太宰治作品による心に響く格言・名言集!作品とともにご紹介! エンタメ

太宰治作品による心に響く格言・名言集!作品とともにご紹介!

1948年、39歳という若さでこの世を去った、孤高の小説家、太宰治。今もなお、読書家たちから根強い人気を誇っています。後世に伝わる作品をいくつも残した太宰治、その言葉たちの中には、心に響く名言も多くみられました。今回はそんな太宰治の名言に注目します。

太宰治の作品は、心を震わす名言・格言ばかり

太宰治は名家に生まれたことで、自分はそれにそぐわないという悩みを持ったりして、思想も歪んだものになる時期もありました。井伏鱒二の弟子になり、小説家として邁進していきますが、自殺未遂を繰り返すなど、波乱に満ちた人生を送りました。

そんな太宰治は皆さんご存知の方通り、名作ばかりを残しています。芥川賞はとれなかったものの、審査員であった川端康成を恨みましたが、後年にはその川端康成をも唸らせる作品を世にだしています。では、そんな名作の中から、名言を抜粋してご紹介させて頂きます。

太宰治作品の名言・格言「走れメロス」

「人の心を疑うのは、もっとも恥ずべき悪徳だ」まずは、有名な「走れメロス」の名言です。メロスが、友人のセリヌンティウスを捉えた王に向かって放った言葉です。今の世の中でも、人を信じずに、はなから疑ってかかったりする時が誰しもあるのではないでしょうか。

太宰治は左翼運動に参加して、警察に睨まれたり、そのせいで実家からも縁を切ると言われたりしました。何が正しいかは別にして、自分の思想を信じて行動していた太宰治は、徐々に世の中を信じられなくなったと言われています。太宰治も信じることを全うしたかったのかもしれません。

太宰治作品の名言・格言「富嶽百景」

「富士には、かなわないと思った。念々と動く自分の愛憎が恥ずかしく、富士は、やっぱり偉い、と思った。よくやってる、と思った。」この「富嶽百景」は、太宰治が入院中に、妻初代が浮気をしたと知り、精神的に弱くなってしまい、師匠の井伏鱒二を頼って山梨県御坂峠に身を寄せました。

そこで出会った素朴で優しい人々との触れ合いが、太宰治の荒んだ心を癒しました。その時、住んでいた部屋からは富士山が見えたそうで、この作品が生まれたのです。富士山のようにはなれぬが、心にゆとりをもたらしたのでしょう。この作品をきっかけに、太宰治はまた文壇活動に戻れるようになりました。

太宰治作品の名言・格言「女生徒」

「ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。」この「女生徒」という作品は、東京の女子校に通う少女が主人公になっています。思春期の女生徒の心情を繊細に表現した作品です。

この作品は、一人称体で書かれており、主人公の女生徒が語っているような展開です。太宰治の作品の中でも異彩をはなっていますが、太宰治の小説家としての才能を随所に垣間見ることのできる作品となっています。女好きとも言われた太宰治ですが、女性の心を汲み取ることのできる紳士だったのかもしれません。

太宰治作品の名言・格言「人間失格」

「恥の多い生涯を送って来ました。」続いては「人間失格」です。太宰治の代表的な作品とも言えるでしょう。実家からは縁を切られかけ、精神病院に入ったり、女や酒に溺れたりしてきた太宰治自身の人生を振り返っているような作品で、太宰治の死後に刊行されました。

「世間とは個人じゃないか」これも「人間失格」の中の言葉です。世間は大きいものではけしてなく、単なる個人の集まりであって、言うなれば単なる個人なのだ。世間に対して大いに恐怖と不信感を抱いていた太宰治は、そう思うことで、気持ちが楽になっていたのではと解釈されています。

太宰治作品の名言・格言「津軽」

「大人とは、裏切られた青年の姿である。」太宰治の故郷である青森の紀行文なっています。太宰治は先述のとおり左翼運動をしたり、下宿先で自殺を図ったり、芸妓を呼び寄せて結婚したりと、名家に生まれながらその名を傷つけてしまうようなことばかりしていました。

その為、家を継いでいた長兄(太宰治は6男)から、生き方を改めなければ絶縁するとまで言われてしまいます。そんな故郷について、出版社からのオファーで書くことになったのですが、その中でこの言葉を残しています。この言葉に関しては読む者によって、意見が分かれています。

太宰治作品の名言・格言「斜陽」

「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ。」お次は、「斜陽」です。この作品は、太宰治の愛人であった太田静子がモデルと言われています。戦後に没落していく貴族を描いた作品です。

太宰治の実家も名家であったことから、これにも太宰治のことを表したような部分も見受けられます。貴族の中に落ちこぼれの者が出てきますが、これは太宰治本人を表しているのだろうと言われています。どの作品でも、太宰治自身を描く時には、一貫して落ちぶれたろくでなしのキャラクターなのです。

太宰治作品の名言・格言「お伽草子」

「どうも、陸上の生活は騒がしい。お互い批評が多すぎるよ。陸上生活の会話の全部が、人の悪口か、でなければ自分の広告だ。うんざりするよ。」この「御伽草子」という作品は、とてもユニークで、とてもポピュラーな昔話(浦島太郎、カチカチ山、こぶとり爺さん、舌切り雀)を太宰治がアレンジしたのです。

皆が知っている昔話を太宰治の解釈で脚色し、新たなエピソードを継ぎ足すなど、読んでいると太宰治の考え方や、思想、そして性格までもがわかるような気がします。この言葉も浦島太郎の中の一節なのですが、とても現代風に描かれていて、ファンの中でも特に人気が高い作品です。

太宰治作品の名言・格言「ヴィヨンの妻」

「女には、幸福も不幸も無いものです」この「ヴィヨンの妻」にも堕落した主人公(酒飲みで女好き)が出てくるのですが、これもまた太宰治自身を投影しているといえるでしょう。この作品もそうですが、太宰治の作品の中には女性が必ずキーマンとして出てきます。

しかも、それらはほとんど女性に対して敬意を払い、強く朗らかで、男が頼りにしてしまうような描写が多いのです。太宰治もまた、妻がありながら愛人を作ったりするような男でした。しかも、太宰治の最期は愛人と身投げしたことによる自殺だったのです。

太宰治のまとめ

いかがでしたでしょうか。孤高の天才太宰治の作品で見られる名言や格言をご紹介してまいりました。この他にもたくさん、素晴らしい作品がありますし、心に響く名言や格言を太宰治は多く残しています。有名な作品だと、例えば「走れメロス」などは学校で習ったりもします。

なので、ストーリーはなんとなく知っているという方も多くいらっしゃると思います。ですが、一度ちゃんと読んでみると、思わずハマってしまう方も多いのです。太宰治は日本を代表する作家の1人で、今でもファンは増え続けています。

太宰治はとても人間らしい弱さを持ち、それによってとんでもないことを何度もしでかしたりしました。ですが、常に周りには太宰治を救う人がおり、寄り添う女性もいました。それはやはり、太宰治は誰からも恨まれるようなことはしない、誰からも好かれる人物だった証拠ではないでしょうか。

きっとこのまま後世にずっと残されていくであろう、太宰治とその作品の数々を、一度読んでおくべきかもしれません。今回でそう思ってくださると嬉しいです。現代を生きる我々であっても、どこか考えさせられる作品ばかりですので、おすすめです。