なし沼の本来の姿は土と見分けのつかない地面です。その為、気づかずに足を踏み入れてしまいます。するとどんどん足元が液体のように変わっていき気づけば沈んでしまっているのです。

こういった地盤に圧力がかかって崩壊する現象に「流砂」があります。底なし沼の仕組みを理解するためには流砂の仕組みを調べる必要があります。

流砂がなぜ底なし沼になるのか

流砂が底なし沼に変わる大きなポイントは振動です。流砂に振動が加わることで、それは恐ろしい底なし沼に変化してしまいます。

流砂は振動を加えていない状態では普通の地面や泥と見分けが付きません。その為、流砂はとても危険です。

振動が与えられたことで流砂は液状化します。完全な水ではなく、やわらかい粘土のように粘着質を持つ泥になります。これが人の足を掴むように絡みつき、脱出困難な底なし沼として牙をむくのです。

チキソトロピーとは

チキソトロピーとは成分の名前ではなく、仕組みの名前です。この仕組は身近なところではボールペンなどにも使われています。

ボールペンはペンの先についているボールが転がって動くことでインクを液体に変化させます。

流砂も同様です。チキソトロピーという仕組みで、振動が加わった部分が液体化するのです。つまり底なし沼の原理はこのチキソトロピーという仕組みが関係していたのです。

底なし沼はどこにある?

底なし沼が確認されている場所は世界中に存在します。日本にも数多くの底なし沼が点在しています。

その規模も特徴も様々ですが、詳しい調査がされていない為に、まだハッキリとしたことが解っていない底なし沼や流砂もあります。それではその一部をご紹介致します。

【日本】和歌山県浮島の森・蛇の穴

へびのあなではなく「蛇の穴:じゃのがま」と読みます。正式名称は「新宮藺沢浮島植物群落」。とても珍しい光景なので国の天然記念物に指定されていて、観光地にもなっています。

蛇の穴の何が珍しいのかと言うと”森全体が水に浮かんでいる”事です。日本最大の浮島「浮島の森」は枯死した植物。死んでしまった植物が暗褐色の泥炭層を作ってそれが蓄積されて浮いています。

古い時代の日本がそのまま生き残っている神秘の森として大切に保護されているのです。

伝説の大蛇・飲み込まれた美女おいの様

この「浮島の森」にある沼の名前が「じゃのがま」です。これは古くから伝わる言い伝えから来ています。

昔、おいのさんというそれはそれは綺麗な女性が居ました。しかし、そのおいのさんは巨大な蛇に飲み込まれ、この沼の中に引きずりこまれてしまいました。

この話が「おいの見たけりゃ 藺の沢(いのど)へござれ おいの藺の沢の蛇の穴(じゃのがま)へ」という俗謡として残り、上田秋成が『雨月物語(蛇性の淫)』を書いたといわれています。

【日本】北海道釧路湿原・やちまなこ

「ヤチマナコ(谷地眼)」は湿地帯に多く見られます。北海道の釧路湿原でも確認されています。

水面の岸辺は抽水植物の地下茎が茂っているので歩くとふかふかとクッション性のある地面になっています。気を抜いてその上を歩いていると、どんどん沈み込んでしまいます。

その形状は壺のような形をしています。入り口部分の水面は小さく、水中は広くなっています。そのため「ヤチマナコ(谷地眼)」は「湿原の落とし穴」とも呼ばれています。

【日本】鹿児島県トカラ列島中之島

日本に存在する底なし沼の中でも最も深いクラスの約4.5M。脱出が非常に困難だと言われています。

周りにはほぼ人影がなく、危険な場所の一つです。のどかな雰囲気に惑わされて不用意に近づかないようにしましょう。

【アフリカ】砂漠の流砂

人間よりも車が被害を受けやすいのがアフリカに点在する流砂です。もちろん人が入っても危険な地帯ですが、走行中に突然流砂にハマってしまうという事故は後を絶ちません。

この流砂には動物も多く犠牲になっていて、馬やラクダもハマったまま餓死してしまう事があります。降水量が少ない砂漠地帯にまとまった雨が流れ込むと凹みが出来て流砂が生まれます。

最も恐ろしいのは、灼熱が支配する地域だということです。一度ハマって抜け出せないでいると太陽の熱が体力を奪います。こうなってしまっては死を待つのみです。

【アメリカ】ルイジアナ州バイユー・コーンの湿地帯

湿地帯が広がるアメリカ・ルイジアナ州バイユー・コーン。アメリカには世界でも珍しい、人類のせいで誕生してしまった底なし沼が存在します。

岩塩採掘のために掘られた地下空洞の影響で底に穴が開き、近隣の住民も避難を余儀なくされてしまいました。地中からのガス噴出も重なり、地盤が不安定になり沼の底が抜けてしまいました。

1年間に24エーカー(約9万7,000平方メートル)もの穴が開き、現在もポッカリと空いた沼に樹木が根こそぎ飲み込まれてしまう現象が、アメリカでは起きています。

アメリカではこのような機会で採掘を行っている地域が多数あります。

底なし沼の抜け出し方と注意点

恐らく日常生活の中で底なし沼に落ちることはまず無いと思いますが、備えあれば憂いなしということで抜け出し方について解説していきたいと思います。

それぞれ、沼によっても、状況によっても、抜け出し方が変わってきます。全てに共通して大切なことは”落ち着いて対処する”という事です。

また、原理や仕組みを解っていれば抜け出し方も自ずと導き出されていくでしょう。

手足をバタバタさせず左右に振る

底なし沼の中から生還するためには慌てないということが大事というのは言ってきましたが、じっとしているだけでは当然助かりません。

岸へ向かって、移動する必要があります。その際の順番としては最初に沈んだ足を引き抜こうとするよりも、手を沈めないようにすることを優先してください。

手が自由ならば助かる方法は広がります。足をバタバタさせるのではなくかき分けるように左右に振れば、水が流れ出してそこに空間が出来ます。体の周りの地盤が緩んで動けるようになるのです。

体を寝かせる

底なし沼に触れている面積を少しでも小さくするために立っていたいと思う所ですが、実はこれは逆効果です。

先程、説明したように底なし沼は流砂がチキソトロピーという仕組みで液体化して起きる現象です。したがって衝撃を与えないようにすることが大切です。

体をゆっくりと寝かせる事で流砂を刺激しないようにして、沈まないようにキープし、落ち着いて対策を考える事が重要です。

足をゆっくり引き出す

急いで抜け出そうと暴れるとどんどん勢いよくチキソトロピーが働き沈んでいきます。とにかくゆっくりとまず、足を引き抜きましょう。

底なし沼にハマった第一段階は、そっと足を引き抜くようにすれば回避することが可能です。

泥に足をつけないように脱出する

流砂は液体化した瞬間に急激に体を飲み込むモノではありません。足が抜ければ脱出まではあと一歩です。抜け出し方は実は非常にシンプルなのです。

そこからは、もう一度足を取られないように気をつけながら、なるべく泥に足をつけず、表面をなでるように進んでいく事で脱出することが出来ます。

パニックになったり、その場に立ち止まったりせず、暴れないようにゆっくりと体を動かし続けることを心がけましょう。

手を差し伸べるのは危険なことも

底なし沼にハマったのが自分ではなく一緒に居た誰かだった場合の抜け出し方です。その人を助けるために手を差し伸べたくなりますよね?でもこれは時に最悪のケースになることもあります。

底なし沼の死亡事故を防ぐ為にはまず落ち着くことです。目の前の相手がパニックになっていたらまず冷静になるように説得することが大切です。

むやみに手を出すと思いの外強い力でも相手が抜けない場合、沈んでいる相手の方に自分まで引き寄せられてしまいます。不安定な体勢で落ちた場合、顔がハマって窒息してしまう事もあるのです。

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